意識の声 No.18 より

1992年 1月号

 

 日本人の若い科学者でMという方がいらっしゃいます。この人は宇宙開発のコンサルタント的な仕事を個人で行っている方で、東海大学宇宙工学科の出身だそうですが、今年、所用あってアメリカのNASA(アメリカ航空宇宙局)へ行ったのです。そのとき、例のアポロ月着陸船が月面を撮影した多数の写真を見たというわけです。アポロ計画というのはご承知のように一九六八年一二月から一九七二年一二月まで有人宇宙船を月へ打ち上げて月面に着陸し、多くの探査を行った世紀の大壮挙であったわけです。そのとき宇宙飛行士達が撮影した月面写真は多くの論議の的になりましたが、私達アダムスキー派としては、当局がどうでもよいような写真だけを発表して、重大な写真はすべて隠蔽しているという立場をとってきました。ダニエル・ロス氏の『UFO――宇宙からの完全な証拠』にもそのことが詳細に論じられています。

 

 ところが、前述のM氏がなんらかのコネによってアポロ月面写真を大量に見せられた結果、氏は驚異的な写真を見たというのです。それは、月面に多数の円盤が並んでいるような不思議な光景を示す写真類だったのです。このアポロ写真というのはずいぶん沢山あるのですが、それらはごた混ぜにしてあるのではなくて、A,B,C,Dの四ランクに分けてあるのだそうで、Aランクあたりはどうでもよいような写真ばかりだけれども、Dランクになると非常に不思議な人工建造物が写っている写真が主体で、これらは絶対に公開されずにトップシークレット(極秘)にしてあるというのです。

 

 以前はUFOなどを全く信じなかった唯物論者のM氏はこれらの写真を見て驚嘆し、それからというものはUFOの存在を信じるようになったばかりか、精神世界の探求にも関心を持つようになったということです。

 

 UFOなるものに関心のなかった科学者が、驚異的な写真を見せられてUFOの存在を確認したというのですから、これは重大な問題です。アダムスキーの主張を完全に裏付けるばかりか、私達GAPが活動してきた根拠も正当化されたことになります。つまりアダムスキーも私達も絶対に正しかったわけで、多くの反対派がアダムスキーやGAPを非難攻撃することこそ完全に間違っていたことが分かります。

 

 実際問題として、現在の科学はまだ万障の解明に五パーセントほどの役割しか果たしていないという記事がある雑誌に出ていましたが、たぶんそんなものでしょう。特にこれは波動に関して言えます。というのは次のような記事が毎日新聞に出ていたからです。

 

 福島県のある日本酒の造り酒屋でお酒の醸造中、酵母にモーツアルトの音楽を聴かせると酵母菌の死滅率が驚くほど減って、お酒の香りが高く、まろやかな味になるというのです。ジャズや演歌ではダメで、クラシック音楽は全般によいけれども、バッハやベートーベンにくらべてモーツアルトの効果は抜群であるということです。

 

 結局酵母菌といえども生物であり、意識を持つ存在ですから宇宙の彼方から響いてくるような美しい音楽に感動するのでしょう。これはただの音波に共鳴するのではなくて、やはり作曲者が放つ優雅、調和、愛といった想念波動に感銘を受けるのではないかと思われます。

 

 私自身はモーツアルトにあまり関心はなかったのです。彼の曲はいわば『女・子供』的な優しさに満ちたもので、それはそれなりに良いけれども、哲学的な深みのないものだと思っていました。彼の曲で好きなのは『フルートとハープのための協奏曲』くらいのものでしたね。交響曲になると、どれも似たり寄ったりの旋律ばかりで、実際、モーツアルトは同じ旋律を何度も使用した狡い人間だったと言う評論家の批判もあるぐらいです。私としては昔からアントン・ブルックナーの深遠雄大な交響曲が好きでして、特に八番か九番あたりになると、天界の楽人の奏でる響きという感じがします。若い頃はウイスキーをチビチビ飲みながら、ブルックナーの壮大な曲を聴けば、もう極楽でしたね。特にクナッパーツブッシュ指揮ミュンヘン交響曲楽団演奏の八番の名盤は私の宝物でした。

 

 しかし日本酒醸造とモーツアルトの関係を知って私の考えは変わったのです。この際モーツアルトを見直さなくてはいけないと考えて、これから少しずつモーツアルトを聴こうと思っています。以前にはラスキーヌとランパルの『フルートとハープ』の名盤も所有していましたが、プレーヤーの良いものを持たなかった私は、それらのクラッシクレコードをすべて他人に譲ってしまい、手元にあるのはそれらをダビングしたカセットテープだけです。

 

 日本の生んだ世界的な音楽指揮者である鈴木鎮一氏は現在九〇歳になるも現役で仕事をしておられ、階段を走って上り下りしておられるということです。この方は六〇歳頃のとき、大悟一番「生や死はアチラ様の決めることで人間が考えることではない。アチラ様に任せてしまおう」と思ってから不思議に健康になり、それ以来病気をしなくなったということです。このアチラ様というのはアダムスキーの言う『宇宙の意識』のことで、『宇宙の創造主』という意味のことでしょう。含蓄のある言葉です。こうした境地に至りたいものです。

 

 ユーコン誌一一六号にはテッド・オーウェン氏の『奇跡的に願望を実現させる方法』と題する素晴らしい記事がでます。このオーウェン氏も「能力を発揮するのは創造主のためだ」と言っています。こうした『非個人性』というテーマはたぶん人類の究極の課題になるでしょう。それで思い出すのですが、以前、GAP会員のある若い女性が万人と一体感を極端にまで高めた結果、テレパシーの能力が出てきて、月例会に出席すると周囲にいる人達の想念がすべて手に取るように分かったと言っていました。惜しくもその後、対人的なトラブルに巻き込まれて苦悩したために万物一体感を失ってしまい、そのためにテレパシー能力も失ったということです。

 

 これからみますとアダムスキーが力説している『万物一体感』というのは最重要な要素を帯びていると言えます。このフィーリングを極端に昇華させるとテレパシーその他のあらゆる超能力が開花すると思われます。しかし実習は容易ではありません。超強力な信念が必要です。でも、やってみる価値はありますから大いに推奨したいですね。その基本訓練として東京月例会ではCosmic Meditation(大宇宙瞑想)を指導しています。これは万物一体感を起こすための基礎訓練になるものです。これを実習した人達から、「心身共に爽快になった心境が高まった」という声が続出しています。こういうことを全くやらないで一般レベルの泣き笑いの人生を過ごすよりも、やはりやってみる方が良いでしょうね。要領の分からぬ方は東京月例会のビデオを見るとよいでしょう。あるいは一度東京月例会に出席されるとベストです。

 

 このCosmic Meditationを行いながら反復思念またはイメージ法を応用すると、素晴らしい奇蹟が起こります。難病の人は治り、貧困にあえぐ人は奇跡的に恵まれるでしょう。その他、不思議に願望が実現してくるのです。とにかく一一六号のオーウェン氏の記事と高梨十光氏の『病気治療の宇宙哲学的方法』、それに私が書いた『ミラクル・ワードとミラクル・イメージ』をお読み下さい。得るものがあるはずです。

 

 すでに何度も申しましたように私自身が奇蹟発生男であり、不思議人生を歩んでいますから、こうした精神世界の探求は人後に落ちません。だいいち私自身が前途遼遠の未来を抱えていますから、大言壮語できる柄ではありませんが、こうした精神面での研鑽は私のカルマであり、そのために私に同調される人々が同質結集により集合して私を叱咤激励して下さるのだと解釈しています。

 

 確かな筋から聞いた話として、地球を火の玉にするような第三次大戦は発生しないということ、全人類が消滅するような自然の大変動も発生しないということです。これが今世紀末に(あと八年しかない!)起こると騒ぎ立てる人間や書物がありますが、これは恐怖心のためか、または金儲けのための妄言です。何か絶望的になっている人は、自分ばかりでなく世の中のあらゆる人間を巻き添えにしたがります。そこで大変動発生説をまことしやかに流すのですが、このワナのひっかからぬように重々ご注意下さい。

 

 年頭から檄を飛ばすようで恐縮ですが、維持会員の皆様に満腔の謝意を表しますとともに、今年一年ばかりか、未来永劫にわたってよきカルマを形成され、幸せな人生を過ごされますように心からお祈り致します。事務の仕事を手伝ってくれる家内が「維持会員がいるからGAPがやっていけるのだ」と、つぶやいたことがあります。けだし貴重きわまりない御喜捨であり、私ばかりかブラザーズも衷心より喜んでおられると思います。あらためて厚く御礼申し上げます。ご忠告があれば平伏して賜りますので、何なりとお申し越し下さるようお願い致します。