久保田八郎の思い出 友でありコワーカー仲間として
アリス・ポマロイ
久保田さんを知り慕ってきた私達にとって、今まさに試されている時なのです。私にとってそれはただ単に心のなかに空白が出来たと言うだけではなく、私の今までの人生にぽっかりと大きな穴があいてしまったようです。久保田さんと同様にジョージ・アダムスキーの仕事は私の人生でした。全ての人々の為により良い世界を作るという生涯の望み、そしてその後、ジョージ・アダムスキーに出会った後、積極的にこの願いを追求し続ける中、久保田さんはいつも頼りになる協力者の一人でした。どんなに彼がいなくて寂しいか。あれほどの男性をたたえほめる言葉が見つからない程です。
アダムスキーに最初に会った時から、特にコワーカーとしてですが、私は、何か特別な目的を果たすものとして、我々は運命そのものによって呼び集められたものと感じていました。それはとても素晴らしい人生の旅路でもありました。この宇宙の法則を通し、久保田さんは日本の人々に、特に若い世代の方々に不変の真理を──来るべき変化に富んだスペース・エイジの中で彼らを導く様に──送り続けたのです。
私にとって、最初久保田さんは典型的な日本人に見えました。〔私の理解が正しければ〕彼は常に礼儀正しく、思いやりのある思慮深い方でした。洞祭力のある人。私が知っている中で最も献身的な人。疲れを知らず、信じがたい決断力と忍耐強さを持った人。いつも新しい考えを受け入れ、そこから学ぼうとする彼の手紙はいつも質問でいっぱいでした。これは…? 教えて下さい…? 知っていますか…? いつもさらに多くのことを得ようと努めていました。なんと広範囲にわたる興味と可能性の数々。アダムスキーはいつも「学んでいない時などありはしない」と言っていました。久保田さんが自然に理解した宇宙の特性。彼を信じる人々に──生命の真理──を伝えようと言う強い希望。
私はジョージ・アダムスキーがこの地球を去る寸前に、私達に言ったことを忘れた事はありません。彼はこう説明しました。「UFOが来ると言う事よりも、この地球上における人類が向上するための、ブラザーズのメッセージがより重要なことなのです。」 どのような意味なのかこの事を考えてみて下さい。世界中のコワーカーの皆さんは長年に渡り忠実に一生懸命仕事をしてまいりました。しかし、私が思うにジョージ・アダムスキーと一緒に仕事をした誰より久保田さんほど不変の価値観というものを確立した人がいたでしょうか。
久保田さんと私は1960年頃から、ジョージ・アダムスキーの仕事を通して協力してまいりました。かつて彼がアメリカで他のコワーカーを訪ねたとき、彼らの考えの相違と彼らが久保田さんに伝えた事柄があまり好ましくないと手紙で伝えてきた事があります。私は私の言葉で彼に説明し、彼は──私はなにが彼を混乱させているのかを知っているということを──理解しました。そして、人類は皆兄弟であり、同じ目的を持ち互いに学びあう仲間であっても、時に人それぞれ意見の相違があるという事を彼に伝えました。すぐに来た彼からの返事には──最初にあなたに聞くべきでした──とありました。これほど素直な勇気を持った人を知りません。それからというもの、私達はコワーカー仲間というだけではなく、本当の意味での友達となりました。久保田さんには私が信頼できる誠実な人として映ったのでしょう。そしてまた、彼は私の情報や概念は全てジョージ・アダムスキー本人から直接もらったものだと知っていました。これが私達の基本的な関係でした。彼はジョージ・アダムスキー本人を知りたいと強く望んでもいました。常に、互いにより深く成長する為に、尊敬する心、好奇心などが私達の仕事に存在しました。彼ほどの協力者はもう見つからないでしょう。私は、私ほど彼を知り彼の近くで仕事をしてきたことを貴重な栄誉だと思っています。
ときおり、みなさんがアメリカに来られた時、一緒に参加することが本当に楽しみでした。そこに参加していた方々がそうであったように、本当に素晴らしい日々でした。久保田さんのユーモアあふれる性格がその場を明るくしていました。私達は友人同士として話をする事を楽しんだり、アダムスキーの教えや日本GAPの活動を討論したりもしました。もちろんいつも多くの問いかけがありました。アダムスキー本人と活動をしてきた事が、私達の大きな助けとなりました。ニューヨーク・シティー、ワシントン、アーリントン、パロマーマウンテン、そしてデザートセンター! 私の人生を豊かにし、私もまた、久保田さんの仲間たちと共に学びました!彼が私達に与えてくれた全てに対してどの様に感謝すればいいのでしょうか。
多分あなたがたの何人かの方は久保田さんの望みが、二人がまた違う惑星に生まれ、近くに居ながらまた一緒に仕事ができるようになる事だということを知っていると思います。彼が皆さんにこう言うように『アダムスキーは、彼女に我々は皆過去の人生においてもいつも一緒に活動してきましたと、アリスさんは言っています』それは本当に再び起こることかもしれません。もしかすると久保田さんはどこかでアダムスキーに出会い、知り合いになっているかもしれません。彼がどんなに幸せで喜んでいる事でしょうか。本当にそうなっているでしょう。それは起こるべき事です。そう、本当の死とは存在しません──ただ舞台や体験の数々が、限りなく続いて行く人生の中で移り変わって行くだけです。
久保田さんは私同様、音楽というものを楽しんでおりました。私達はたびたび、それについて話を交わしました。この歌を覚えておいででしょう。
──オウ、ウェンザセインツ…ゴウマーチイン…??? あなた方はこの歌が久保田さんの大好きな歌の一つだとご存じでしょう。私が参加した会食の後、久保田さんがステージに上がり、他のみなさんと同様熱狂的に歌い、手拍子を打ち、足を踏み鳴らしていた姿を、嬉しく思い起こします。なんと素晴らしい時間を彼らは共に過ごしたのでしょう!
私達は私達を良き道に導いてくれる、親愛なるリーダーそして貴重な友人を失ってしまいました! "聖人"は偉大な目的を成し遂げるために、"古巣"に帰って行ったのです。私達は彼と過ごした楽しい時間を忘れてはなりません、そしてそれは彼の為にも幸せな事です。私達はこれからも、理解と可能性を高めながら互いに助け合い学びあって、生きていかなければなりません。一人一人が次々に"基本的な教え"を行えば、私達は両手を広げて迎え入れられるでしょう。そして私達はまた再び一緒に"体験"することができるでしょう。私はそれが久保田さんが最も望んでいたことだと思います。そしてそれは私達が学んできた彼の偉大な仕事に貢献する事だと思います。
こういった日々を通して、あなたがた全ては私の心の中にあり、そしてこれは続いていく事でしょう。私達は彼が私達に手を差し伸べた様に、互いに導き合い、この活動を続けることが出来るでしょう。
久保田さんがもう会う事がままならないと悟った時、最後の手紙の中の一つにこの様に書いてありました。「アリス、悲しまないでほしい。意識とは永遠のものです! 私達は、また再び一つになることでしょう!」これは私達への最後のメッセージとなるでしょう。久保田さんは、──私達の指導者であり貴重な友人であった──私達の真理としての生きる見本でした。