投稿者 コスモス 日時 2002 年 3 月 09 日 08:26:25:
ご存知の方のいるかもしれませんが、文部科学省系の宇宙開発3機関
(宇宙開発事業団、宇宙科学研究所および航空宇宙技術研究所)が統合
される方針が発表されています。
昨年末に統合後の「宇宙開発の中心となる仕事は何か」という問いに
答えた検討結果が提案されました。「次期フラッグシップミッションの
提言」という題で、現行のスペースシャトル型とは異なる形式の有人宇
宙機の開発を提案しております。
詳細を知りたい方は次のサイトを参照願います。
http://giken.tksc.nasda.go.jp/Group/sentan/mission/index.html
このサイトを見ると意気込みだけは伝わってくるのですが。。。
日本には「財団法人無人宇宙実験システム研究開発機構(略称:USEF)」
という開発機関があって、こちらは1986年5月に設立された公益法人で
あり、経済産業省の指導の下に運営されています。
要するに、人工衛星を打ち上げて、宇宙空間での実験を「無人」おこな
う実験システムを開発しています。(つまり自動実験装置およびこれを
搭載する人工衛星の開発です)
さらに地球へ帰還できる地球再突入モジュールの開発も計画されていま
す。
詳細を知りたい方は以下のサイトを参照願います。
http://www.usef.or.jp/f2_gaiyo/frame_2.html
並べて見ると、無人宇宙機の開発は既に民間にまかせて、文部科学省系
の宇宙開発機関は有人機の開発を目指します。と受け取れますが。。。
私には両者の開発は全く別々に行われているように思えます。自慢話に
なりますが、かつて、
・HTV(H-IIロケットで打ち上げる国際宇宙ステーション用の補給機)
・USERS(地球再突入モジュールを搭載する人工衛星)
の両方のシステム熱解析を担当しましたので、開発段階で組織的な技術
交流が無いことはわかっています。
(公開されれば、技術情報は相手に伝わりますが、、、)
ま、私のように仕事を掛け持ちしている人もいるので、現場では共有さ
れている技術もあるはずですが。
あくまで私の個人的な予想ですが、文部科学省系の宇宙開発機関は、
とりあえずの予算獲得のため、この有人宇宙機構想を公開したというの
が実状なのではないか、と思っています。
まあ、まず宇宙開発の構想を公開して、その是非を問い、計画を進め
る。そのスタイルはすばらしいと思いました。
私も宣伝のお手伝いをしたい思い、この場を借りてあつかましくも紹介
いたしました。
蛇足ですが、私の夢は「重力制御型の有人宇宙船」開発ですが、今の
日本の宇宙開発の有様を見ると、やっぱりNGO(非政府組織)でない
と無理かな?と思ってしまうこの頃です。
「それより今の仕事をしっかりやれよ」と別の声も聞こえるし、現実は
厳しいです。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。