科学の理論


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投稿者 松本 日時 2001 年 10 月 20 日 10:12:26:

回答先: 生命の起源 投稿者 松本 日時 2001 年 10 月 08 日 11:37:12:

∇進化論の解釈と科学の理論についての普通の
見方についての説明のひとつです。科学の理論
とは、「今のところ、非常に有効な説明」程度
に思っておけばいいのではと思われます。

「進化と人間行動,長谷川寿一・真理子,2000年」
第2章−進化の概念−より

・あるフェミニズムの本には、「進化論のような
解釈学的色彩の強いものは・・・」という文章が
ありました。また、ある著名な生物学者は、ドー
キンスの「ブラインド・ウォッチメイカー」を人々
に薦めながら、「ただし、ここに書いてあることを
信用する必要はない」と書いています。さらに、別
の批評家は、「進化論は説明するための物語として
は有効だが、一つの比喩か、解釈のためのシナリオ
だと思う。有効だが、同時にいくらでも解釈できて
危険でもある」と述べています。これらの人々の
意見に共通する考えは、進化論は、しょせんただの
解釈にすぎない、面白い話かもしれないけれど、
信用する必要はない、ということなのでしょう。
しかし、それは違います。

・本章で長々と述べてきたとおり、進化は集団の
遺伝子頻度の変化を指します。これが起こってきた
し、いまも起こりつつあることは事実です。問題は、
集団の遺伝子頻度がどのようなプロセスで起こるか
ということにあるます。それには、遺伝子浮動など
のランダムなプロセスと、自然淘汰が考えられてい
ます。しかし、ランダムなプロセスは、適応を生み
出しません。適応を生み出すプロセスとして、現在
のところ、諸現象をもっともうまく説明している
のが自然淘汰の理論なのです。自然淘汰の理論以外
に、適応をうまく説明できる理論は、私たちはまだ
手に入れていないということです。

・自然淘汰は、本章で説明したような演繹的なロジ
ックですから、複製率が異なる複製体からなるシス
テムであれば、生物でなくても自然淘汰が起こる
はずです。事実、そのようなコンピューター・プロ
グラムを作って互いに競争させると、コンピューター
の内部で、プログラムどうしの自然淘汰が起こります。
人工生命と呼ばれる領域では、そのような研究がさか
んに行なわれています。

・「解釈」というのは、たぶん、その人の考え方に
よってなんとでも説明できるものを指すのでしょう。
だとしたら、自然淘汰による進化は、断じて解釈では
ありません。ましては、ただの比喩なんかでは、絶対
にありません。これは、実証的な科学の理論ですから、
生物の遺伝的変異、その生物が暮らしている環境から
の圧力、過去における環境からの圧力、その生物が
過去からしょってきている遺産を調べて、どのように
自然淘汰が働いてきたのかを調べることができます。
上の批評家が言うように、なんとでも解釈ができる
などということはなく、間違った解釈は間違いである
ことがわかって捨てられるのです。

・しかし、進化の話が「解釈」でとどまっている場合
もあります。それは、上にあげたような要因のいくつ
かが、まだよくわかっていないときです。そういう
ときは、いくつかの仮説が立てられても、どの仮説
が正しいのかを決定するような実証がなかなかでき
ません。しかし、いろいろな傍証的証拠から、どの説
は正しい可能性が高いか、どの説はありそうもないか
を評定できるときもあります。また、それもできなく
て、どの仮説も同じように否定できない場合でも、そ
れは、どんな解釈も可能だという意味ではありません。
この先どんな証拠を探せば、どの仮説が正しいかを決
めることができるか、ということはわかるからです。

・このことは、自然淘汰の理論だけでななく、すべて
の科学理論に共通のことです。科学の理論は、どれも
究極的には仮説ですから、絶対に正しいと断言できる
ものなどありません(これは非常に重要なことで、
多くの科学者はそう認識していますが、一般には科学
理論をよりドグマ的にとらえる傾向があります)。
理論の細かいところを整備していくためには、多くの
細かい実証的データが必要になりますが、それらが
いつも手に入るというわけではありません。測定技術
が未熟だとか、決定的な事実がまだ発見されていない
などの理由で、「まだわからない」ということは、
いつもあります。そういうときには、いくつかの仮説
が並列することになりますが、やがて、それらも解決
していくことでしょう。大切なことは、科学はつねに
未来に対して開かれているということです。いつでも、
科学者たちは、手持ちの理論の中でもっとも現象を
よく説明するものを、「当座の間、正しい理論」とし
て説明に使っていきます。アインシュタインの相対論
も、超ヒモ理論も、自然淘汰の理論も、みな「仮説」
です。その意味では、どれも信用する必要はなく、
「今のところ、非常に有効な説明」ぐらいに思ってい
ればよいのです。いつか、現在の手持ちの理論よりも
よく現象を説明する理論が出てくるかも知れません。
そのときには、多くの説明が新たにやり直され、その
ようにして、科学は進歩していくのです。



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