意識の声 No.29 より
1992年12月号
四七年前、広島に原爆が落ちて死者二六万人という大惨事が発生しましたが、スペース・ピープルは事前に予告しませんでした。広島の人だけ助けて他の地域の人々を無視するという不公平なことはできないからです。第二次大戦による全世界の被災地に事前に予告して救出するのは、いかにスペース・ピープルといえども不可能でしょうし、数十億の地球人を彼らの大母船に乗せて別な惑星へ避難させることも絶対に不可能なことです。こうした異星人に関する他力本願的なまことしやかな救済説を唱えて人々を吸引しようとする団体が少なからずありますが、いずれもマヤカシです。
どうすれば自分は救われるか?
これは全く自分自身の悟り(哲学的に言えば「認識」)にかかっています。
何を悟るのか?
それは自分と大宇宙との密接な関係です。人間は大宇宙の外側ではなくて内側に生まれて育まれているからには、大宇宙こそまさに人間を生み出した母の子宮であり、万物に生命エネルギーを与える根元なるものです。人間には人体を生かす生命エネルギーと英知が与えられていますが、その根元的なるものは大宇宙そのものにほかなりません。それは霊界でもなかければ米のメシでもなくビタミン剤でもありません。実に大宇宙そのものが私たちの人体を生かしているXであり、それによって生かされている人体Yです。YはXの関数にほかなりません。Xをより多く認識吸収する人ほどYは成長の度合いが上昇します。ここにおいてY=f(X)という宇宙的な式が成立するのです。
つまり人間はもともと大宇宙が育成して完成させようとしている対象物ですから、人間は生まれながらにして大宇宙に応援され援助されていることになります。人間にとって大宇宙が唯一の最大の味方なのです。
この事実になぜ地球人は気づかないのか。肉体は宇宙の無限の生命エネルギーと英知で生かされているのに、フツーの人は肉体を単なる物質と思い込み、ちょっと故障が起これば医薬の世話にならねば治らぬものだと決めつけて、何はおいても病院に走り込む。少し年をとれば、もうダメだと考えて、みるみるうちに老け込む――。病院へ行けば、まだ六〇歳そこそこなのにヨボヨボになった人がなんと多いことか。
ここにおいて、私たちの生命哲学の研鑽と実践がいかに重要であるかがわかるでしょう。特にアダムスキーの『生命の科学』は二〇世紀最大の書物であると言えますね。私はそう思います。彼は人間のマインド(心)と宇宙の意識との一体化を徹底的に説いていますが、それはつまり大宇宙という広大な母胎に包まれている自分を認識せよという意味です。
それを認識した生き方をすれば、どうなるか?
まず自分の肉体に予想外の変化が起こって健康になります。次に自分の願望が確実に実現します。そして超能力等も出やすくなります。そのような好結果をもたらすためのきっかけとして大宇宙瞑想を行うのです。それはマインドと宇宙の意識との一体化を図るための動機になるものです。ただし、今後は大宇宙瞑想とは言わずに「大宇宙思念法」と呼ぶことにします。瞑想といえば、とかく宗教的と勘違いされますので、呼称を変えたわけです。この実習は東京月例セミナーで行っており、その光景を撮影したビデオも配布されていますから、地方の僻地にお住まいの方はビデオを利用されると便利です。あるいは、今年の一〇月に開催されたGAPの総会で私が行った講演の記録が、来年一月発行予定のユーコン誌一二〇号に掲載されますが、その中で私が大宇宙思念法について説明した箇所がありますから、それを読んで実習されてもけっこうです。しかし、ビデオをご覧になるのが手っ取り早いでしょうね。