投稿者 松本 日時 2002 年 12 月 02 日 22:34:11:
回答先: 質問です 投稿者 イェスタデイ 日時 2002 年 12 月 02 日 00:24:44:
|> 突然ですけど、この世のなかで人や星や時間には、
|> 「始まり」と「終わり」を持っていますけど、
|> 今も膨張してる宇宙は「始まり」はありますけど、
|> 「終わり」はありますか?
∇この質問に答えるには、いくつもの常識と言われて
いるものを見直す必要があります。
・時間とは何か?
・時間はほんとうに存在するのか?
・人や星を構成している物質とは何か?
・意識とは何か?
・存在とは何か?
・などなど
このような点が十分に見直されないまま、とりあえず
宇宙論においていろいろな仮説が作られ、天体観測
との不十分な整合性の元で議論だけは進められている
のが現代の科学の現状です。
物質の崩壊についても陽子の寿命の測定が試みられて
いますが、現在のところ成功していません。
(ニュートリノを観測したカミオカンデも、陽子崩壊
を観測するのが当初の目的でしたが、無理でした)
最近の説では、高次元空間での宇宙の創生があり、
一つのモデルに「ブレーン宇宙モデル」があります。
11次元空間の中に3次元の膜が存在し、その膜の
一枚が私たちの住む宇宙というわけです。
そして2枚の宇宙の衝突がビッグバンに対応すると
いう「エキピロティック宇宙モデル」は、振動宇宙
モデルであり、宇宙は永遠に膨張収縮を繰り返し、
時間は始まりもなければ終わりもないというわけです。
というわけで、結論はわからないということになる
と思います。適切な観測が可能になり、理論と観測
の整合性が十分とれないかぎり。
[参考まで]
「サイエンス21,ミチオ・カク,2000年,原書1997年」
・宇宙論学者のスティーブン・ホーキングは、私たちの
宇宙がこの無限の宇宙のすべてである可能性が高いと
考えている。彼の考えでは、私たちは無数のほかの泡
(彼はベビー宇宙と呼ぶ)と共存しているが、私たちの
宇宙は特別である。それはもっとも安定しており、その
存在の確率は最大である。彼は、すべてのベビー宇宙
が薄いワームホールの無限のネットワークによって互い
に結びつけられていると考えている(これらのワーム
ホールの寄与を合計することで彼は、私たちの宇宙が
どうしてそれほど安定しているのかという論拠を示す
ことができる)。これらのワームホールは非常に小さ
いので、その一つに落ちて、並行宇宙に連れていかれる
ことを心配する必要はない。
・スティーブン・ワインバーグは多宇宙という考えは
魅力的だと考えている。「私はこれは魅力的な宇宙像
だと思う。明らかにそれについて真面目に考えてみる
価値がある。重要なのは始まりがなかったと示唆して
いることである。より大きなビッグバンが次々と起こ
るので多宇宙は永遠に続いていく。誰もビッグバンの
前の問題に取り組む必要がない。多宇宙はここにずっ
と存在していた。それは非常に満足のいくものだと
思う」(多宇宙の理論は、明確な始まりをもつユダヤ
−キリスト教の創世記の説明と、時間のない宇宙で
始る仏教のニルヴァーナ理論とを統合できるように
思える。この宇宙像では創世はニルヴァーナのなかで
連続的に起きている)。