投稿者 松本 日時 2001 年 11 月 04 日 18:26:49:
回答先: Re: ス:因果と自由意志その2 投稿者 スターダスト 日時 2001 年 11 月 03 日 23:48:24:
|> アインシュタインは
|> この問題を取り扱うのに便利な
|> 時空の多様体を表現する
|>
一般相対性理論を構築しました。
|> ポパーのように
|> 離れた一点と一点を扱うこのではなく
|> 多様体で扱われる時空では
|>
因果律は再び完全さを取り戻しました。
∇宇宙は下記に述べられているように、多面的な
存在ではないかと思われます。
天体の運動などのように因果的な面、量子などの
振る舞いのような確率的な面、人間などの知識等
や意識などのような開かれた(自由な)面。
・宇宙は、一部には因果的であり、一部には確率的
であり、そして一部には開かれている。(ポパー)
下記は、一般相対性理論の場合の議論です。
ポパーの本の続き
・不幸にも、アインシュタインの一般相対性理論
はこうなっていない。
この理論では、特殊相対性理論の非対称性は、
局所的なことがらとなっている。
しかし、事実は、取り除かれる欠点として、
アインシュタインが間接的に認めている。
(クルト・ゲーデルに対するアインシュタイン
の答えを見よ)
・この点については、ゲーデルが示したように、
一般相対性理論は、特殊相対性理論と異なる。
ゲーデルが挙げた解決案は、あきらかに一般相対性
理論の根底にある考え方とは一致しないし、
アインシュタインが示唆しているように、排除さ
れるべきである。
しかし、アド・ホックな解決は満足いくものでは
ないだろう。
方程式自体を修正して、その解決案が排除されない
かぎり、これから述べる「世界線の不断のつながり
の原理」がそれを排除するために利用されてよい。
その原理とは、特殊相対性理論は、一般相対性理論
の枠内で局所的に成り立たなければならないとする
原理と、まさに局所時間という考え方に暗黙のうち
に含まれていると思われる原理である。
操作主義的な言葉で言うと、わたくしの原理は、
つぎのように言い表せる。
どの[観測者](局所的な物質系)も、任意の瞬間から
記録(因果的追跡)を開始できる。
そして、そこへ継続的に記録を書き込める。
さらにまた、任意に望んだ有限の時間のあいだ、
その記録を保持するための条件を整備できる。
この原理が採用されれば、世界線が時間において
閉じている「観測者」(物質系)の存在は矛盾を生
じる。
というのも、容易に示されるように、閉じた世界線
の存在(これは、整合的であるためには、無限に
絶対的に反復しなければならない)は、ひとつひとつ
の単一の記録(因果的記録)を周期的に破壊すること
を意味するだろうからである。
そうでなければ追跡(軌跡)は完全には反復的でなく、
閉じた回帰が新しくなる度に継続的に豊かになって
いくだろうからである。
わたくしの原理が採用されるならば、「物質とその
運動が世界に配置される仕方」はその時間構造に
依存し、その反対になることはないだろう。
同じ結果は、「非決定論の原理」を採用することに
よって−あまり、アド・ホックにならずに−得られる。
これもまた、自動的に閉じた世界線を許す宇宙論的解
のすべてを排除するであろう。