真の自己を見つめる (FACE TO FACE WITH REAL SELF)

K・蓮池

 

 人間は常に宇宙と共に存在してきました。これからも自分の外部に存在する宇宙と共に自分の内部の宇宙である"意識"という"永遠なる存在"と共に私たちは存続し続けます。

 

 この地球上の人間は一日の殆どを利已的な想念で過ごすとブラザーズは地球人の行動の基となる想念を観察してきました。大多数の人間は99%を利己的想念で朝から眠りにつく時まで過ごすようです。現代人は過酷な弱肉強食の競争社会で忙しく、この世界は実にあわただしい。この世界の人々はあまりにも急がしすぎて、仕事中毒(ワーク・ホリック)や残業に追われて過労になったりして、金や利益、財産、を求めすぎて自分を顧みる"ゆとり"を殆どもたない。その結果、不安とストレスが蔓延し、"真の幸福"も、やすらぎもくつろぎもない哀れな、心が荒廃した(すさんだ)社会を形成しています。

 

 彼らは自分のまわりにある自然の美しささえも忘れ、小鳥のさえずりやタ日の美しさを感じるほんのひととき(一瞬)さえなくしているのです。この実にあわただしく、せかせかした社会の中に人は生きていて、毎日を同じ習慣と共に過ごしています。

 

 アダムスキー氏は「生命の科学・講座」第7課で次のように述べています。

 

 「人は記憶なくして人ではありませんので、そういうわけで、人の記憶は生命の連続のために必要不可欠な要素(エッセンス)なのです。しかし、殆どの人々が人生を通じて過去の体験類を記憶していない理由は、心が得た重要な価値あることを記憶することを学ばなかったからです。

 

 心は束の間の、移り変わる諸結果に依存してきました。特に心はエゴが感じるほんの少しの価値しか重要でないと私たちが叫ぶ(瞬間的に移り変わる)諸結果に依存してきました。通常のおきまりの順序、型にはまった手段(日常の)日課は習慣となり、工ゴを支配していますが、これは"記憧"とは呼べません。もし、人が宇宙的記憶を培わなければ、人は無になります。」

 

 地球人の殆どが過去の人生に全く気づかない理由は、今こうしている時と同じように過去においても"真の自己"である"意識"と個性(エゴの心)との間に分離があったことを示しています。心とは束の間の存在であり、一方、意識は本当の永遠なる部分です。あらゆる活動が記録されるのは"意識"の中においてであり心ではありません。

 

 

 

 地球人の99%が、まさに自分の真の正体を失っていることは不幸なことです。アダムスキー氏が述べたように、人間の真の目的は家、財産、富、名声、快楽でもありません。毎日決まりきったことをくり返している心(エゴ〕が、本当の永遠なる部分である意識と融合することが地球人の最重要な課題なのです。そして地球人は"宇宙的記憶"とは何なのか理解して、それを毎日培う努力をしなければなりません。

 

 人は孤独になることを恐れてはいけません。一日のうち、静かで、誰にも邪魔されない、たった一人になる時間を設けてください。くたくたになった会社や仕事のことも忘れ、家族の束縛や気がね、そして惰性で無意味な(下らない)テレビ番組など見ず、またサツバツとした出来事の内容しかない新聞記事などから離れて、また人間を無知に留めるスポーツなどから解放されて、そして自分の個人的執着(心配〕から解き放たれて、自分の実体である"真の自己"(REALSELF)に直面してみましょう。アダムスキー氏が述べたように、生命の科学・講座の各課の1ページをゆっくりと読み、そしてその(意識からの)印象を即座にメモすることです。

 

 それから、自分の(その日の)一日の心の状態(想念)をふり返り、分析し、ノートまたは手帳に記録します。

 

 私たちは日常の行動において結果だけには気づいていますが、その"原因"には気づいておりません。それで、「生命の科学・講座」第1課の(原因に気づくこと)に書かれているように、その"原因に気づくこと"に直面する必要があります。

 

 私たちは、この世界の慣習やしきたり、親や学校で結果のみを重要視することを教えられ、物事の"原因"について思いめぐらすことを殆ど学ばないか、もしくは無視することを教わってきました。ゆえに、この地球では原因に気づくことを大多数の人が学んでいません。心はいつも結果に依存しており、一方"意識"は無言の印象というフィーリング(感じ)で私たちに伝えます。

 

 「生命の科学・講座」第1課には「だから、私たちは、最初に〜今まで、ずっとし続けているように、結果類を究極の(決定的な)答として受け入れないために、(諸)感覚から作り上げられている心を、調整しなければなりません。しかし、どんな結論に到達するにしても、その前に、その結果が{生じた}理由を忍耐強く分析しなさい。それが自分自身に関係した個人的な結果にせよ、他人または他の生命形態にせよ、いずれにせよ、どのような違いでもつくるべきではありません。」と、述べられています。

 

 そして、「生命の科学・講座」第2課「人体の創造」の後半には、さらに重要なことが述べられています。「人間の二つの面を考えてみますと、私たちは、それらが同じ家に住んでいる二人の人間 〜一方が他に頼っている〜 と匹敵することを見いだします。一方は心で他方は意識です。"意識"の部分は宇宙(Cosmos)に属していますが、"心"はこの世界に属しています。この世俗的世界に属している心は、それが創造主を理解して一体化する以前に、宇宙的な部分である"意識"と融合(ブレンド)することを学ばなければなりません。

 

 融合することをつくるためには、たとえ、それが何であろうとも、行動の背後にある"原因"について心に考えさせる習慣を個人が持つことを培う必要があります。そして理解するために、それぞれの活動(行動)を分析しなさい。それが過去の体験類からくる習慣的なもので、そして純粋にメンタル(心)であり、自己中心的か、または個人が達成するために努力しなければならない宇宙的性質なものかを。」

 

 心(四つの感覚器官)もしくは、エゴによる印象の方が多かったか、それとも自分の内部の"意識"からの印象の方が多かったかを確認してみることがいかに大切かがわかります。

 

 自分が毎日くり返している習慣的想念とは何かを知ることです。そうです、同じパターンをくり返しているに過ぎない毎日の生活に気づく必要があります。そして親や学校・世間やマスコミから学んだ固定観念を打破しなければなりません。

 

 自分のその日の想念を見つめることが大切です。心(エゴ)が起こす想念に心配、不安、恐れ、不満、そして野心や貧欲、所有欲などや、仕事にのめり込んだり、つき合いや雑事、家事が忙しすぎて、心のゆとりと宇宙的関心を失うこと(無関心)などの利己的想念があります。一方、意識からの印象(感じ)〜ささやきは、宇宙の法則を探究しようという真剣な探求心、現状維持から脱出してもっと進化しようという向上心、大自然の驚異とその美しさを感じる喜び。小宇宙である人体や魂そして原子や動植物、そして惑星や太陽系、銀河系などの絶妙かつ精妙な宇宙のしくみについて学習しようという謙虚さ、他人への思いやり、尊敬、心の平安さ、さまざまな逆境を乗り越えてゆこうする勇気と忍耐、そして希望、万物への愛などがあります。意識のささやきに耳を傾け、波長を合わせ、一体化すれば、"本当の自己"は何なのかをもっと深くわかるようになります。

 

 宇宙の意識と一体化すると、自分にも、他人にも寛容になり、すべてのものと調和し、一つになるフィーリング(感じ)を得られることに気づきます。

 

 人は自分自身で、毎日の刻々と変化する自分の想念を見つめなければなりません。そうしなければ、自分が"今"どういう想念状態にあるかわからないからです。自分がかかえているストレスや不安や恐怖を克服し、心配から解放されなければ、私たちの内部には平和や調和は生まれません。

 

 自分の内部、すなわち"意識"に気づかなければ本当の信念を培うことにはなりません。人間が強欲もしくは"貪欲"になるのは"宇宙の意識"である"真の自己"に気づかないからであり、G.アダムスキー氏が言ったように、この惑星の人間は"恐怖"から冨の蓄積や名声、所有欲などを増大させているのです。これらすべては"恐怖"に基づきます。

 

 私たちは幼少のときから恐怖を教え込まれます。そして年齢を重ねるに従って次々とそれが習慣化してゆくのです。失敗を恐れること、苦痛を恐れること、新しい生き方や考え方を実行するときに臆病(おそれの一種)になったり、世間や他人を恐れたり(気にしたり)家族や友人、職場の人々からの叱責や嘲笑を恐れること、自分の身に生じた困難な問題や逆境を恐れること、病気や死を恐れること、身の保障についての恐れ、イエスやシャカや偉大な科学者や発明家が一人になり、静寂の時(内省の時間)に孤独になったことなど、人は無理に、また知らず知らずのうちに、G.アダムスキーが言った信念と信仰の反対の恐怖を身に着けていることに慣れてしまっていて、なかなか気づかないのです。

 

 ですから自分を直視して、恐怖はすべて、信念によって、"理解"というものに置き換えなければなりません。ブラザーズはアダムスキー氏を通してこの事を「生命の科学・講座」第2課で次のように述べています。

 

 

 

 「心が行動する場合、知識と信念を欠くことによって引き起こされた、恐怖を通じて、心は(毎日を)大部分行動しています。というわけは、もし心が変化しても、次の瞬間にはどのようになるのかを、心は知らないからです。恐怖が心の主人です。そして何らかの形で地球上の殆どすべての人間を支配しています。恐怖は支配的な要素であることを悟っている人々は、極わずかです。それは私たちが、何十世紀もの間、恐怖の家族の子供達となっていて、今やそれが自然な生き方だと感じているからです。私たち(地球人)は自分たちが恐れていることもさえ知っていません。けれども、恐怖とは、生命を支配する諸法則に対する理解の欠乏にすぎないのです。そして、これらの諸法則の結果を学習することによって、特に人の(地球人の)体験類を学習することによって学ぶことはできません。なぜなら、これらの殆どは恐怖の命令の結果だからです。」

 

 

 

 自分の中にプレツシャー(圧迫感)とストレスを生み出し、トラブルを解決困難にする要因であるこの恐怖に直面して、それを調和と平安なる想念に変えなければなりません。私たちは自分が発する大宇宙の法則と不調和な利己的な想念と現在まで身につけている様々な恐怖を克服するためには、スペース・ブラザーズがG.アダムスキー氏を通してもたらした"生命の科学講座"を真剣に学び、探求し、理解し(消化して)日常生活で実践、応用することが最も重要です。

 

 ただ、アダムスキー氏が述べたように、生命の科学講座を読んで、すぐ書いてあることのすべてを一挙にやってみるのはお勧めできません。まず、その深遠な新しい考え方に少しずつ慣れていって下さい。時には立ち止まり、読み返し、ゆっくり消化するために時間をかけて下さい。そして内省(自分を見つめること)の練習をして下さい。くり返しますが少しずつ、少しずつ実行してみて下さい。