投稿者 松本 日時 2003 年 3 月 13 日 23:43:42:
∇確かに、量子論には、まだ人類にとって未知の
領域を開くカギが残っているかのしれません。
「量子の宇宙のアリス,ウィリアム・シェインリー,1999年」
「いかにも! 量子物理学者だって見たことは
ありません。フォン・ノイマンもわたしもね。
でもこういうことは考えられるでしょう、わたし
は物理学者だからわたしの決めたことが現実で、
ひょっとするときみはわたしの想像の産物に
すぎないかもしれない。そんなふうに言われたら
どう反論します、アリス?」とゴスワミは言って、
意地悪くにやりとした。
「あなたこそわたしの想像の産物だと思うわ!」
とアリスは答えたものの、自分でも確信がもて
なかった。
「わたしが量子の国を夢に見ているのよ、あなたが
夢に見ているんじゃない!これはわたしの夢だわ、
ゴスワミさん。あなたの夢じゃない・・・」
小柄なゴスワミは首を横にふった。
「いや、アリス。観測者は一人だけです。この
問題の解答についてなら際限なく議論できる
でしょう。しかし最後にはきみにもわかるで
しょうが、実際には一つの意識しか存在して
いないというところに解答があるのです。
現実を決めている意識というのはね、個人差を
一つにまとめている合体した意識なのです。
人間がひとりずつバラバラだというのは、いま
言ったとおり、自分が確かだと思っている幻想
にほかならないのです!」