炭素循環


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投稿者 松本 日時 2002 年 10 月 17 日 22:44:43:

∇植物プランクトンによって二酸化炭素を減らす
ことも研究されているようですね。

「日経サイエンス,2002年11月」
[植物プランクトンと炭素循環]
・地球規模の炭素循環は気候を大きく左右する。
温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)が大気と海洋
表層との間で出入りしており、この収支が影響
してくるためだ。海洋に溶け込んだガスは6年
ほどで入れ替わっている。

・植物プランクトンは炭素循環で4つの重要
な役割を演じている。光合成を通じて年間で
約500億トンの炭素を取り込んでおり、この
作用は鉄を含む砂塵が風に乗って表層水に供給
されると活発になる。植物プランクトンが吸収
したCO2は「生物ポンプ」と呼ぶ過程によって、
一時的に深海に蓄えられる。植物プランクトン
の死骸は深海へと沈殿するが、これに伴って
植物プランクトンが取り入れた炭素の約15%
が深海にたまり、死骸が腐敗するとCO2が放出
されて深層水に溶け込む。深層水に溶け込んだ
ガスや栄養素は、湧昇流によって数百年かかっ
て再び透光表層水へと戻る。

・植物プランクトンの死骸のごく一部は海底
の石油鉱床や堆積岩となる。これらの鉱物は
地球内部でのプレートの沈み込みや変成作用
を受けた後、数百万年後に火山の噴火ととも
に地表に噴き出る。この時、岩石として固定
されていた炭素はCO2となって大気中に放出
される。

・化石燃料の燃焼によってもCO2が発生するが、
火山活動による循環と比べると100万倍の
速さでCO2を大気に戻していることになる。
こうしたCO2の増加は、海洋性植物プランクトン
と陸地の森林合わせても吸収しきれない。この
結果、地球規模の炭素循環はバランスを失い、
地球温暖化が進む。

・希薄な鉄溶液を海洋に投入することで植物
プランクトンの光合成や生物ポンプを人工的
に促進し、炭素循環のバランスを取り戻そう
という考えもある。

(P.G.ファルコウスキー)


[参照H/P]
http://marine.rutgers.edu/opp/index.html

http://www.mbari.org/education/cruises/SOFeX2002/index.htm




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