Re: タイムマシンの可能性


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投稿者 松本 日時 2000 年 12 月 03 日 09:58:20:

回答先: Re: タイムマシンの可能性 投稿者 yoshimi 日時 2000 年 12 月 01 日 17:42:44:

|> いつも有り難うございます

∇気楽にどうぞ。わかる範囲で情報の提供をしますね。

|> ブルーバックスのいくつかをを読んでいると

∇この種類の書籍は、科学を専門外の人たちにもわかり
やすく、ということで出版されています。そのため、
理解が困難な真実の説明を犠牲にして、比較的似ている
たとえ話などによって説明しています。厳密な理解に
必要な数式も最低限に押させてあると思います。
 また通常の学会誌と異なり、記載されている内容が
ほんとうに正しいかどうかまではチェックが入らない
タイプの書籍です。夢のような話でもおもしろく思え
るよう少し事実をぼやかして書くことや、理解の枠を
越えて、そうあってほしいという気持ちを書いたりも
するかもしれません。
 
|> ついつい・・
|> 可能なように思えて、いつまでも探しているんです

∇タイムマシンを何のために利用したいのかは人それ
ぞれ異なりますが、あると便利ですが、逆に困る面も
あります。そのため、宇宙が禁止している可能性も
あります。特に因果律が破れると困った現象が起きま
す。これは、ハイゼンベルクの不確定性原理と似たよ
うな原理的問題かもしれません。(不確定性原理が
成り立たないと我々は存在できません。また、これは
時間における不確定な現象も起こしますが。)
 また、時間というものの本質がまだわかっていませ
ん。もしかすると、時間というものは我々の幻想であ
り、存在しないことも考えられます。以上は否定的な
考えですが、とにかく今後の研究成果の報告を待つ
しかないようです。まずは原理的な面からですが。
 とはいえ、ソーンの論文は厳密なチェックを通過
していますが。(参考までに最後のほうに記載します)

|> ほんとはもう可能なのに、モラル等の問題で伏せら
|>れているような気がする。

∇原理的に可能なことと、技術的、経済的に可能な
ことは異なります。最初は科学者たちが原理的な
可能性を研究し、もし可能ということがわかった
ならば、技術者たちが現実のシステムとして構築
が可能かどうか検討します。ブルーバックスの多く
は科学的/原理的な可能性についての紹介だと思い
ます。実現に向けていつも大きな壁があるのは、む
しろ技術的可能性と経済的可能性です。例としては
テスラの直流伝送はこの壁のため、交流伝送に敗退
しました。純粋な科学者の原理的な研究だけでは現
実となりません。よくても実験のレベルまでです。

 従って地球の科学/技術/経済からすると現在の
実現はありえないと思います。未来は何が可能にな
るか予測できませんが。因果律もうまく回避する
方法が見つかるかもしれません。そうすると今、
我々がイメージしているタイムマシンの機能/性能
とは違ったものかもしれません。過去を変えてしま
うという問題をどのようにして回避するかはわかり
ませんが。昔は不可能と考えられていたEPR問題
(実在と因果律といった我々が常識と思っていたこ
とが量子力学によって、量子の世界では異なること
が実験によってわかった歴史的事実)も最近はこれ
を利用したプロトコルまで考えられ実験が行われる
ようになったのですから。

∇「超空間;ミチオ・カク」よりソーンの説明の
一部を書きに紹介します。この書籍は判定のための
チェックは受けていませんが、紹介しているソーン
の話は、比較的まじめな議論に見えます。
・ソーンによれば、現在のところ、映画に出てくる
ような時間のパラドックスは発見されていないと
いう。「SF(例えば、時間を遡って自分を殺す
ようなストーリー)の影響で、CTCが多重度ゼロ
の初期トラジェクトリー(つまり、存在しえない
トラジェクトリー)を起こすことを期待するむきが
あるかもしれない」だが、このワームホールに現わ
れるCTCは、過去を変えたり、時間のパラドックス
を発生させたりするものではなく、過去を完成させる
ものであることをソーンみずからが証明している。

 このような驚くべき研究成果を学界に報告するに
あたり、ソーンは次のように書いている。「アイン
シュタインの場の方程式に対するまったく新しい解
のグループを報告する。これらの解は、原則として
人間でも通過できるワームホールを物理的に記述す
るものである。」

 もちろんこのワームホール解には落とし穴がある。
それは、現在タイムマシンを製作することができな
い理由でもある。ソーンの計算の最終段階では、
通過可能なワームホールを生成するために必要な
物質エネルギーの厳密な性質が導き出されている。
その結果、ソーンと二人の共同研究者は、この
ワームホールの中心付近に、異常な性質をもつ
「エキゾチック」な形態の物質が存在することに
気付いた。ソーンは、この「エキゾチック」な
形態の物質が、確かに異常ではあるが、これまでに
知られている物理学の法則には反していないことを
指摘している。将来、このような「エキゾチック」
な物質は存在しないことが証明されるかもしれない。

 しかし、現在のところ、科学技術が一定の水準まで
進歩すれば、この「エキゾチック」な物質を通常の
物質とまったく同じように取り扱うことができるの
ではと考えられている。ソーンは、自身をもって
次のように述べている。「一定の段階まで発展した
高度な文明なら、一つのワームホールから過去への
タイムトラベルを行うための装置を製作することが
できるはずだ」・・・・・・・・・・・・・・・




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