意識の声 No.8 より
1991年 3月号
アダムスキーの『第2惑星からの地球訪問者』には、偉大な精神的発達を遂げた別な惑星の人々は、敵が攻撃してきても自分たちは応戦をせず、相手を殺すよりも、むしろ自分たちの死を選ぶ、という記述があります。これは恐怖心皆無の状態であり、しかも他人を傷つけないという万人愛の発露でもありますが、根本的には転生の法則を熟知しているがゆえの「死」に対する概念の地球人との決定的な相違から来ると思われます。
一方、地球人の死の恐怖は克服しがたい巨大な圧力となって人間を支配しています。人体を一種の機械とみなし、故障すれば自分の力ではどうにもならないと思いこんでいる唯物感。生命は一度だけで、あとは無に帰すという絶望的な虚無感。これらは人間の進化を阻害する大いなる障害物とも言えるでしょう。
しかし失望は禁物です。実は地球全体が緩慢ながらも宇宙的な方向に進んでいるのです。今世紀末に世界的大変動が発生して地球はダメになるかというがごとき『予言』類が巷間に氾濫していますが、そのようなマヤカシ予言に惑わされてはいけません。断言しますが、地球が破壊するようなことは絶対にありません。局地的な戦争は今後も散発的に発生するでしょうが、それは輝かしい二一世紀が誕生するための陣痛の苦しみです。こうした苦痛は良くなるための自壊作用ですから、恐怖すべきものではありません。
こうして来世紀になれば地球世界に精神的な大改革が始まり、西暦二〇二七年に世界は偉大な指導者のもとに一挙に宇宙的な方向へ前進し、人々は他の惑星群の大文明と交流を開始して、地球も太陽系連合の仲間入りを果たすようになるでしょう。そして来世紀半ばにはアダムスキーが主張した太陽系の実体は日常茶飯的な常識となり、別な惑星からの来訪者達も公然と地球の街路を闊歩するようになります。それは目に見えてわかっているのです。だからこそ私は四畳半の事務所でただ一人GAPをやっているわけです。
もっとも、あと三六年後には私は地上から姿を消しているでしょうが、しかし日本GAPの活動はたぶん消えないでしょう。誰かが継続して行うと思います。日本GAPの活動の記録すなわち毎号のユーコンは永久に国立国会図書館に保存されることになっていますから、これまた後世の人々の知るところとなります。そのころには人々が日本GAPなる集団が存在した事実とその実体を知って驚くでしょう。
はるかな大昔、バビロンの補囚で慟哭したユダヤ民族は、ネプカドネザル二世を気取る『バグダッドの酋長』のために今なおミサイルを撃ち込まれて苦難のカルマを清算しつつありますが、来世紀になればカルマも消えて、天来の声を聞くようになるでしょう。
巷には「愚かな戦争、バカげた戦争」という批判が高まっていますが、第三者が何を言おうとも、この戦争自体は必然の課程であって、地球社会の向上のための必要悪と言えるかもしれません。太平洋戦争は日本人に恐ろしく高価な授業料を要求しましたが、それだけの価値はあったと言えます。日本民族は他国の誰よりも平和に対する高度な認識に到達しているのですから――。しかし平和への憧憬と無責任とは別問題です。「平和は一人でやってこない。自由と平和は闘って勝ち取るものだ」というイスラエルのベングリオン首相の言葉を想起しますね。
ところで、中東では大戦争をやっているというのに、いまどきUFOだ宇宙人だと、よくも浮世離れしたノンキことをやっていられるものだと、世間の人は嗤うかもしれませんが、これはアダムスキー問題の重要きわまりないポイントを全く知らないからです。UFO問題と一口に言っても、これは地球の未来に多大な関連のある重大な要素を多く含んでいるのです。まずエネルギー問題が筆頭にあがります。現在の中東戦争にしても石油利権の争奪戦が発展したことを思えば、エネルギーがいかに人類存亡のカギとなっているかがわかろうといものです。
しかしその化石燃料は産出地が限られており、また産出量も有限です。もうこんな古臭いエネルギーに依存するのはやめて、アダムスキーが紹介した他の惑星のものすごい科学に着目し、大宇宙空間に無限に充満している電磁気を応用するべき時代に突入していると言えます。そうでもしない限り、化石燃料では闘争の絶え間がないでしょう。
実は日本政府の或一部の官庁ではアダムスキー問題を真剣に研究し、画期的なエネルギー革命を図ろうと検討しているという事実があります。昨年私はその官庁から相談を受けたのですが、私自身は科学者ではないために、電磁エネルギーの専門家を糾合して本格的な研究体勢を敷くか、または個人的な研究家の決起を促すかして、国家のために何らかの貢献をしたいと思っております。コトは容易ではないでしょうが、その意気込みだけはあります。おそらく世界はいずれ化石燃料から離れて電磁気の方向へ向かうでしょう。これは科学の分野の大いなる転換点です。
次に形而上、すなわち精神的な分野における問題があります。別な惑星の人々がテレパシーを駆使して天国のような調和と平安に満ちた生活をしている実態が来世紀に知られるようになれば、アダムスキー哲学の重大性が注目の的となるでしょう。先日も私は都内のある求道的なグループから招待を受けて講演に行きましたが、その幹部の方が、「アダムスキーの主張には信じられない部分もあるけれども、彼の哲学は物凄いものだ。あれに匹敵するような哲学や宗教は存在しない」という意味のことを言っておられました。この方はGAP会員ではなく、ただアダムスキーの書物を読んだだけの方です。わかる人にはわかるのです。
この宇宙的な哲学もたぶん来世紀には一般人の認めるところとなって、広く応用されるようになるでしょう。その兆候はすでにあります。現在、雨後のタケノコのように設立されている多数の超能力開発研究団体で応用しているイメージ法や反復思念法などは、昔から私が『生命の科学』ティーチングを応用して広めていた方法です。結局アダムスキー哲学は正しかった、それどころか人間の生き方を根本から変える重要な法則を説いたものだということが証明されてきたと言えます。
二一世紀はこうした画期的な科学と哲学の時代にあると私は断言します。それは時代の必然的な趨勢なのであって、そのような方向づけがすでになされていたとも言えるでしょう。お互いに頑張ろうではありませんか、私達は子供だましな事どころか、全世界の誰も夢想もしなかったこと事象に着目して遙かに時代の先端を切っている先駆者の集団であると自負してもかまいません。よい意味で大いにプライドを持ってください。