投稿者 みらい 日時 2001 年 7 月 28 日 22:34:45:
実証主義とプラグマティズム
形而上的なドイツ哲学に対して、事実による実証を確実
な認識方法とする実証主義は、フランスのオーギュスト
コント(1798〜1857)によって提唱されました。
彼は、人間の認識の段階を「神学的、 形而上学的、実証的」
の三つに分け、これを三段階の法則と しました。そして
人間は最後の実証的段階に至つて初めて科学的な知識に
達し、神学や形而上学で見られるような絶対的認識を求め
ようとすることの無意味さに気づくことができると主張しました。
彼はまた、化学をその単純さの度合いによって数学、天文学
物理学、社会学の順に並べ、後者はそれぞれ前者を基礎と
して、その上に成り立つとしました。この「社会学」と言う言葉
も、コントによってつくられたものです。
彼はまた、社会の平和のためには宗教が必要であると考え
従来の神ではなく「偉大なる存在」である人間を崇拝する
「人類教」をつくりました。
この人類教の教義は「愛は原理であり、秩序は基盤であり
進歩は目標である」というものでした。
イギリスのチャールズ・ダーウインは、１8５9年に「種の起源」
を書いて、進化論の考えをうちだしました。
まず下等の生命が発生し、繁殖過剰などによって起こる生存
競争や変異・遺伝などを経験するあいだに、環境に適応する
ものだけが生き残り、進化することを明らかにしたのです。
これは、人間が神の似姿であるとした考えに、真っ向から反対
するものでした。
自然の目的にかなつたものだけが生き残ることを機械的に
説明した進化論を、ある人々は嫌悪し、ある人々はすべてを
これと結びつけて考えました。
このように見てきますと、哲学を科学的に考えようとする
方向にあるようですね。