テレパシーについて
中根 豊
オーラ透視、過去世透視、遠隔透視、未来予知、念力‥‥‥これらいわゆるテレパシー能力を持つ人々を、私たちは"特殊"な人々と見ていないでしょうか。"普通"の私たちから見て"特殊"と。
しかし、『テレパシーはあらゆる生きものに本来そなわっている自然の能力であって、これにより自分のフィーリングを他のすべての生きものに伝えることができます』とあります。ということは、テレパシー能力があることが"普通"なのです。そして、それがない私たちの方が"特殊"、というよりも"異常"なのです。犬も猫も鳥も、花や木もみんなテレパシー能力を持っています。そして当然のことながら、同じ創造主によって創造された私たち人間もそれを持っています。しかし実際には、それを使用することができずにいます。地球の混乱した状態の中で、そして否定的な環境の中で、生まれながらのその能力は発揮する場を失い、次第に発現が難しくなってしまったのです。
最近、日本でもテレパシーの研究が盛んになり、アルファー波の脳波が出ているときにテレパシックな感覚や能力が発現するということが知られています。また私たちは、アダムスキー氏の著書から"宇宙の意識と心の一体化"によってそのようなテレパシー能力が発現することを知っています。なのに、それが発現していないということは、私たちはその一体化ができていないということになります。私たちの心は一体化どころか、コントロールもされず、好き勝手にエゴを振りまいているということです。未だにエゴに支配された精神労働者なのです。
宇宙の意識と心の一体化は、「一体化できた!」というような気分的な性質のものではありません。それは実際の精神的肉体的変化です。その変化の現れのひとつとしてテレパシー能力が発現するわけです。そしてその時はじめて万物が一体であることや、生命が永遠であること、自分の正体とその目的、そして創造主を認識できるのです。
しかし、この体験を得るのは容易ではありません。なぜなら、せっかく発現したこのような能力、人間本来の状態はエゴを抱くことによってその段階で停滞するか、ほとんどの場合は低下してしまいます。それだけに、この人間本来の状態を持続させるためには、エゴに支配されないよう常に自分の心をチェックするという不断の努力を要します。
この真自我を知る方法、あらゆる生命体の間で行われているコミュニケーションを理解する方法は、ご承知のようにアダムスキー氏の「生命の科学」と「超能力開発法」に実に詳細に説明されています。読んでそれを実践するならば、私たちは確実にそれを得るでしょう。
車を運転される方なら、次のたとえが理解できると思います。私たちは交通法規や運転教本を読んだからといって、そのまま車に乗り込んで公道を走ることができるでしょうか。もちろんできません。しかし、現在の私たちの状態は、本を読んで勉強したから運転できる、あるいは、いつか運転できるようになると思い込んでいます。私たちは、その交通法規や運転教本の内容を実際に乗車して応用実践しなければなりません。もちろん最初は思うようにいきません。これでいいのだろうか、と不安や挫折感が起こります。しかし弛まぬ努力の末、私たちはいつしか自由に快適なドライブを楽しむことができるようになります。そうしてはじめて、他の人々にもその運転方法を、そのすばらしさを教えることができます。
宇宙の意識と心の一体化や、テレパシー能力の習得も全くそれと同じことです。アダムスキー氏の著書は、交通法規や運転教本のようなものです。私たちの深遠なる研究も、自動車学校の生徒のように謙虚で忍耐強い態度で臨まなければいけません。
『あなたがいかに多くの書物を読もうとも、いかに多くの宗教を遍歴しようとも、いかに多くの講座や教師につこうとも、放蕩息子がやったようにやらなければ、これらは何にもなりませんし、真理をもたらしません。自我のプライドを死滅させて、謙虚さと意識の意志の中に生まれかわりなさい!』