投稿者 異邦人 日時 2005 年 2 月 26 日 17:04:01:
回答先: 印象派の宇宙哲学 投稿者 異邦人 日時 2005 年 2 月 24 日 19:57:43:
印象派の起源とは、ジャポニズムの本体である日本の浮世絵版画が重要な位置を占めている。日本の浮世絵は、別名を『インプレッション』と表現して、19世紀の西洋の画家たちは、この日本の浮世絵版画のもつ色彩のインプレッションより印象派と呼ぶ新しい絵画の流れを生み出してきた。アダムスキーの宇宙哲学において『印象』の持つ意味を考えた場合、自然界よりの様々な印象を絵画として表現するということは、大変意味深い視点を私たちに教示しており、日本美術或いは東洋美術の歴史を考えた場合、そこには、自然の木々や草花そして山水画の世界などこれまでの美術史の中で東洋の伝統的な技法を学ぶ画家は、自然界から来る印象(インプレッション)を書画という形で表現してきたと思われるのである。特に山水画の世界などは、老子などの道教世界が表現されている。
つまり、宇宙哲学という言葉の概念は、東洋美術や日本美術の世界には存在しないかもしれないが、その東洋美術の方法論は宇宙哲学に極めて類以しているのであり、印象という言葉を突き詰めてゆくのであれば東洋美術の世界で表現される『気韻』の概念が『印象』の概念にあたりそれが同じ東洋美術の中の日本美術の浮世絵版画の繊細な色彩表現の中に、その印象を感受してゆくという宇宙哲学の方法論が芸術という形式で存在しているのである。それは、言葉や名称や概念という形で表現されているのではなく、色彩の変化という形で宇宙哲学が表現されているのである。つまり日本の浮世絵版画の世界の中に、その浮世絵の持つ色彩の印象(インプレッション)の中に宇宙哲学が秘められているということを意味している。つまり印象が凝縮されて表現されているものが浮世絵版画の世界であり、そのような宇宙哲学的要素が東洋の書画の中には秘められているゆえに、絵画そのものが印象としてのテレパシー的力を持っているのであり、また絵画そのものが人間の運命を左右するほどの力を与え、絵画そのものが人間に運命を与えてしまう性質を持つものなのである。それゆえに西洋の印象派の画家達は、浮世絵に出会ってそのような力を秘めるインプレッションによって、これまでのキリスト教倫理に管理されている絵画の流れとは異なった自然的宇宙的な哲学を秘める絵画の流れを生み出してゆくのである。