投稿者 コスモス 日時 1999 年 8 月 06 日 18:05:22:
「内なる目」 ニコラス・ハンフリー著(垂水雄二訳、紀伊国屋書店)を読んで
私がこの本を読んだのは4年程前ですが、目の覚める衝撃ような受け、自分自
身の心、意識についての認識が足りなかったことを思い知らされました。
それまで「人はなぜ自己意識を持つようになったのか、そもそもどの様な目的
のために意識が人に与えられたのか」という疑問を持たずに過ごしていました。
この疑問自体がなんとなく自分の中にあり、「内なる目」を読んで気がついたと
いうのが本当の所かもしれません。
著者は心理学者であり動物行動学者でもありますが、意識とは単に自分の心を
のぞく(認識する)器官ではなく、他者の心の内を推理する社会的・心理的な器
官として発達したものであると述べています。そして、この様な<内なる目>を
飛躍的に発達させた類人猿こそが人へと進化し、強い協力関係でもって集団をつ
くり、その後いわゆる文明を発展させてきたと述べています。
また<内なる目>を持つ生物は自分自身を認識できることが特長であり、これを
持つ生物または持たない生物のどちらかしかなく、途中段階の生物はいないだろ
うと推測しています。
一方、アダムスキー氏の「超能力開発法」には万物は心(及び知性)を持ち、
さらに人間と動物には感覚器官と推理力が与えられている(動物の推理力は小さ
い)と書かれています。
私は「内なる目」に書かれている自己意識とは、アダムスキーの宇宙哲学では
顕在意識と定義される意識に相当すると理解しています。
私はこの本を読んで人間に感覚器官の心(顕在意識)が備わり、推理力を用い
ることが人間の生まれながらの能力であることにやっと気がつきました。
そしていわゆる人間関係を作ることが人間の中で最も偉大な能力の一つである
と理解できました。アダムスキー氏が普通の生活を通じて各個人の能力を高める
ように勧めていた理由も改めて納得しました。
また「内なる目」の著者は、内なる目は1つの目的のため、すなわち自分とよ
く似た他の人間の行動を読むことができるようになるために進化したのかもしれ
ないが、それによって(心の発達によって)、私たちは自分の心をあらゆる事物
の物差しとする能力を持つことになったのだと述べています。
(詳しい内容についてはこの本をお読みください)
この点に関して、アダムスキーの「宇宙哲学」には、心とは宇宙の意識と物質
の肉体の間の媒介物として作用するものであると書かれています。
また進化とは心の表現ではなく心の広がりであるとも書かれています。
最近、私なりに自分自身の心(感覚器官の心)をリラックスした状態に保ち、
よりよい人間関係を作ってゆくことが最も大切なことではないかと感じています。
このようにして、本当の万物一体感を持つことができるようになるのだと思いま
す。そして私の心が発達した後には、どのような感覚を持つのでしょうか?
アダムスキーの「生命の科学」にはブラザーズが万物を観察する時に、
”彼ら(ブラザーズ)は観察される個体があたかも自分であるかのようにその
個体について意識的になる”
と書かれていますが、このような感覚ではないかと思っています。
思い付きをまとまりもなく書きましたが、「内なる目」を読んだ方がいましたら、
ぜひご感想をお知らせください。宜しくお願いします。