意識の声 No.83 より

1997年 6月号

 

★万人に対する尊敬感が最高のカギ

 

 他人をやっつけてやろうという攻撃性。これは人間にとって最大の害毒でして、個人といい国家といい、これを消滅させない限り幸福が到来するものではありません。何度も例に出すことですが早稲田大学総長・奥島隆康先生の「自分はどこへ行っても楽しい事だけが待ち受けていると思うタチなのだ」という思想には偉大な哲学がひそんでいます。忍事な宗教家の説教などは足下に寄りません。ところが、日本人はこうしたオプティミズム(楽天主義)やボナ・フィデス(善意?ラテン語)を持ちやすいからペルーで人質事件が発生するし、救出も他国に頼りがちになるのだ、日本人はもっと強いパワーを持たねばだめだと警告した評論が先日新聞に出ていましたし、商業で栄えて軍備を怠った古代カルタゴが大ローマ帝国に殲滅された実例や、儒教による文治主義のために弱小化した朝鮮が豊臣秀吉の侵略戦争の初期に日本の大軍団に蹂躙された例などを引き合いに出して、現代日本の強化を叫ぶ論評が新聞に掲載されていました。その趣旨は合理的ですけれども、なにせアダムスキー問題にハマリ込んで世界の思想史に例のない宇宙哲学で生きようとしている私たちは、他人または他国との物理的な力による闘争や対決よりも精神波動の高次元化を重視したいですね。そして宇宙哲学の普及によって日本人全体の精神波動の高次元化を図れば他国が攻め込んで来ることはあり得ないでしょう。軍備を持たないただの丸腰になるだけではだめです。他国を尊敬し愛することが必要です。そうすれば他国も尊敬し返すでしょう。これは個人でも同様です。万人を尊敬する高次元な想念波動を放つ人に対して攻撃してくる他人はいないのです。

 

 人間の幸せ。これは偶然にやってくるものではありません。自分で努力して勝ち取るものです。その努力とは、他人と戦って相手をやっつけることではなくて、他人を、万人を限りなく尊敬することにあります。このことを私は「ある方面から」教示されて、覚醒の思いを起こしました。「寛大な気持ちでもってあらゆる人を尊敬しなさい」と。たしかに、他人が自分の悪口を言っても、自分は相手を尊敬しているのだと思えば、実に気分爽快です。これほどに高次元な安全な生き方はないでしょう。

 

 以上の事を福山支部大会で話しましたら、なかには涙を浮かべて聞いておられた方が何人か見受けられました。素晴らしい方々ですね。福山へ行った甲斐があったと思います。私から感謝と祝福の拍手を送りたいほどです。

 

★人生を楽しく豊かにすごす方法

 

 自分は財布の中はからっぽだ、楽しい気分などが起こせるものかと言う人があるかもしれません。それはまことに気の毒なことです。しかし、ここで観点を一八○度変えるのです。つまり、今は自分が俳優として人生という舞台で貧乏人の役を演じているのだと考えて、良い意味でトボケて明るく生きるのです。するとスカッとした爽快な気分になります。そして、今は貧乏人の役を演じているけれども、いずれは金持ちの役を演じるのだと思っておれば、来世ではそのとおりの役がまわってくるでしょう。人間の生き方に関する考え方というのは面白いもので、自分が舞台で演じている役者として生きていると思えば、自分の現在の環境、社会的地位、財産等は全く気にならなくなります。この「役者観法」は人間の転生の法則を知っていれば即座に理解できるはずです。

 

 その転生の法則を知らないからこそ、今生の一代を絶対視して、それにしがみついてしまうわけです。そうして何もかも深刻に考えて身動きのとれない状態になってしまいます。たとえば自分が他人から何かの理由でバカにされているとします。普通ならば、この野郎とばかりに反感が起こるでしょうが、そこの観点を変えて、自分はいま俳優として他人からバカにされる役を演じているんだと思えば、なんでもありません。そのうち、いつかは逆に他人から尊敬される役を演じることになるんだと、良い意味でトボケていれば、気分は晴れ晴れとしてきます。要するにモノは思いようなのです。自分の現在の環境を絶対視する必要はありません。

 

★不思議な日本民族

 

 それにしても日本の家屋の狭いこと。これはもう極限状況です。米カリフォルニア州程度の面積の日本の国土。そのまた七割は山林で、残りの三割の平地にアメリカの人口の半分に肉迫する人間が押し込まれている異常きわまりない日本! よくもまあ暴動を起こさないものです。だから日本人は優秀なのです。こうした日本人の比類のない柔和な協調性によって政治家たちがずいぶん助けられている事実に政治家たちは気づいていないでしょう。政府は自分たちの政策が良いから国が丸く納まっているのだと錯覚を起こしていますが、実際には日本民族が世界に冠たる平和希求民族であるからなので、これはもう一種不思議な民族であるとも言えます。平和憲法という、まるでお伽話の世界でしか通用しないような非現実的な国を造るためのキソクを、アメリカのわずか二〇歳代の青年たち約一〇名が短期間に作成した上で日本に押しつけてきて、それを実に五〇年間も固守してきたという不思議な国ニッポン。この事実は明らかに、日本民族は特殊なカルマを持つというアダムスキーの言葉を完全に裏書きしています。この特殊性に気づかずに日本を他国のように普通の国にするというのは、日本民族の性格を他の低次元な普通の国と同等レベルに引き下げることになると思いますね。

 

 日本が不思議な国といえば、アダムスキー哲学を熱心に探求する日本GAPのような団体は、世界広しといえども日本GAPだけです。これは大げさな表現ではなくて、世界のUFO研究界の実情を知る私が断言できることです。これだけでも日本人の特殊性が浮上してきます。ダニエル・ロス氏なども不思議がっているのです。世界でどうして日本GAPだけがこうまで発展するのかと。それは我々が日本人だからだとしか答えようはありませんが、民族のカルマという点で、すごく深遠な理由があると思いますね。

 

★年齢は老化とは無関係

 

 私はこの七月で満七三歳になります。それでよほどに老人意識が高まったかといいますと、全然そんなことはありません。若い人に負けずに昼夜バリバリと仕事をこなしています。文豪の吉川英治氏がかつて書いておられたことですが、自分は一七歳の少年と話し合っていても、相手が自分よりも年上のような感じがするというのです。驚くべき謙虚さですね。ところが私自身も二〇歳代の青年と話し合っていても、相手が私よりも年長者のような感じがすることが多々あります。これは私の謙虚さによるものではなくて、私の発育が遅れていただけの話です。いつになったらオトナになれるのかと慨嘆しますが、一方では確かに気分は若いのです。それで老化しないのでしょう。昔アダムスキーがヨーロッパ講演旅行に出かけた折、テレパシーの凄い能力を持つ土星人の若い美人が案内役で随行したということですが、この女性の年齢は見たところ二三〜四歳ほどだったけれども、ア氏の推測ではざっと四〇〇歳になるだろうということでした。四〇〇歳といえば豊臣方と徳川方との関ヶ原の大決戦が一六〇〇年ですから、それよりも少し前に生まれたことになります。バカバカしい事を言うのもほどがあると一般地球人は呆れるでしょうが、それは地球というカビのように微小な井戸の中で醸成された「地球人の常識」を基準にして考えるからです。土星人が超長寿を保つのは、心を老化させないからです。気分の若い人は老化しないという法則は、現在医学でも認めています。この頃はそうした精神身体医学的な本が氾濫するようになりましたが、これは良い傾向です。年齢は老化とは無関係なのです。

 

★酒は悪魔ではない

 

 先般の福山支部大会の日の夜、パーティーが終わってからホテルの座敷で大勢集合して二次会が開催され、私もお邪魔して愉快に語り合いましたが、このときにビールをかなり飲んで(実際には、そんなにガブ飲みした覚えはありませんが) いささか酩酊しておりました。ふだん自宅ではほとんどアルコール類を飲まないのですが、たまに月例セミナーその他の会合後の食事で、私が飲まないで仏頂面をしていると座がシラケるものですから、少しは頂くことにしています。ところが支部大会の大成功に気をよくして、いささか飲み過ぎて酔いがまわり、ある宗教の教祖に対する批判的な言葉を口に出してしまい、しまったと思いましたが、あとの祭りでした。呆れ返った人が多かったと思います。今後は充分に自戒します。

 

 ただしアダムスキーはアルコールを少し嗜んだそうで、イエスはワインをかなり飲んだようですから、アルコールは絶対に不可ではありません。自重して飲めばよいでしょう。アダムスキーが金星の大母船に乗ったときに食事が出て、そのなかに、多量に飲めば酔っぱらう性質のジュースがあったと述べていますから、スペースピープルもアルコール類を少しは飲むのでしょう。確かにアルコール類のうち、ワインを適量飲めば心臓を強化する作用があるといいますし、特に赤ワインはガンを防ぐ作用があることが先般発見されましたから、アルコールを悪魔視する必要はありません。マインドの乱れこそが悪魔です。

 

★堂々と前進しよう!

 

 騒然たる世の中ですが、私たちは外界 (自分の体以外の外部の世界) に振り回されることなく、静かに内界を(心の中を)見つめて熟慮内省し、自分自身の精神の段階がどの程度かを確認することが急務です。内省また内省。そして大宇宙思念法による昇華と飛躍。これを続けるならば、必ずや良き運命の形成を確保することでしょう。美しく楽しい豊かな生活。それは、まず美しく楽しい豊かなマインド(心)を持つことから始まります。これなくして実現は望めません。そして願望があれば、それが実現してしまったイメージを強く描き続けることです。皆様方のご健康とご発展を心からお祈りしつつ今月の「意識の声」を終わらせて頂きます。