Re: 単細胞生物


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投稿者 松本 日時 2000 年 10 月 01 日 17:06:31:

回答先: 単細胞生物 投稿者 スターダスト 日時 2000 年 9 月 29 日 10:05:42:

|> ある種の粘菌、単細胞生物が
|> 迷路の中で最短距離の通り道を
|> みつけるという実験があるそうです。
|> 複数の通り道から
|> 一番最適な道筋を見つけるのですね。
|> 本日の新聞でみかけました。

|> 実験の説明の写真を見ましたが
|> 粘菌達(複数)の一団が
|> 互いに相談しあっているかのようにさえ
|> みえます。

粘菌ではありませんが、以前話題にあったグリア細胞
についてです。

学研が出している最新科学論シリーズ30の
”科学の危機”;1995年にグリア細胞も脳情報
を伝えるという記事がありました。

 論文等の引用がないため、詳細を探すのは手間
がかかりそうですが、今はどうなっているので
しょうね?

「グリア細胞」
・ヒトの脳はまったく性質の違う2種類の細胞を
もっている。それは、「ニューロン(神経細胞)」
と「グリア細胞」であり、これまで脳の情報処理の
担い手はニューロンのみだとされていた。
 グリア細胞は数こそニューロンの約10倍と多い
ものの、ニューロンを保護する詰め物的な存在で
あって、情報の処理にはまったく関与していないと
いうのである。
 だが最近、これが誤りであることがわかってきた。
 グリア細胞のおもな役割はこれまで3つ知られて
いた(実際には3種類のグリア細胞が役割を分担し
ている)1つ目は血管から栄養を取り入れてニュー
ロンに送る、2つ目は自らが被膜となってニューロ
ンを守る、しして3つ目は脳内の異物や死んだニュ
ーロンを取り除くことである。
 だがここ数年、グリア細胞の思いもかけない機能
が次々に明らかになってきた。
 たとえば、ロンドン・ユニバーシティ・カレッジ
のデビット・アットウェルらによると、グリア細胞
はニューロン同士の情報伝達が終わった後、ニュー
ロンの末端にあるシナプスから「神経伝達物質」を
取り除くという。
 神経伝達物質とは、いわば脳の中でやりとりされる
化学物質の言葉である。
 ニューロンが情報伝達を行うときには、シナプスで
神経伝達物質の受け渡しがおこなわれる。
 シナプスが、特別なタンパク質の受容体で神経伝達
物質を受け取ると、ニューロンは即座に興奮し、また
は逆に興奮を抑えられて、それを別のニューロンに伝
えようとする。
 アットウェルらによると、グリア細胞は特殊なタン
パク質を使い、神経伝達物質の1つで、ニューロンを
興奮させるグルタミン酸を回収しているという。
 グリア細胞はこの物質が散らばり放題になるのを防
ぎ、ニューロンの情報伝達が混線しないようにしてい
るのだ。
 しかも、グリア細胞ただ漠然と片付けをしているわ
けではない。スタンフォード大学のバーバラ・バレス
によれば、グリア細胞はその最中にニューロンの会話
を”盗み聞き”らしいという。
 彼女らは、グリア細胞もニューロンと同様、神経
伝達物質の受容体をもつことを明らかにした。
 もちろんニューロンに比べればその種類は格段に
少ないものの、ニューロンがある種の神経伝達物質を
やり取りするときには、グリア細胞もその一部を受け
取ることができる。とすれば、グリア細胞は単に機械
的に作業をこなしているのではなく、ニューロンから
の情報を自分の作業に役立てている可能性がある。
 さらに、スタンフォード大学のスティーブン・スミス
は、グリア細胞がニューロンの会話を聞き取るだけでは
ないことを示した.
 彼らは脳の海馬(記憶に関係しているといわれている
部位)からグリア細胞を取り出し、それに神経伝達物質
の1つであるグルタミン酸を与えた。するとグリア細胞
の内部のカルシウムイオン濃度が規則的に上下したとい
う。そして、この濃度変化は、1つのグリア細胞から隣
のグリア細胞へと波のように伝わっていった!つまり、
グリア細胞は自分たちの仲間に情報を伝える力をもって
いるのだ。
 このようにグリア細胞は、脳の詰め物どころかニュー
ロンのきわめて優秀な秘書的存在であり、自分自身が
主役となって情報の処理を行うことさえできる。
 グリア細胞のこうした活躍によって、ニューロンのみ
を重視したこれまでの脳の情報処理理論は、劇的に書き
換えられるかもしれない。
 




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