投稿者 スターダスト 日時 2000 年 2 月 17 日 22:03:05:
幕間です。
電気と磁気は
ながいあいだ
別々のものとおもわれていました。
しかし、多くの発見があり
重大な関連性質があると思われたのです。
最終的に
電気と磁気の統一的理解をもたらしたのは
マクスウェルが、変位電流を【因】の世界から
表出させたことからスタートしました。
統一的理解は
ひとつの予言をしました。
すなわち
電磁場は進行する波動の形態を
持ち得ることができ、
「光」は
電磁場の波動である、、と。
マルコーニは電信を発明しました。
別に、光が電磁波であることも
確かめられました。
かくして
電気と磁気の【結婚】は
多くの実りをもたらしました。
19世紀の終りには
物理学の最終方程式がありました。
マクスウェルの電磁場の方程式と
ニュートンの力学方程式です。
これらさえあれば、
計算は不可能にしても
世の中の全ての現象は全部理解できるはずだと
主張する人々もいました。
しかし
説明できない現象も出ました。
例えば
水素の原子核(陽子)の周りを
回転する電子は
電磁波(=光)を発しながら
その回転半径を減らしていき
ついには原子核と衝突するのですが
その時間スケールは
我々が瞬きする瞬間よりも
短い時間間隔であることが
理論的に証明されました。
これは、電子の波動性を
理解しなければなりませんでした。
また、別な困難も理論的、実験的に
発見されはじめました。
どうしても
マクスウェルの方程式と
ニュートンの方程式の考え方は
水と油だったのです。
このことを理論的に提出したのは
学者ヘルツでした。
大問題となりました。
マクスウェルの電磁方程式を
ニュートン力学の範疇で
速度のある乗り物上での
記述を作ってみたところ
それは
マクスウェル方程式とは
異なる項目が出てきたのです。
実験やさんは
その項目がありえないことを
証明し始めました。
1次の近似値で
つまりおおざっぱにいって
余計な項目などいらないと
最初はわかりました。
フィゾーの実験などでです。
これは水のなかに光を
走らす、簡単な実験でした。
2次の近似値で
余計な項目が有効かも知れぬ、
そう考えた
実験屋もでました。
有名な
マイケルソン、モーレーの実験は
2次の近似でも
余計な付加項目は、ヘルツの導き出した
方程式に不要ということを
証明しました。
しかし、しかし。
ヘルツは、マクスウェル方程式を
ちょっとだけ
ニュートン力学の考え方で
式変形しただけなのです。
マクスウェル方程式は正しくて
ヘルツの方程式が
実験的に否定される、、
そんな闇の時代が始まったのです。
この系統のお話は
一般受けしないので
あまり流布されていません。
ローレンツのお話のほうが
劇的ですから。
マイケルソンモーレー以前に
既に、光速度不変の原理は
否定されつつあったのです。
世の、反相対論屋さんは
やたらマイケルソンモーレーの
実験のみを考えたがりますが
それだけでは考察不足です。
相対論の誕生には
もっともっと深い理由があるのです。
すなわち
電磁気学と
ニュートン力学の
「結婚」
です。
ヘルツのように
ニュートン力学を【たてた】
結婚はだめでした。
さっそうと登場した
アインシュタインは
マクスウェル電磁方程式を【たてて】
ニュートン力学にゆずらせました。
今度は、結婚はうまくいきました。
日本神話のイザナギイザナミの国産みの説話にも
似ていますが、、、、
そして、この結婚は
当初は大反対にあいました。
主に反対したのは
意外なことに
ヒトラーひきいるナチスです。
国家をあげて
反証しようと、ありとあらゆる
ゲルマン民族主義の物理学者に
検討させましたが
皆、無駄に終わったのです。
やがて
第二次世界大戦も終わりました。
アインシュタインのもたらした
結婚は
祝福され
応用されはじめました。
一説には
アインシュタインの相対性理論の発見には
スペースピープルの支援があったといいます。
しかし
結婚は時空の概念を変えるように
強制しましたので
いまだに、相対性理論への
反対論は出つづけています。
GAPの機関紙でも、みかけたほどです。
さて、ここまでは
特殊相対論の話でした。
電気と磁気の結婚
そして、運動する物体の力学と
電磁気学の結婚。
歴史は
相対論からの帰結として
重力場理論を一つ
アインシュタインに生み出させました。
一般相対性理論です。
そしてそれも大成功を収めました。
たとえていうと
電磁気学とニュートン力学の結婚の結果
生まれた次男坊が
アインシュタインの重力場理論だったことに
なります。
しかし、この重力場理論は
その名、「一般相対論」にふさわしくありませんでした。
特殊相対論は、電磁場ばかりでなく
全ての力学の基礎を与えましたので
一般的に応用できるのですが、
一般相対論は
重力場にしか使えなかったからです。
そこで
アインシュタインは、
次の結婚をもくろみました。
ギリシャ神話の世界では親と子の
結婚がありそうですが
電磁場と重力場の結婚をもくろんだのです。
このもくろみ
「統一場理論」は
時空についての最終方程式をめざしていました。
この理論は
量子力学をも含んだ
広大な一般性を持つ理論であるべきと
アインシュタインは考えました。
あまりにも美しい結婚は
アインシュタインの手によって
成功したのでしょうか?
多くの物理学者は
失敗だったとみなしています。
結婚にこぎつけなかったのですから。
そして今回の幕間ももうじき終りです。
電場で磁場がコントロールできるように
電磁場で、重力場がコントロールできるのなら!
それは時空の広範な理解をあわせて含むはずです。
光は一点にとまり、その進路は自由自在に曲がり
慣性は克服され、重力場は利用され
その帰結として
質量無限大のトリックも回避されるでしょう。
これが知るべき
空飛ぶ円盤の動作原理だと思われます。
蛇足になりますが
アインシュタインとは別な道を歩んだ
現在の最先端物理では
電磁気と弱い核力と強い核力が統一され
後は重力場だけなのだそうです。
しかし、、、
統一されてもなにも面白くありません。
例えば
電磁場で
弱い核力に影響が出ないから。
コントロールできないから。
姿形が似ていることを発見して
それが高エネルギーの世界では
ソックリだと言うだけ。
電場と磁場の間の
最初の【統一】
のような
我々の生活を一変させるような
そのような理解はまだ
もたらされていません。
しかたがないので
宇宙の始まりや
ブラックホールの話しを
しているだけです。
もっと新しい
キチガイじみた
時空観こそが求められますし
そして、それは
小学生にもわかる原理で
説明されなければいけません。
例えば、一般相対論の基礎、大前提の
【等価原理】は
だれしもがなんとなく知っている事実です。
説明されれば簡単なんです。
私は、キチガイじみた発想と
だれしもがわかる原理が
未来を切り開く時代が
近いと信じています。
幕間の終り