意識の声 No.25 より

1992年 8月号

 

 地球の宇宙開発科学の発展に伴って来世紀の西暦二〇二〇年から三〇年頃にかけて、太陽系内の別な惑星群に人類や大文明が存在することを地球世界が常識として知るようになるというのが私の持論でしたが、これはもっと早まって、二〇一〇年頃に世界各国が惑星群の大文明を公式に認めるようになるらしいことが分かってきました。そうなりますと、アダムスキーの名が世界的に浮上し、今世紀最大の偉人の一人として渇仰の的になるでしょう。すでにその胎動が始まっています。つまりNASAが隠蔽していた月面のUFO写真や情報が漏らされ始めたために、アダムスキーは正しかったという声が国内でも出始めているのです。今後、その傾向は顕著になる一方でしょう。これに便乗してバスに乗り遅れまいとする動きも活発化するものと思われます。要するにアダムスキー支持活動で一儲けしようとする流れが始まるのです。

 

 しかし問題はなんといってもアダムスキーの説いた宇宙的な哲学を実践するか否かにかかっています。この宇宙哲学的な思想に基づいた生き方とは無縁な想念を持ちながら(つまり他人を憎悪したり非難攻撃したりしながら)アダムスキー支持者であるような顔をする人が増えるかもしれませんが、この辺には充分注意する必要があります。誰が真実のアダムスキー支持者であったかどうかは、その人の活動状況や生き方を見れば分かります。日本GAPを嫉妬して非難してかかろうとする本物でない個人やグループには注意して下さい。

 

 この地球世界には古来無数の宗教が出現し指導者が輩出しましたが、いささかも安穏な理想的な社会は実現しませんでした。これは実際には宗教の教義がダメなのではなくて、その真意を信奉者が理解できなかった点にあります。自分では理解しているつもりでいても、そうでなかった証拠に、他の宗教が勢力を持てば、それと対抗して争います。まさに地球とは宗教戦争の場であると言っても過言ではありますまい。現在のボスニア、ヘルツェゴビナのサラエボにおける争乱がその一例です。これはキリスト教の東方正教会に属するセルビア人が、イスラム教とのスラブ人やクロアティア人を追い出そうとする大セルビア主義の狂信的な独善思想の現れです。

 

 結局、人間は誰しも『大安心』の境地を求めているのに、それに到達できないばかりに苦悩し呻吟(しんぎん)するのです。勢力を持つ他人や他のグループを嫉妬して誹謗するのも、所詮、自己に内在する不安と恐怖を抹消しようとする心理の現れに過ぎません。このような人達は気の毒ですが自分の良きカルマを形成する力を持たないどころか、他人のカルマをも悪しき方向へと向かわせる破壊的な力を帯びています。このような人達は接近しないほうがよいでしょう。ただし、これは憎悪心を持たないで一線を画することを意味します。つまり伝染病患者に対して憎悪心を持たないで、ただ伝染するのを警戒して接近しないのと同じです。

 

 アダムスキーは言っています。私達は時々高次元の人と接触する必要があると。ときどきどころか、このような人には常に接触する必要があります。他人を決してわるく思わず、人生や世界に対して明るいポジティヴな(プラスの建設的な)想念を持ち続ける善良にして高貴な心を持つ人と接触していれば、自分もそのような次元に引っ張り上げられるのです。これが本当の人生の師であると言えるでしょう。このような師となるべき人は、なんといっても良識を持って生きています。良識とは良き常識です。

 

 戦後のフランスの名画で『天井桟敷の人々』というのがありました。この主演女優は名優として名高いアルレッティーでした。私は昭和二五年頃にこの映画を見た記憶がありますが、長生きの秘訣を聞かれた彼女は「良識を持つことだ」と答えたということがクリスチャン・ジル著『女優アルレッティー』に出ているということです(私はまだ読んでいません)。良識――すなわち礼節をわきまえた豊かな常識――を身につけるのは容易ではありませんが、これはやはりUFOと宇宙哲学研究の土台をなすものと言えるでしょう。これを持たずして、つまり非常識な態度を示しながら、アダムスキー問題やUFOに関して如何に豊富な知識を持とうとも、それはアルコールを帯びていない気の抜けたビールのようなもので、他人のために役立つものとはなりませんですね。気をつけたいところです。

 

 話を元に戻しますと、来世紀は地球が確実に宇宙時代に突入します。そして太陽系の各惑星群に偉大な文明が存在することを地球人は当然のこととして認めるようになり、異星人との交流が日常茶飯事として行われるようになります。そのことは以前からの私が予感していたことでして、そのためにこうして三〇年以上も粒々辛苦の末にGAP活動を続けてきたわけです。もっとも、この事を確実に知ったの五〜六年前頃からです。西暦二〇一〇年頃から世界が太陽系内の異星人の存在を公然と認めるようになりますから、あと一八年ですね。私が八六歳の頃です。そのころも私は健在なはずでして、GAP活動を続けていますから、アダムスキーの偉大さを讃えて盛大な行事を実施するとよいですね。このことを今から考えてイメージを描いています。