投稿者 坂田 日時 2004 年 5 月 23 日 17:19:26:
回答先: Re: 月の質量 投稿者 納得できました! 日時 2003 年 6 月 21 日 08:44:58:
|> |>
|> |> |> 地球と月の質量の差が1:1/100の数値はどのように
|> |> |> して導きだされたのでしょうか?
|> |> ∇月の質量は、月が地球を回る軌道の長半径と、
|> |> 周期、重力定数及び地球の質量から求めること
|> |> ができます。
|> |> 計算してみるとわかりますが、重力定数や周期、
|> |> 月と地球の間の距離などの観測値は正確な値でな
|> |> いと、月の質量の計算結果がかなり違ってきます。
|> |> ケプラーが第三法則−調和の法則を発見したのが
|> |> 1618年なので、今から約400年前には月や太陽の
|> |> 質量を求める方程式が存在したことになりますね。
|> |> 「ケプラー・天空の旋律,吉田武,1999年」
|> |> ・太陽・惑星系の現実の問題に移ろう。太陽質量を
|> |> M(S),対象とする惑星の質量をmで表し,上式の質量
|> |> を,二体の換算質量,mM(S)/(m+M(S))で置き換える。
|> |> さらに,k=GmM(S)を用いて,以下の結果を得る。
|> |> T^2=4π^2a^3/G(m+M(S))
|> |> 惑星の質量は太陽と比べて無視し得るから,全ての
|> |> 惑星に対して成り立つ式:
|> |> T^2=4π^2a^3/GM(S)
|> |> が得られる。これが「ケプラーの第三法則」である。
|> |> 彼は,この結果を,大宇宙の調和の証である,と
|> |> 理解した。さて,この式をM(S)について解くと,
|> |> M(S)=4π^2a^3/GT^2
|> |> となるが,この式に観測値,即ち,地球の長半径
|> |> a=1.5×10^11m,周期T=1年=31557600s,重力定数
|> |> G=6.672×10^-11Nm^2/kg^2を代入して,太陽質量:
|> |> M(S)=2×10^30kg
|> |> が得られる。第三法則は”宇宙の秤”なのである。
|> |> ・しかし,万有引力定数は,如何にして”計測”
|> |> されるのであろうか。「万物が互いに引き合う」
|> |> とは言っても,当然それは日常の感覚では把握で
|> |> きない,計測可能な大きさを持たないのである。
|> |> 提唱者のニュートンですら絶望視したこの難問に
|> |> 対して,見事な実験で解答を与えたのが,一生涯,
|> |> 孤独を最愛の恋人として暮らした「キャベンデッシュ」
|> |> である。彼は,大きな質量を持つ球体を紐で吊し,
|> |> 固定した球体との”引きの強さ”を「捻れ秤」を
|> |> 用いて,直接的に,Gの値を計測したのである−
|> |> 捻れ秤とは,紐の捻れを利用した−”一種の振子”
|> |> である。彼はこの実験を,「地球の重さを測る実験」
|> |> と称した。
|> |> ・それでは,万有引力定数の値を
|> |> G=6.672×10^-11Nm^2/kg^2,
|> |> 地球表面の重力加速度の値をg=9.80[N/kg],地球半径
|> |> (赤道半径)を6378kmとして,地球の質量を算出して
|> |> 見よう−gの値は,ごく普通の振子で測れる,即ち,
|> |> 地球の質量は,これら”二つの振子”により求めら
|> |> れる訳である。地球質量をM(E),参照物体の質量を
|> |> mで表し,万有引力と,表面での重力の値を等値−
|> |> これは,45節で得た結論「均質な球状物体は質点と
|> |> して扱える」がその根拠である−して
|> |> F=-GmM(E)/r^2=-mg → GM(E)/r^2=g
|> |> 上式を,M(E)について解いて,M(E)=r^2g/G,よって
|> |> M(E)=(6.378×10^6)^2×9.80/6.672×10^-11
|> |> =5.975×10^24kg
|> |> ∇月と地球間の距離とそれぞれの質量、月が地球を
|> |> 回る周期、重力定数の関係式から、重力定数と月と
|> |> 地球間の距離とそれぞれの質量を与えて、例として
|> |> 月が地球を回る周期を求めた場合です。
|> |> 「力学2 レポート問題3 解説」
|> |> http://www-nuclth.phys.sci.osaka-u.ac.jp/users/exercises/mech2/rep3.pdf
|> |> ∇ちょっと変わったホームページですが、
|> |> 「電卓で行う軌道解析・制御設計」
|> |> http://village.infoweb.ne.jp/~anoda/space/mlab06/mlab06.htm