投稿者 スターダスト 日時 2000 年 5 月 21 日 18:00:32:
論理法則のなかで
排中律というしくみがあります。
命題Aと命題非Aのどちらか一方が成り立つ。。。
背理法は、この排中律を使っているわけでして。。
背理法のしくみはこうです。
命題Aが成立すると仮定すると
矛盾が出てくる。したがって、非Aが
成立する。
背理法は、排中律をつかっていることが見てとれます。
数学者さんたちは、実は、この背理法があまり
好きではないらしいですね。どうしてか
わからないけれど。
非Aを証明するのなら、もっとどうどうと
直接証明したいのに、手段がなくて
しかたなくAを仮定すると矛盾するという
言い方で逃げている、、という感覚らしいです。
子供に背理法を教えるのも大変なんだ。
証明が
スッキリわかった感じがしないからだろうな。
実際、背理法をいっさい使わないという
数学者の学派が
昔「直観主義」という旗をあげていたけれど
今はどうなのかなぁ。直観という言い方が好きで
しばらくおいかけたけれど。(アイドルでしたね。)
彼らの生み出した、非正統的な解析方法で
「超限解析」というのが、一時期一世風靡して
いましたが。たしか無限小解析とも言って
「無限小」を数のなかまとしてとりあつかう。
とんでもねぇなぁ。無限小は、「数」の集まりの
状態であって。特定の「数」ではないはずなのに。
無限大もね。フフフ。
今日、光速度が変化するならば宇宙は崩壊するという
いいかたを別の記事で
書いたのだけれども。一種の背理法でして。
スッキリしてないような。。
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では、背理法を使わないが、排中律をつかった
証明の事例をひとつ。要、中学生程度の数学力。
命題C:
無理数の無理数乗で、有理数となるものがある。
この命題Cを証明せよ。
証明の前に、ちょっと考えると、ほんとに
あるんかいなぁ?と思うのですが。
具体的な事例は思い付かないからですね。
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以下、証明。
@2の平方根(ルート2)をKと書く。
Kはもちろん、アリストテレス、プラトンのむかしから
無理数だと知れている。
AKのK乗のそのまたK乗について
これから考えることとする。
実はKのK乗のそのまたK乗は
2である。
K^K^K=K^(K*K)=K^2=2
B命題Aについて考える。
「KのK乗が有理数である。」
C命題非Aについて考える。
「KのK乗が無理数である。」
Dここで、命題Aと命題非Aのどちらか一方は
確実に真実であることだけ留意しておく。
どちらが正しいのかはここでは問わない。
E命題Aがなりたつのならば
無理数の無理数乗で有理数が存在することがわかる。
Fいっぽう命題非Aがなりたつのならば
(KのK乗)のK乗は
無理数の無理数乗であるが
すでにAでみたように、これは、有理数である。
無理数の無理数乗で有理数が存在することになる。
Gしたがって
命題Aと命題非Aのどちらが真であっても
いずれにせよ、
無理数の無理数乗で有理数が存在することになる。
したがって、命題Cは
真であり、証明完。
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おわかりのように
これは背理法を使わないが排中律を使った
存在証明なのです。
ここでおもしろいのが
数学者たちは
実際には
ルート2のルート2乗が
はたして有理数なのか無理数なのか
誰も知らないということなのです。
どちらか一方がわかったら
雑誌「数学セミナー」あて
証明を送ってください。
一躍有名になれるでしょう。
みてわかるとおり
実際に無理数の無理数乗で、具体的に
確実に有理数となつ事例を示せないにも
かかわらず、その存在だけはわかるという
なんとも珍妙なことが起きているわけでして。
これを気持ち悪いと思うのは当たり前だと
思います。
ナルAについて思い出したので
おもわず書いちゃいましたが。
困ったもんだ、、(ふう)
これを読んだShimizuさんは
きっと
「本BBSにふさわしくない」と
思うかもね。