投稿者 shimizu 日時 2000 年 11 月 27 日 01:11:02:
私は先週の勤労感謝の日から、会社の休みを取って山形の実家に
帰りました。年に何度か帰りますが、この時期の用件は雪囲い作り、
そして3月には雪囲い解きを年間行事の一つとして行っています。
田舎に一人暮らす母は、最近膝の痛みがひどくて歩くことも不自由
になって思うように体を動かすことが出来なくなりました。都会に
暮らす私にとって、毎日心のどこかにそんな母への思いがあります。
かけがえのない人への心配という想念です。
病気一つしない不死身のような母だったのにと、
宇宙的なのか非宇宙的想念なのかよくわかりませんが、心は揺れて
います。
とにかく現実に対しては何とか良くなる方向で考えて、雪囲いを作
り終えたその日に、前もって予約した温泉宿に私の妻と二歳になる
息子と一緒に向かいました。
宿泊場所はインターネットで検索、二週間前に土曜日にも関わらず、
空きがあり、さらに10%のネット割引があるという特典つきという
こともあって、宿泊を楽しみにしていました。
宿には4時ころ到着、息子は車に乗ったときから眠ったままで
母も部屋で横になって眠るというので、私と妻が早速、男女それ
ぞれの大浴場に行き、まだ誰も来ない広いお風呂を独り占めして
日頃の疲れを癒しました。
部屋に戻ると、母も大浴場に行くと言い、部屋を出て行きました。
妻と私は、風呂上がりの爽快感とビールの味に酔いしれて、寝て
いる息子を肴にゆったりと過ごしました。
夕御飯にはまだ間があり、時間はゆっくりと過ぎて行きました。
母が戻ってくるころには一時間以上過ぎていて、
帰ってくる母の姿を見て母が長湯だったことに気づきました。
母の話を聞けば母一人大浴場に入っていると「こんにちは」と一人の
女性が入って来て、浴室で辛そうに歩いている母を見かねた見ず知ら
ずの初対面の人が、親身になって心配して、30分間も足の悪いとこ
ろをマッサージして、膝の痛くなる原因と対策について話して下さっ
たということでした。その方はとてもきれいな人と母は言っていまし
たが、マッサージの仕事とか一切関係なくて単に親切心でされたよう
です。
私はこのようなめったにないことが起こったことに対して
人の出会いの不思議さを思います。母の痛みを感じる人がいること、
そして何のためらいもなく行動に移せる驚きの事実に人はもっと深い
ところで実はつながっているのではないかと感じました。