意識の声 No.74 より

1996年9月号

 

決断力と実行力の重要性

 

 私(久保田)自身はアダムスキーに会った経験はないのに、こうまで彼のために活動を展開続行しているというので、私を、イエスに会ったことのないパウロに譬えて賞揚して下さる方があります。これは少々面映いのでして、実際、内心では私もアダムスキーに会った人達を羨ましく思っているのです。

 

 なぜ私はアダムスキーに会わなかったか。理由は簡単です。田舎にいた当時、アメリカへ行くオカネがなかったからです。その私が最初にアメリカの土を踏んだのは一九七五年一一月で、このときビスタで健在だった秘書のアリス・ウェルズ女史と会えたのが、せめてもの幸いでした。アダムスキー没後一〇年目です。一〇年早く行けたらと地団駄を踏む思いでしたが、それでも、このアメリカ行きを強行してよかったのです。

 

 当時、私は出版社を経営しており、資金はありましたものの、多忙のため二週間も休暇を取って米西部東部を歩き回る余裕はなかったのですが、何かに憑かれたように強引に飛び出てしまいました。人間、何かを計画したら思いきって実行することですね。そのタイミングを失ったらだめです。その後の多数の海外旅行も、すべて私の速断力にかかっています。これを良い意味に解釈すれば、昔の友人が評しましたが、私は直感力のヒラメキを重視するタイプの人間なのだそうです。

 

 

 

デザートセンター事件の驚異的真相

 

 ユーコン誌117号に「巨大宇宙船、デザートセンター上空に出現!」と題する記事を掲載しました。あらためて概略を述べますと、今をさる四年前の一九九二年一月二七日、日本GAP本部役員の内、四名と私(久保田)、ロサンジェルスで合流したダニエル・ロス氏の計六名は、またもデザートセンターへ調査旅行に行きました。ここへは何度も行っているのですが、いつ行っても非常に高貴な宇宙的雰囲気を感じる場所です。

 

 当日の午後二時三分、突如、上空に巨大な葉巻型物体が出現して、左の西から右の東の方へ悠然と飛翔するのを一同で目撃したのです! 現場に居合わせなかった一人を除いて五名が偶然に集まっていたので、全員が目撃しました。双眼鏡で観測したのは私、ロス、篠芳史、田中淳の4名で、最初の発見者の加藤純一は肉眼で見ていました。「大母船だ!」一同が興奮して喚声をあげたのはいうまでもありません。

 

 翼などは全くなく、白い胴体が輝いて、船尾には点滅しない赤い光がついていました。私が双眼鏡(ビクセン、8倍、20ミリ)で見た限りでは、見かけ上、右手をまっすぐに前方へ伸ばしたときの親指の半分の長さ程度に見えましたから、かなり低空だったようです。しかも私はこうした場合の観測法の一種として、山かまたは他の物体と比較しながら見るのですが、幸いなことに大母船のはるか下方を並行して一機の戦闘機が飛んでいましたから、その戦闘機と比較して目測したところ、大母船の長さは五〜六百メートルはあったようでした。戦闘機がなぜ上空の巨大な物体に気づかなかったのか不思議に思われましょうが、これは母船側の光線の操作によって見えなくすることが可能なのです。

 

 私はデザートセンターへ行くときはいつも双眼鏡を携行しますが、ついぞカバンから出したことはないのに、この日に限って、昼食後、なぜか取り出して胸に下げたくなったのです。これは全くの僥倖でした。大母船は右手のアリゾナ州の方へ遠ざかりましたが、それと直角をなすように右手、つまりプライズの方向から一機の戦闘機が物体めがけて接近したと思うまもなく、大母船は突然パッと消滅しました。不思議な現象です。しかしこれも本当に消えたのではなくて、物凄い加速をつけて上昇したのか、または光線の操作によって見えなくしたのか、そのいずれかのようです。

 

 後日わかったのですが、あの物体は金星から来た大母船で、あの中には多数の人がいたようですが、その中の七人だけが船内から地上の私達を見下ろしていたそうで、その七人のなかに、金星人に転生した(生まれ変わった)アダムスキーがいたということです。こんな話は一般人には全く通用しませんが、これはこの世界の裏にひそむ厳然たる事実です。信じて下さる方だけでよいでしょう。

 

 

 

火星の実態を知っている米政府

 

 世界は確実に宇宙の実態を見いだす方向に動いています。最近も米政府は、隕石の中に火星の生物の痕跡を発見したと発表して世界を驚かせています。これは切迫したアメリカの大統領選挙で自分を有利にするためのクリントンのキャンペーンの一種と思われますが、実際にはNASAは火星の大文明の存在を知って知りぬいているのに、ほんの少し匂わせる程度にして人心に悪影響を与えない程度に手加減して発表したフシが濃厚です。というのは、火星の生命存在の可能性に対する賭けを商売にしている英国の公認のブックメーカー(賭け屋)であるウィリアム・ヒル社が、賭け率を従来の五〇〇倍から一気に二五倍に引き下げたからです。この理由としては「NASAが微生物の存在よりも、はるかに劇的な新事実を公表する可能性が十分に出てきたからである」と同社は言っています。さあ、面白くなってきたではありませんか。ヒル社は徹底的な調査や情報活動によってNASAの真意を把握していると思われるのです。

 

 しかし私達はこんな発表などで有頂天になることはなく、冷静に観察しているほうがよいでしょう。いつかは地球世界が太陽系の別な惑星群のすべてに大文明が存在することを知って地球に大変革が生じる時が来るのですから。それは来世紀の20年代頃から始まるはずです。アメリカの火星の生命発見云々はその曙光です。ここにきてやっと宇宙時代が始動し始めたという感なきにしもあらずですね。

 

 

 

マインドと意識との一体化ほど重要なものはない

 

 GAPに触れた人の中には、やたらとスペースピープルに会いたいという意欲を高めて、それがwishful thinking(希望的観測=こうあってほしいという異常な思いこみ)に発達し、道を歩いていても、ちょっと風体が違えばすぐにスペースピープルだと思い込んだりしがちになるようです。

 

 私達がまっとうな人生を過ごそうと思えば、何が真実で何が間違っているかを的確に見抜く必要があります。そのメンタル・トレーニングは困難なことではなく、それこそアダムスキー哲学を実践して日常生活で生かせばよいのです。

 

 それにはなんといってもマインド(心)を静めて、内部の実体(意識)から来る声に耳を傾ける習慣を身につけることが必須です。すると内部から印象が来るのですが、これを「ヒラメキ」といいます。昔、若い頃、最低の貧乏暮らしをしていたウォールト・ディズニーは、自分の間借りの部屋にネズミが出没するのに悩まされていましたが、あるときそのネズミを見ていたら、突如、彼の心にヒラメキが起こりました。それは「これをマンガに描け!」という声なき声です。こうしてミッキーマウスが生まれて爆発的に売れた上、彼は億万長者になったのですが、それで満足せずにディズニーランドその他の施設を作って、世界の子供達に大いなる夢と希望を与えました。この源泉はたった一つの「ヒラメキ」だったのです。この話を今年五月の東京造形大学の講演で話しましたとき、前の方に座っていた一群の熱心な男子学生達の目が輝いていたのをよく覚えています。年が若くても聞く耳を持つ人達は、いるものです。

 

 

 

良き書物を読む楽しみと効用

 

 絶えずアダムスキーの哲学書を持ち歩いて、ひまさえあれば読むという習慣は最高に賢明な方法ですが、あまり同じ書物を反復して読みますと飽きがきますから、ときには他の有益な精神世界探求の書物を読むのもよいでしょう。私はもっぱら東京駅八重洲側の世界一の書店といわれていたヤエスブックセンターへ立ち寄るのを専門にしていますが、イメージを描いて病気を治すとか願望を実現させるというノウハウ物が氾濫しているのに驚かされます。数十年も昔にアダムスキーが『生命の科学』や『テレパシー開発法』で唱えた理論が今は全く普通の常識になっているのです。やはりアダムスキーは偉大でしたね。

 

 私の場合、この頃は新約聖書の英文版をカバンに入れておき、電車内や喫茶店等で読むことにしています。英文版新約といっても多種類ありますが、私は「Good News」と題する平易な美しい口語体英文で書かれた小型聖書を愛読しています。これは英語の学習用にも絶好の教材になります。これをイギリス英語で朗読したテープの18巻セットも出ています(定価1万円)。またこの「Good News」聖書は左頁が英語、右頁が対訳の日本語になったのもあり、これなら誰でも読めますので英語学習用に最適です。

 

 

 

美しく楽しい人生をすごす方法

 

 美しく楽しい人生。それは物質的な豊かさではなくて、あらゆる人から好かれる人間になることを意味するでしょうね。どうすれば人から好かれるか。簡単なことです。こちらから人を好いてあげるのです。そうすれば見返りに好かれます。しかしあらゆる人を好きになるというのは難事です。どうすればよいか。秘訣をお教えしましょう。

 

 「自分にとってイヤ!な人間を好きになる方法」、それは「あの人は人生という舞台で、いっときあのような役を演じている役者なのだ」と思うのです。なーんだ、役者なのか、本体は違うんだ。本体は善良な人間なのだが、今はわざと、あんなふうな悪役を演じているんだ、と思えば気分が晴れてスカーッとします。イッパイ飲みたくなりますよ。こうした発想の転換によって人間は自分の人生を無限に楽しくすることができます。

 

 役者というのは事実です。人間は一つの舞台で(一生涯で)人生という仮面劇を終えると転生して、また別な舞台で(生涯で)人生を演じます。だから役者なのです。名優もおれば大根役者もいますが、転生をくり返すごとに次第に技術が向上して、縁日の小屋掛の芝居からブロードウェーの大劇場の出演者に出世してゆきます。それなのに人生を一回限りと思って自暴自棄になるのは、つまらない話です。とにかく地球世界の五六億の人間が一刻も早く転生の法則を知ることですね。これに尽きます。