意識の声 No.80 より

1997年 3月号

 

★金星イメージ法

 

 以前に紹介したことがありますが、早稲田大学総長の奥島隆康先生は「自分はどこへ行っても楽しい事だけが待ち受けている、と考えるタイプの人間だ」とおっしゃった言葉が数年前に新聞のインタービュー記事に出たことがあります。あのお言葉は私にとって天啓の慈雨であり大シヨックでした。一流大学の最高の地位におられる方が、あそこまで徹底した楽天主義をつらぬいておられたとは! これは万巻の凡庸な修養書にはるかに優る光明哲学の最高峰です。この素晴らしい思想に対しては多弁を要しません。ひたすら実践あるみです。あのような徹底したプラスの想念波動を放つ方には、それに感応した良き物事だけが引き寄せられて来るにきまっています。また敵がいても、相手が近づくことは不可能でしょう。

 

 そこで私はこの思想をさらに拡大して「私は今、金星に住んでいるのだ」という想念を保つようにしています。これは「天国に住んでいる」と言ってもよいのですが、天国という言葉は抽象的ですから、天国のような世界の金星をイメージするのです。そうするとこの世で目につく限りの人はみな金星人ということになります。つまり、誰を見ても金星人ほどに発達した人々をイメージするのです。これが私にとっての最後的な救いと言えるかもしれません。この「金星イメージ法」については、前述のユーコン誌一三七号のデザートセンター関係の記事を編集中に、このアイデアが突然わき起こったのでした。このことをK君に話しましたら、感動の極に達したようでした。

 

 誇大妄想も度はずれていると言う人があるかもしれません。久保田は狂ったのだと笑う人もあるでしょう。それは一向にかまいません。その人達をも私は高度に発達した金星人であるとみなすからです。そうすれば誰から何を言われても私に故障は起こりません。

 

 実は、この地球にも未来には金星のように高度に進歩する時代が来るのです。そのときのイメージを先取りしているにすぎません。人間は何を想像しようと全く自由ですから、同じ想像するのなら、良い事だけをイメージするに限ります。逆に悪い物事を想像すれば、それなりの反応があります。つまりツケがくるのです。これを因果応報と言います。この法則は絶対なのであって、逃れることはできません。でも世の中には、ずいぶん悪事を働いて結構な暮らしをしている者がいるではないかと思われましょうが、どっこい、これはタダではすみません。今生で悪事のツケがこなくても、来世では低次な環境に生まれ出て、また苦しみながら一からやり直すことになるでしょう。これが宇宙の法則です。

 

 

 

★長寿の秘訣

 

 三月二日付毎日新聞朝刊の一面下段の『余録』と題する随筆欄に有益な記事が出ていました。この三月二日というのは往年、婦人代議士として鳴らした加藤シズエ氏の百歳の誕生日なのだそうで、そのために取り上げたのだろうと思います。

 

 それによりますと、長生きの秘訣を問われて加藤氏は次のように答えています。

 

「毎日一度は黙想して心をきれいに掃除すること。牛乳を三合飲むこと。一日一〇回は何かに感動すること。この三つが私の長生きの秘訣でございます。その気になれば、感動はすぐ見つかります」

 

 素晴らしい生き方ではありませんか。特に一日一〇回は何かに感動すること、というのが凡俗の域をはるかに超えた聖者の境地に達していると言えるでしょう。これほどの方ですから長寿を保たれるのだろうと思えば、やはり精神世界探求の重要さを痛感する次第です。

 

 毎日一度は黙想するというのは、すでに大宇宙思念法を実践している私達は三つの法則の一つをクリアーしているわけですし、牛乳も多くの方々は飲んでおられるでしょうから、これもOKです。問題は三番目の「感動」です。これが案外にむつかしい。それで三月二日に私は東京月例セミナーでこの話を持ち出して説明したのですが、感動すべきことが見つからねば、自分でそれを作りだせばよいのです。たとえば、電車内で席がなくて困っている老人を見たら、自分がサッと立ち上がって席を譲る。すると相手が嬉しそうに礼を言って座る。それを見て「ああ良かった」と自分で感動できるわけです。

 

 もっと目を開けば、自分や万人が大宇宙の創造主に生かされている素晴らしさに感動すればよいですし、感動のネタは無限にありますね。あとは実行あるのみです。

 

 

 

★美しい人生をすごすための方法

 

 ひとくちに「美しい人生」といっても人によって評価は異なるでしょう。私によれば、本エッセイ先月号に述べましたように、自分の敵に対しても相手を拝むような心境に達した人の生き方を「美しい人生」と言えるのではないかと思うのです。あるGAP会員の女性の方が、「他人から徹底的に酷い目にあわされた。あの者については恨み骨髄に徹している。いつか報復してやる」と告白しておられたことがあります。その気持ちは充分に理解出来ます。私自身もそんな目にあったことが一度どころか無数にあるからです。一体に、なぜか私は他人から妬まれることが多くて、理由なしに攻撃を受けたことが何度もあります。人間の嫉妬心というものを私ほどに体感している人は少ないでしょう。

 

 しかしアダムスキー哲学に接してから四〇年。さすがに今は違います。トシのせいでもあるのでしょうが、人間同士の闘争の空しさを腹の底から感じるどころか、いっそのこと万人を拝むことにしようかと思い、前述のように「金星イメージ法」なるものを編み出して、これを実践しているのです。こうした「イメージを描く方法」による成果には絶大なものがありますから、実践されるとよろしいでしょう。ジョセフ.マーフィー博士の本にもイメージ法で願望を実現させる方法が述べてありますし、最近読んだアメリカの精神世界探求指導者であるウエイン・W・ダイアー博士の著書『自分の中に奇跡を起こす!』(三笠書房刊。知的生き方文庫。五〇〇円)にもやはりイメージ法の重要さが説かれています。これからみますと、イメージを描いて物事を実現させるというのは絶対的に優れた理論なのだということが分かります。もちろんアダムスキーも『生命の科学』の中でこのイメージ法について説明しています。ところが、こんな素晴らしい方法を「非科学的」の言葉で一蹴する人もいますが、これは現代の唯物論教育による悪影響の結果であって気の毒な話です。

 

 

 

★明るい未来の展望を

 

 近頃、またも地球破滅論や人類絶滅説等が流れていますが、これらはすべて本を売らんがためのデマ! あたまから無視するに限ります。出版物というのは恐怖心を起こさせる内容か俗悪なポルノが良く売れると言われていますから、こうした書籍類はあとを断ちませんが、こんなものに惑わされることなく、真実の宇宙の実態と宇宙の法則を伝えたアダムスキーを筆頭とする宇宙のパイオニアー達の有益な情報を理解して、明るい展望のもとに生きようではありませんか。来世紀には太陽系の各惑星群に大文明が存在することが常識となり、アダムスキーの名は飛躍的に浮上します。私達は一世紀先取りした未来への道をすでに歩んでいるのですが、これは自己の良きカルマの形成に重要な土台となるものです。毅然たる態度で前進を続けましょう。皆様に良き未来と宇宙的な発展のあらんことをお祈り致します。