質疑応答

久保田八郎

 

以下の質疑応答は去る五月二十五日に行われた山形・仙台合同支部大会において、久保田先生を解答者として交わされた質疑応答の記録である。有益な内容が含まれると思われるので、参考にしていただければ幸いである。

 

 

問1 私は自分の過去生についてほとんど記憶していませんが、それを知ることが出来れば自分の人生の目標や学ばなければならない点をつかめると思います。そこで過去を知らしめる超能力者によって知らしめてもらうというのはいかがですか。

 

答 無理して知ろうとしなくても良いでしょう。過去生を知ることは主に「生命の連続」を知るために必要なんです。人間というものは一回限りのものではなく、死んだらまた生まれ変わるという「生命の連続」というものを知るために前世を思い出すことが、むしろ必要であり、興味半分のものではいけません。過去のことは過ぎてしまったことですから、現在の瞬間とはあまり関係ないと思います。私にはすぐに前の前世の記憶はありますが、あまりこだわりません。

 

 むしろ私にとってこの頃非常に重要なのは、現在の一瞬一瞬、未来に対する展望と希望・決意「これから自分はどうやっていくのか」ということです。このことを私はしきりに考えています。

 

 まず自分の生活をどういうふうにやっていくか、もっと具体的に言えば、問題は明日のコメ代をきょうどうやって稼ぐか、ということです。そしてコメ代を稼いでしっかりメシを食って体を養って、その上での宇宙哲学、精神的上での向上を目指す。、これが一番大事だと思います。ですから過去性を知りたいのなら、本当は自分で思い出すのが一番いいんです。どうしてもそれが無理なら、そうまで関心を起こす必要はありません。

 

 

問2 宇宙的な音楽とはどんなものですか。

 

答 ステックリング氏によれば、本当に宇宙的な音楽というのは、"自然の音響"だそうです。川のせせらぎ、森や林を吹き渡る風の音、あるいは虫の鳴き声、これらが最高の音楽だというんです。ですからそういう音響を聞きながら、そういう環境で過ごしている人が本当は一番いいわけなんです。

 

 いわゆる人工的な音楽の中で宇宙的な音楽というのは、ステックリング氏によれば"ワルツ曲"だそうです。三拍子の曲です。有名なヨハン・シュトラウスというオーストリア出身の、十九世紀に活躍し、「ウィンナーワルツ」という曲を作曲した「ワルツ王」と呼ばれる人がいますが、その曲などは宇宙的なのだそうです。なぜならばシュトラウス自身が金星から地球へ転生してきて、当時のヨーロッパの騒然たる状態に不安におののいていた人たちに精神を高揚させるために明るい曲を作って、それから金星に帰ったと言うことだそうです。

 

 それから今はやりの、若い人たちに受けるロックだとかフォークだとかいろんな騒がしい音楽があります。ああいうものはすべてセンスマインドからでるものであって、これは聴くに値しない、価値のないものだと言っています。しかしステックリング氏によりますと、誰しも自分が聴いて「これは実に美しい。自分の心を高揚させる音楽だ」と思う曲があれば、どんな種類のものであるにせよ、これはすなわち宇宙的であるといっています。ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」という有名な曲は「2001年宇宙の旅」という有名な映画――これは映画史上空前の超傑作ですが――宇宙船が大気圏外に進行するときにこの曲がBGM(背景音楽)として流れて来るんですが、これは非常に印象的で、しかも映画の音楽としてはもう最高によかったという評判でした。あの映画ではすべての既製の有名な曲を使っているんです。最初のタイトル部分などはリハルト・シュトラウスの「ツァラツストラはかく語りき」という有名な音楽の出だしの部分を使っています。これも大成功であったということです。

 

 そこで考えますのに、どうもあの映画の中で「美しき青きドナウ」が使われたというのは、何かスペース・ブラザーズがあの映画の音楽ディレクターあたりにそれとなくアドバスしたか、そういう想念を吹き込んだか何かあったんじゃないかという気もします。非常に哲学的な素晴らしい映画でして、結局アダムスキーの転生の哲学を最後的には応用しています。また再上映の機会がありましたら、是非ごらんになって下さい。

 

 

問3 金星人はどこかの太陽系に移動したということですが、最近の気象の異常は世界的なものであると思います。それが今度の惑星直列とか、ハレー彗星だとかが地球に及ぼす影響はどうですか

 

答 詳しいことはわかりませんが、この太陽系がかなり全体が衰えてきたということは確からしいですが、しかし金星の住民が一人残らず移住したということではないようです。新しい太陽系を発見して、他の惑星にどんどん移動しつつあるということは、そうらしいですが、まだ金星には多数の住民がいて住んでいるはずなんです。

 

 去年の六月頃、金星ロケットが金星の表面に不思議な白熱光を発見したという記事が新聞にでていましたが、これをほとんどの人が読まなかったと思いますが、私はついに金星の大文明が発見されたと思い、喜んだんです。白熱光というのは要するに金星の都市の輝きです。だからまだ人間は住んでいるでしょう。

 

 惑星直列とかハレー彗星とか、こういう先のことは全くわかりません。

 

 

問4 自衛力を持てば核武装になると思いますが、いかがですか。

 

答 そこがポイントです。(自衛力を持たなくてはならないというのは)一般論であってアダムスキー哲学的に基づいていえば、核兵器はおろか人殺しのための拳銃一丁、ナイフ一丁持ってはならないのです。ところがGAP会員の方の中にも、ある程度の軍備はしょうがないけれども核兵器はいけない、という人がありますが、これは矛盾も甚だしいことです。

 

 しかしそういうことを言ってみたところで外国の人たちにとって日本が全部完全に拳銃一丁もない国にしたところで、これは完全に「やっつけてやれ」といってワーッと来るでしょう。そしてひどい目に遭うでしょう。ですから一般論として言えば、アダムスキー哲学は別として、今は核兵器を持つことによって力対力の均衡が保たれている時代ですから、使ってはいけないけれども"持つものはもっているぞ!" "あるものはあるんだ!"という一つの脅しというかそういう意味で日本が核兵器を持たなければ日本自体が長持ちしないのではないか、という時代です。問題は政治屋です。その点で難点があります。簡単に"核兵器を持てばよい"とはいえません。最後的には人間の問題です。(最終的には地球人の判断にかかっている、という意味)

 

 

問5 宇宙には「宇宙連合」というようなものはありますか。

 

答 銀河系連合というところまで聞いていませんが、この太陽系内ならば全部連合して「太陽系連合」を組んでいるわけです。地球も実はそれに入っており、ごく少数の特殊な人だけが時々代表として出席しているはずです。一時アダムスキーが土星会議に出席していました。アダムスキーが死んでしまってからも誰かその継承者がいるはずです。

 

日本GAP山形支部報ユニバーサルメッセージ8号
1980年12月1日発行

 

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