意識の声 No.61 より

1995年 8月号

 

歴史の証人

 

 ユーコン誌一三〇号を七月一七日に全国向け発送しましたので、すでに皆様方には内容をお読みになったと思います。巻頭言に書きましたように、近来世間を動揺させた某カルト教団の大騒動に便乗して、真実の超能力やUFO問題までもオカルトの分野に入れてごた混ぜにし、抹殺しようとする一部の学者や評論家がいます。しかし私が入手した情報によりますと、この人達は本気で攻撃しているのではなく、内心では超能力やUFOを認めながらも表面で騒ぎたてて売名を図ろうとしているだけのようです。自己欺隔もいいところですが、まあ、いいでしょう。これらは真実の狂気ではありませんので、いつかは目覚めるときが来るでしょう。

 

 というわけは、何度も言いますように、来世紀になれば地球は太陽系各惑星の偉大な文明を発見して、それらと交流するようになり、真の意味での宇宙時代を迎えるようになるからです。したがって歴史の証人となるのは時代の流れそのものであって、ある時期の少数の人間の意見や評論ではありません。それが的中しているにしても人間個人の判断は歴史全体の趨勢からみれば知れたものです。なんだかヘーゲルの歴史哲学みたいになりましたが、私達のGAP活動の第一義はアダムスキーの宇宙的体験や宇宙的哲学の啓蒙でもありますが、地球が宇宙時代に突入するという時代の流れに沿っている事実を見極めて人々の覚醒に寄与しようという点にもあります。何も背負てるつもりはありませんが、GAPというささやかな団体の一つぐらい存在しても害悪にはならないでしょうし、それどころかアダムスキー哲学によって心身ともに非常に高揚してきたという人が無数にいる事実からみて、有益でこそあれ有害であったとは思えません。そのような団体を攻撃してくる人が存在しても、これまた不思議ではありません。なにせここは地球であって太陽系内で最劣等な惑星ですから当然の話です。

 

 私達は何が善で何が悪かという規範を明確にすることによって社会の秩序が維持される仕組みになっています。しかしアダムスキー哲学によれば、宇宙の意識(創造主)の世界には善悪もなく、万物は一体であると説かれています。つまり悪とは熱さない善にすぎないのです。ユーコン誌一三〇号に掲載しました私の拙文による超能力者ディナが最後に言っている言葉、「今日は悪人でも、明日は善人になるかもしれませんからね」こそ、まさに神に近い心境と言えるでしょう。このような思想を普及させて自らも実践しようとしている私達の活動に対して中傷誹諦する人達に反撃する気は毛頭ありません。反論すれば対立となり、対立は万物一体の理念に反するからで、結局、相手と同じ次元に降りることになるからです。