投稿者 コスモス 日時 1999 年 8 月 24 日 19:38:30:
チョット難しい話ですが、皆様のご意見をいただきたいと思って書き込みします。
私の仕事は人工衛星の熱設計ですので、対象となるハードウエアは人工衛星
そのものですし、その設計のために使うコンピュータやソフトウエアはその道具と
言えます。
私は「物を作る」という作業は人間にとって本能的なものだと思っています。
ですが人工衛星及びそれを設計するためのコンピュータやソフトウエアとなる
と現実からすごく離れた存在となってしまって、その人の想像力とか意欲という
か、とにかく作ろうという「前向きの気持ち」がないとうまく続きません。
はっきり言って、人工衛星の好きな人は宇宙オタク、人工衛星マニアで有り、
その道具としてのコンピュータが好きな人はただのコンピュータ好きではない
と思います。(^^;)
多かれ少なかれ技術系の仕事ではこの「前向きの気持ち」が大事と思います
が、私の場合、時々悩みを感じることがあります。
前向きの気持ちを持つのですが、それが、
「高い性能の機械を作る」
「そのための道具もいい物をそろえる」
といった思惑が先行して、人間の存在を忘れてしまっているように思えるのです。
良い製品がより良い道具でつくられるのだからけっこうなことなのですが、それ
を作るのは人間だし人間の役に立つ物を作るはずなのに、作る時に人間の姿が
見えないのです。
近頃は全ての作業が自動化された無人の工場があるそうですが、その様な光景
を見たような感じを受けることが以前からありました。
もちろん私の職場にいる人たちはロボットじゃないし、毎日冗談言ったりしている
のですが、それは仕事以外のことであって「物を作ること」自体はどんどん非人間
的な作業に変わってしまっているように感じるのです。
そのような思いが続いた後、
「人間(あらゆる生命を含めて)を尊重する気持ちを持ち続けないと、極端な場合
には人間からかけ離れた存在を作り出してしまうのではないか?」
とか思ったり、
「自分が何か非人間的なことをしているのではないか」
と心配したりもしました。
僕自身は科学技術が発展することは善いことだと信じています。
但しこの分野に携わる人は人間性に関心を持つことが必要なのではないでしょう
か?
さらに悩み続けた後、自分なりに
「非人間的な努力をして物を作ってもそれは人の役には立たない。
なぜならそれは人間が作ったものではないからだ」
という結論を導きだし、現在に至っています。
今、私は毎日、職場の中でいかに人間らしく仕事をできるかを考えています。
人間らしさとは喜怒哀楽ややさしさだと思います。また自分を信じること、
仲間を信じること、人間同士のふれあいを多くもつことが大切だと思います。
心が疲れていたり、時間に余裕がなかったりするとこういう大切なことを忘れて
しまい、他人を傷つけたりしてしまって後からいやな思いが残ります。
どうしたら人間性について忘れずに仕事ができるのかなと思い悩む今日この頃
です。
別に自分をかっこう良くみせるつもりはないのですが、過去の議事録を読む
と、科学技術に関心ある方も多くご覧になっている様に思えましたので、議論
を展開できればと考え、あえて挑戦的な書き込みをいたしました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。(^^ゞ
コスモス。