意識の声 No.89 より
1997年12月号
★大成功のイスラエル旅行
予告通りに日本GAPは去る一一月二二日より二九日までの八日間、「イスラエル聖地遺跡の旅」を実施して大成功裏に帰国しました。ご声援頂いた方々に深謝致します。旅行中のイスラエルは連日快晴続きで日中温度も摂氏約二五度前後という夏に近い快適な日々でして、参加者二六名は汗ばむ陽気のなかを、エルサレムを皮切りに連日元気よく視察の旅を続けました。日本GAPとしてはイスラエル旅行はこれが五度目ですから私には見慣れた土地ですが、行くたびにイエスの大地の高次元な波動を感じて胸が熱くなる思いをしました。ただし四度目のときの七年前とは様子がかなり変化しており、各史跡のそばには立派な土産物店や食堂などができて様変わりに驚いた次第です。
今回の旅にはガイドさんとして現地在住の日本人青年、福地波宇郎氏が担当されましたが、この方は傑出した名ガイドでして、イスラエル古代からの歴史・地理・文化と旧約と新約聖書に関して知らぬことはないという驚嘆すべき知識と記憶力の持ち主で、しかも温厚円満な人柄はまさに大人の風格そのものでして、しかもまだ二四歳! 素晴らしい案内者にめぐりあえて、これまた私達の恵まれた幸運の一つでした。高校卒後イスラエルに渡り、ヘブライ大学でヘブライ語を学んだという福地氏のヘブライ語はイスラエル人と変わらぬほどに母国語化しているようです。
この方のお父さんは横浜在住のキリスト者で、神の幕屋という無教会主義の団体の活動家だそうです。実はこの団体から出ている月刊機関誌「生命の光」という雑誌を神戸のGAP会員の山岸泰三氏が毎月贈って下さるものですから、私は読んでいるのですが、とてもすぐれた内容です。この宗派は有名な内村鑑三の流れを汲んで手島郁郎氏が始めた一派で、教会の権威主義を避けて集会はすべて個人の住宅で行なうという斬新なもので、信者間にいろいろな奇跡が生じていることが報じられています。私自身も大聖堂とか着飾った高僧達の権威、形式主義を主体にした儀式で明け暮れるキリスト教を好まないものですから、この神の幕屋には心から同調しています。現代のヨーロッパの大聖堂群をイエスが見たら「誰のためにこんなでかい物を建てたんじゃ?」といって驚くでしょう。アダムスキーはヨーロッパ旅行中、いわゆる大聖堂には決して入らなかったと聞いています。内部にこもる波動が悪いからです。それはともかくとして福地氏のお父さんが息子さんに波宇郎(パウロ)と名付けられたのは、親御さんとしての至上の思いが込められているのでしょう。ご子息がその名に背かずに立派に活動しておられる姿を見て感動した次第です。また、福地氏は日本GAP旅行団を非常に高く評価されて、「ずいぶん多くの団体のガイドをやったけれども、こんな立派な旅行団は初めてだ」と激賞しておられました。バスの中や観光地に着いた普通の日本人旅行団はガイドさんの話をまともに聞こうともせずに騒ぎまくり、バスを降りたらすぐに散らばって写真撮影をパチパチやるのです。どだい日本人にとってカメラはおとなのオモチャ化しています。私が過去数十回に渡り海外の団体旅行を実施して見聞した限りでは、ガイドさんに対する日本人団体のマナーの悪さは世界一。そこで出発前に説明会を二度開いて参加者の皆さんにマナーに関して徹底的に説明したのですが、皆さん方は見事にそれを実践されて輝かしい成果をあげました。これは私からも激賞と感謝の言葉をお贈りしたいほどです。
また今回の海外旅行から担当の旅行会社がスバルツーリストに変わりました。詳細は省略します。今度はこの会社の社長である小林俊雄氏がみずから添乗員として同行されました。この方も非常に温和で面倒見の良い方でして、メンバー達もとても喜んでおりました。これで痛感しますのは人間の知性と温厚さと協調性の重要さです。これを高度にそなえた資質を持つ人ほど人間として大成した証拠であると言えるでしょう。こうして私達は人間同士によって磨かれるということを、またも学ばさせられた次第です。