投稿者 タオリ 日時 2002 年 5 月 27 日 06:25:34:
ある男が歌った、愛してるだなんて見苦しく切なく歌った。
でも、その言葉の響きがそっと僕の胸を解き放った。
ある女が歌った、貴方だけを見てるだなんて見苦しく切なく歌った
でも、その言葉の響きが強く僕の胸を締めつけた。
ある人が泣いていた、どうしてこうなるのなんて叫んで泣いていた
でも、その絶望の響きが僕には無性に愛おしかった。
いつからか、僕らはを宇宙からのLOVEを茶化して帳消しにした。
ダサイから、ただそれだけでLOVEって奴をいじめている。
でも、どうだい居心地悪いだろ、僕も同じ気持ちだよ。
そうさ、どんなに君が賢そうに見えようとも僕らは共犯者だよ。
LOVE壊しました。今でも街のど真ん中で、本当は全部嫌だって
わめき散らしてやるべきかな? 君のため、そして僕のために。
でも今こそしっかり自分の足元をごらん、何がみえる?
ほらどう思う? あの知識人たちの飾り立ての議論とやら、
なんか愛と政治って本当は関係ないみたい..だろ?
僕らの後ろには何もないし、ただ意味のあるような無いような
孤独で単調なそこそこの結果が路上に無惨に転がっているだけ、
これが今の僕だね。誰かに噂される訳じゃないし、
特別有名でも、美男子でもない。将来性は無く、学歴もない。
どこかぎこちなく何かを諦めるように大人になってゆくだけ。
どうだい? それでも愛せそうかい?
自分が生を享けた難しい理由なんかなくたって、
ありのまま未完成の僕を受け止められるかい?
さあ始まるよ、開けてごらん。みんなはそっちを選ぶんだね。
豪華に飾られた輝き放つ扉の方を。
でも僕はそっちを選ぶ気はないんだ。
だってその扉、僕のじゃないからさ。僕の扉はこっち。
何の神秘性もなく、何の安らぎも解脱も見当たらない、ただの扉
開けても別に世界はひっくりかえらないし、
奇蹟のような未来にタイムスリップする訳じゃない。
ただの1LDKの部屋の扉さ。
でもこの扉の向こうに、僕がいる。
天才でも救世主でもない、ただ普通に生きて、
ただ普通に死を受け入れるしかない僕がいる。
何でもない僕がいる。すっかり裸になった王様がいる。
でも精一杯生きるよ。自分なりにみんなを愛してみる...。
傷ついても、傷ついても、その痛みから逃げずに学ぼうと思う。
あの日、見てみぬフリした君の傷を縫い合わせてあげられるよう