投稿者 松本 日時 2000 年 11 月 17 日 23:29:56:
回答先: Re 昔の宿題 投稿者 らむじ 日時 2000 年 11 月 14 日 00:57:14:
|> つまり「両者は数学的には全く対等なものである
|>といえます。」ということは、電子と磁気単極子は
|> 双子の兄弟と考えていいのでしょうか?
∇磁気単極子については、現時点では理論の域を出て
いないと思います。以下は推定です。
数学的に全く対等であれば、電子と磁気単極子の
性質はよく似ている面がありそうですが、質量など
異なる面もあると言われています。
(大統一理論によると磁気モノポールの質量は10京
GeV程度と予測されているが、実際のところは
創ってみないことにはわかりません。もっと質量が
小さいことも考えられます。とはいえ、これまでの
加速器を使った高エネルギー実験で到達できた200
GeVまででは創られていないので、たぶんこれ以上
の質量をもっているのでしょうね。もちろん、200
GeV以下の質量の場合でも見逃したというのもある
かもしれませんが。10京GeVもの質量がもし正し
ければ、磁気モノポールを創るためにはとてつもなく
科学が進歩しないと無理だということになります。)
電子の兄弟といえば、むしろ反物質である「陽電子」
の方が似ているのではと思います。
|> ところで電子は生命体においても重要な役割を
|>持っているわけです。
|> 光合成において葉緑素の電子が、キノンへ与えられ、
|>葉緑素自身は強力な酸化力あるものになって
|> 水の水素を奪って分解し、酸素を放出させます。
|> また人体細胞内のミトコンドリアにおける
|>チトクロ−ムb,c,a間の電子伝達によって
|>エネルギ−
|> ATPが合成されるわけですが、このように
|>電子が常に生命中枢にかかわるということは、
|> 宇宙哲学的には電子はどのように定義される
|>のでしょうか?
|>
∇細胞についてよくご存知ですね。ミトコンドリア
というのも不思議な細胞の器官だと思います。
電子を宇宙哲学的に定義するというのは、わかり
ませんが、確かに電子の役割は大きなもののよう
です。「光と物質のふしぎな理論;ファインマン」
に下記のような説明がありました。
”私たちが日常経験している現象には、生物学や
化学全般も含めて、ほとんどすべて光と電子の
相互作用が関与しています。この理論(QED)
で扱えないのは重力と原子核に関する現象だけで
あとはすべてこの理論の傘下に入っているのです。
・・・・・・・さてそれでは、光と電子に関する
すべての現象のもとになる三つの基本作用をここ
に披露することにしましょう。
作用1:光子がある場所から他の場所へと移動する。
作用2:電子がある場所から他の場所へと移動する。
作用3:電子が光子を吸収あるいは放出する。”
QED:量子電磁気学