投稿者 松本 日時 2001 年 11 月 24 日 12:38:16:
回答先: Re: 記憶によって、統合されるシステム 投稿者 スターダスト 日時 2001 年 11 月 19 日 22:26:54:
|> なお、同番組では、海馬と側頭葉の
|> 記憶の経路が重点的に説明されていました。
|> 実際には、A10神経と海馬、
|> 扁桃核の複雑なループも考慮に
|> いれたいな、と思いました。
∇少し調べてみましたので、紹介します。
[関連すると思われる文献]
1.「脳を知る,久野宗,秀潤社,1999年」
第2章−−−3.情動を発現するニューロン機構
2.「LeDoux JE:Emotional memory systems in the brain,
Behav Brain Res
58:69-79,1993」
[関連すると思われるH/P]
1.「人はなぜ愛するのか」感情,人体U,脳と心
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9807/ai.htm
2.「人間を幸福にする脳という道具」大木幸介,新講社
http://plaza10.mbn.or.jp/~sasakih/book/b991110.htm
3.「半身麻痺からの復活,理論篇2」
http://www.homopants.com/philosophy/rihatheo3.html
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・LeDouxは扁桃体を中心とする図(∇省略します)
のような情動発現の神経回路を提唱している。
このLeDouxのモデルの特徴的な点は、扁桃体への
感覚情報のおもな入力部位である扁桃体外側核へ、
1.視床感覚中継核から各種感覚連合野を介さない
直接の線維投射系
2.各種単一感覚性連合野からの線維投射系
3.多感覚性連合野や海馬を介する線維投射系
など、感覚情報処理系の様々なレベルからの繊維
投射が重層的に入力している点である。
扁桃体外側核へ入力された感覚情報は基底外側核、
基底内側核を経て中心核へ送られる。
・扁桃体中心核など皮質内側核群からの出力は、
下行性に直接視床下部や下位脳幹に至る腹側扁桃体
視床下部路(遠心路)と、分界条を介する2つの
線維投射により送り出される。
視床下部や下位脳幹には、接近、逃避、攻撃などの
情動行動とそれに随伴する呼吸・循環など自律反応
や内分泌反応を調整する諸中枢が存在する。
扁桃体で発現した情動は、これらの出力系を介して
情動行動や自律・内分泌反応として表出されること
になる。
また、基底外側核群から大脳新皮質への出力として、
前頭葉(主として前部帯状回および眼窩皮質後内側部)、
側頭葉(ほぼ全域に線維投射があるが、側頭葉極部と
内嗅皮質に特に強い線維投射がある)や島への線維
投射がある。