Re: 量子コンピュータ


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投稿者 松本 日時 2000 年 9 月 07 日 22:37:28:

回答先: Re: 量子コンピュータ 投稿者 スターダスト 日時 2000 年 8 月 11 日 22:53:54:

|> 物質と心のほかに
|> もうひとつ
|> なにかがなければ
|> 解決できないことでしょう。
|> 実際、ペンローズは
|> 「意識」を導入して
|> 考え方を整理しました。
|> ペンローズの意識は
|> 宇宙哲学での意識と
|> ニュアンスがことなりますけれども。。

 なかなか難しい問題ですが、答えがわかってしまえば
逆に説明するのは簡単かもしれませんが、暗号を逆に解く
ようなもので。おおよその方向性は「宇宙哲学」などに
示されているのでしょうが、詳しく説明できるにはもっと
具体的な深い理解が必要でしょうね?
 以下は手がかりになるかどうかわかりませんが。

量子効果と脳と意識との関係はあるのか?

 下記は、Ecclesの「自己はどのようにして脳を
コントロールするか」に記載された学説です。
絵がダメなようですので、わかりにくいかと思いますが、
文字と簡単な数式で紹介します。

[脳と心についての諸学説]
「定義」
世界1=脳を含む物質界ないし物質世界のすべて
世界2=主観的経験ないし心的経験のすべて
世界1pは、心的状態を持たない物質界のすべてである
世界1mは、心的状態と結びついた物質界のごく一部である
「諸学説」
徹底的唯物論:
   世界1=世界1p;世界1m=0;世界2=0
汎心論:
   万物は世界1・2で、世界1あるいは世界2が単独で
  存在することはない
随伴現象説:
   世界1=世界1p+ 世界1m
   世界1m→世界2
同一説:
   世界1=世界1p+ 世界1m
   世界1m→世界2(同一性)
二元論−相互作用説:
   世界1=世界1p+ 世界1m
   世界1m⇔世界2;この相互作用は連絡脳(LB)で
  起こり、LB=世界1m
   従って、世界1=世界1p+世界1LBで、
   世界1LB⇔世界2
 ジョン C・エックルスは二元論の支持者であり、連絡脳
が、世界1と世界2を相互に結びつけているという考え方で
ある。
 そのため、Libetの意識の遅れの実験に関しては、反対の
立場を示している。エックルスいわく;Libet(1990)は、
訓練を積んだ被験者が動こうと意図している時間について
研究した。意識的な意志は、運動の開始に、すなわち筋電図
の開始に約200ミリ秒先行する。対照的に、皮質の陰性
電位、すなわち準備電位、は意図された動きに1000ミリ
秒ほど先行することが加算平均法を用いたKornhuber,Deecke
とLibetの研究により認められている。
 しかしながら、この準備電位は何かしらの無意識的脳活動
の反応が意識的な意志に先行して起こっていることを必ず
しも示すものではない。
 すなわち、脳が意図的決定をするのであって心が決定する
のではない、ということを示すものではない!・・・・

 議論の焦点は「われわれは脳によって踊らされているのか、
それとも、われわれは脳を使って自分の意志で踊っている
のか」ということですが。
 徹底的唯物論によると人間にはもともと自由意志なるもの
は存在しなかったことになります。全ては、物理現象であり、
生物の意識や、ましては「宇宙の意識」などは無いことに
なります。これに、エックルスは疑問を呈しているわけです。
 丁度よいことに、量子効果がアインシュタインの局所性を
破り、決定論的物理法則に、わずかばかりの自由意志による
影響の可能性を見出したわけです。
 単に量子が確定した実体であるとすると、決定論的物理
法則に従うとしか言えないのですが、幸いにもハイゼン
ベルクの不確定性原理に端を発し、量子は Entanglement
(重ね合い、もつれ合い、絡み合いなど)の状態を持つこと
になると決定論だけでは説明できなくなるわけです。
 ペンローズも同じことに目をつけていますが。




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