投稿者 らむじ 日時 2001 年 5 月 21 日 21:33:15:
あるとき、女房がある木を見ながら
私に聞いた。「おとうさんこれ何の木」
それは青々と葉っぱが茂った桜の木だった。
「これは桜の木やないか」と言うと女房は
「えっ、うっそ〜」と言った。
彼女が桜の木に関心を寄せるのは、一年の
うち10日ほどだ。花が咲いていなければ
毛虫がぶらさがるだけの何の変哲もない木
なのだ。桜の幹の肌がどうなっているか
関心がない。つまり木をト−タルに見たことが
ないのだ。美しい花だけに目が向けられている。
それも一年でわずか10日間だ。
これはある意味で、結婚の謎を解き明かす
鍵かもしれない。恋人同士でいたころ
女はいつも化粧をして美しくよそおっている。
男の目はその美しい顔しか見ていなかった。
結婚してから、ある晩ふと目が覚めて
隣を見たら、すっぴんの見知らぬ女が寝ていた。
そこから男にとって結婚は不可解な謎となる。