意識の声 No.103 より

1999年2月号

 

★最も正確な新約聖書

 

 大体に新約聖書はあまりにも多種類のものが出ていて(私は約一五種類の聖書を持っています)、翻訳文が間違いとまで言えなくともイエスの言葉をまるで女のように丁寧に訳してあるものが多いのが目につきます。たとえば弟子達に向かって「あなた方は私について来なさい」とか「行って人々に伝えなさい」という調子の訳文です。ところが、この新約を古代ギリシャ語から徹底的に忠実に訳して、これ以上に正確な新約はないといわれるほどに仕上げた聖書が出ています。それは山本書店発行の岩隈直訳「福音書」と題する本で、これは新約の全部ではなくて最重要なマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四大福音書だけを訳した書物です。訳者の岩隈氏は独学で古代ギリシャ語を学び、全くの孤立無援の状態で数十年かかって訳したといういわくつきの内容ですが、この訳文は素晴らしいものです。たとえばルカの六章三七節は「人を裁くな」という章ですが、この部分は普通の聖書では大体に「人を許しなさい。そうすればあなた方も神が許して下さるでしょう」となっていますが、岩隈訳では、「人を勘弁してやれ。そうすれば君たちは神に勘弁してもらえよう」となっています。この「勘弁してやれ」という訳がいいですねえ! イエスの豪快な性格が現われています。従来の聖書は女の言葉のように丁寧なデレデレした訳文が多かったのですが、この岩隈訳は「わしについて来い」という調子の男性的なイエスを描いています。

 

 この「福音書」は四五六頁、定価二八○○円。発行所は山本書店。地方でも大きな書店にはあると思いますが、なければ直接注文で入手可能です。問い合わせてみて下さい。山本書店の元経営者であった故山本七平氏はかなり以前に「日本人とユダヤ人」という大ベストセラー本の著者として有名な方です。あの本はイザヤ・ベンダサンという筆名になっており、その本人が誰であるかで大問題になったのですが、あの筆名は日本語そのものです。イザヤ(さあ)ベンを(弁論を)ダサン(出そう)(=さあ言いたい事を言おう)と解釈できるのですが、これは私自身の推理です。しかし後に山本氏は自分が筆者だと奥さんに告白されたということです。

 

 

 

★アダムスキー哲学の真価

 

 精神世界探求者である皆さん方はジョージ・アダムスキーの宇宙的な哲学が物凄い価値を有するものであることをよく認識しておられることと存じます。実際、会員間でこの哲学を実践して難病が治った、家族の不和が解消した、奇跡的に願望が成就したという実例が過去多年のあいだに無数にあったことは私がよく知っています。しかし私はその実用的な効果についてはあまり喧伝しておりません。現世利益を求める怪しげな新興宗教と混同されるからです。それでなくてさえアダムスキーはまだ市民権を獲得しない状態で、これを悪く言う人が跡を断たないからです。したがって、もっと大々的に宣伝して日本GAPを拡大せよという激励の声を有難く思いますが、ここはまだ慎重に考慮して活動を継続する必要があります。私はけっして憶病ではないつもりですが(だからこそ世界の誰もがやらなかったGAP活動をここまで推進してきたのだと自負していますが)、私の真意を最も熟知している方々が存在します。それはほかならぬSP(スペース・ピープル)です。この高貴な方々のご援助によって私がどれほど助けられているかは筆舌に尽くし難いものがあります。つまり私の身辺は奇跡の連続であったと言えるのですが、それについて具体的に詳細に述べることは差し控えることにしています。信じない人はそれらを偶然の結果だと片付けるからです。

 

 しかし私がアダムスキー哲学によって素晴らしい成果を挙げたということは断言できます。つまりこの哲学を生かしてきたからこそSPがさらにそれを促進して奇跡的な結果の発生に至るように援助して下さったと結論づけることができるのです。そのための根本的な修養法として「大宇宙思念法」があります。私は昔からこれを実践しており、もとは、「大宇宙瞑想」と称していましたが、瞑想では宗教的に響くところから思念法と変えました。この実践法は東京月例セミナーで毎回私の講演の最後に実習しますのでご存じの方も多いと思いますが、実際には非常に簡単な方法です。しかしこれを実習しますと心身共に清浄化して大宇宙との一体感を腹の底から実感できるようになります。これこそアダムスキーの言う「心と宇宙の意識(創造主)との一体化」の実現ですから、これを毎日続けていますと素晴らしい奇跡が発生するでしょう。とにかく実践することですね。全国の維持会員の皆様方の良きカルマの形成を祈念致して合掌再拝仕ります。有難うございました。