Re: 磁気に関する分からないこと


[ フォローアップ ] [ フォローアップを投稿 ] [ 「(4)宇宙と自然科学」 ] [ FAQ ]

投稿者 松本 日時 2000 年 10 月 07 日 10:59:01:

回答先: Re: 磁気に関する分からないこと 投稿者 スターダスト 日時 2000 年 10 月 06 日 20:00:13:

こんにちわ。はじめまして。

|>1.永久磁石の磁力がどうのように増大することが
|>できますか?

その磁石の種類によって、増大する大きさの限界が
ことなります。

より強い磁気を近くにおいて影響を与えることで
磁力を増大させます。
電磁石によって、永久磁石の磁気を強めることも
できるでしょう。

∇補足(蛇足?)説明です。
文房具などでおなじみのフェライト磁石は
フェリ磁性体の永久磁石ですが、種類によって
差がありますが、残留磁束密度は2000ガウス
から4000ガウス程度です。

(京王アートマンの理科実験用品売り場で見か
けたのは、たしか1300ガウスと書いてあったと
思います。また大きさや厚さがあるほうが磁石
としての力は強くなります)

ちなみにコバルト磁石は2500ガウスから10000
ガウス程度です。

また、残留磁束密度は飽和磁束密度よりはやや
小さな値になります。
(参考文献;永久磁石磁気回路の設計と応用、
総合電子出版社、昭和54年)

磁性については、「電子物性」ジョン・ウルフ
(1966年)に説明がありましたので、ご参考に。
・固体の磁気的性質は、電子の運動および原子、電子の
もつ永久磁気モーメントに由来する。
反磁性は非常に弱いが、これは磁場によって原子の軌道
状態が変化するために生じるものである。
常磁性は原子あるいは電子のもつ永久磁気モーメントの
結果である。

また、強磁性は非常に強い磁性で、これは量子力学的な
交換相互作用が隣りあった磁気モーメントを同方向にそ
ろえるように働くときに生じる。
もし、この交換相互作用が磁気モーメントを逆方向にむ
けるように働き、しかも1種類のモーメントのみが存在
しているときには、お互いに打ち消しあってしまう。
これは反強磁性体と呼ばれている。
もし2種類以上のモーメントがあるときには、打ち消さ
れないモーメントが残り、これはフェリ磁性と呼ばれて
いる。

ある臨界温度以上では、強磁性体、反強磁性体あるいは
フェリ磁性体は常磁性体になる。
強磁性体およびフェリ磁性体では、磁区すなわち完全に
磁化した領域がいくつか存在している。
磁区の構造は等方的交換エネルギー、静磁エネルギー、
磁気異方性エネルギー、磁歪エネルギーなどの種々な
タイプの磁気エネルギーによって決定される。

・強磁性体については最初に疑問となるのは、その大き
な磁化の原因であろう。
飽和磁化の大きさは、強磁性体中の磁気双極子が、こと
ごとく磁場の方向に向いているとしなければ説明がつか
ない。

しかし、熱エネルギーの摂動によって、磁気モーメント
がすべて揃うというようなことはあり得ない。
これは実は1907年にワイスが用いた仮定であって、・・
ワイス磁場は、量子力学的にはハイゼンベルクによって
隣接した電子スピン間の交換相互作用として説明された。
(1928年)

|>2.いろいろな材料の透磁率が何ですか?

これについては答えるほど知識がありませんので
どなたか別な方に回答をお願いしたく思います。

∇透磁率についての簡単な説明です。
「電子物性」ジョン・ウルフより
自由な空間では、磁束密度Bと磁場の強さHとの関係は、
B=μ。Hである。ここで、
μ。=4π×10の−7乗(ヘンリー/m)
は真空の透磁率と呼ばれている。固体では、
B=μH=μ。(H+M)
となり、一般的にはμとμ。とは等しくない。
このMがその物質の磁化と呼ばれる量である。
Mはちょうど磁気双極子モーメントの密度、すなわち
単位体積あたりの双極子モーメントに等しい。

・透磁率;ヘンリー/mまたはウェーバー/アンペア・m
・H;アンペア/mを4π×10の−3乗倍すれば
   エルステッドになる。
・B;ウェーバー/uを10000倍すればガウスになる
・M;アンペア/mを10の−3乗倍すればエルステッド
   になる。

ガウス単位系では、真空の透磁率μ。=1であるから、
B=μH=H+4πM
となる。

強磁性体では一般にμが著しく大きく、Hを増す
とMは増大し、ついに飽和磁化という一定値に達する。
理科年表の最大透磁率を見ると下記のように
なっています。(CGS単位系)
透磁率はHの大きさによって変化しますので、その
最大値が記載されています。
尚、理科年表ではMのことがI(磁気モーメント)
となっています。

・純鉄;6000〜8000
・ケイ素鋼;7000
・方向性ケイ素鋼;40000
・Alperm;57000
・Sendust;120000
・78Permalloy;10000
・Supermalloy;1000000
・Mumetal;100000
・Permendur;5000
・45-25Perminver;21000

量子論的な物性に関するので
わかりやすい理解をしたいと
私も以前から思っていました。

|>以上によろしくお願いします.

またお立ちよりください。




フォローアップ:



フォローアップを投稿

氏名:
E-mail:

タイトル:

コメント:


[ フォローアップ ] [ フォローアップを投稿 ] [ 「(4)宇宙と自然科学」 ] [ FAQ ]