投稿者 松本 日時 2000 年 10 月 29 日 13:05:16:
回答先: Re: ある断片 投稿者 松本 日時 2000 年 8 月 26 日 06:48:50:
|> ホームページにもでています。
|> 1.http://www.quantum.at
|> 2.日本の量子情報に関するリンク集
|> http://www.etl.go.jp/~shiro/link/Q-info-j.html
|> ちょっと違いますが、DNAコンピューテングの
|> ホームページです。
|> http://up.csci.yamanashi.ac.jp/~hira/Dna/hira.html
・以前書き込んだH/Pのうち”日本の量子情報に
関するリンク集”
「http://www.etl.go.jp/~shiro/link/Q-info-j.html」
に郵政省の報告書がありました。ご存知かもしれま
せんが、念のため紹介します。
実は、冗談かと思っていましたが、どうもまじめに
研究するみたいですね。
具体的な技術開発ロードマップまであります。
・郵政省 量子力学的効果の情報通信技術への適用と
その将来展望に関する研究会
・第1回議事要旨 (2000.2.7)
・第2回議事要旨 (2000.3.2)
・第3回議事要旨 (2000.3.31)
・第4回議事要旨 (2000.4.28)
・第5回議事要旨 (2000.5.31)
・第6回議事要旨 (2000.6.19)
・研究会報告書 (2000.6.23) ・・・・これです
・郵政省の報告書
”21世紀の革命的な量子情報通信技術の創生に向けて”
”〜量子力学的効果の情報通信技術への適用と
その将来展望に関する研究会 報告書〜”
「http://www.mpt.go.jp/policyreports/japanese/
group/tsusin/00623x01.html#TOP」
目次
第1章 量子情報通信について
1−1.量子情報通信とは
1−1−1.情報通信技術の発展
1−1−2.量子力学的効果の適用
1−1−3.量子情報通信の原理
1−1−4.本研究会の意義
1−2.量子情報通信の誕生と発展の歴史
1−3.研究開発の意義
1−4.我が国の基礎科学への貢献
1−5.独創的研究を生み出せる人材の育成
第2章 国内外の研究開発動向
2−1.量子暗号
2−1−1.理論研究
2−1−2.実証実験・システム開発
2−2.量子通信
2−2−1.量子信号検出
2−2−2.量子テレポーテーション
2−2−3.量子通信路符号化
2−3.量子コンピュータ
2−3−1.量子計算のテストベッド
2−3−2.量子計算用デバイス
2−4.デバイス開発
2−4−1.基本要素技術とデバイスの概要
2−4−2.各デバイスの研究開発動向
2−5.日米欧の研究開発体制・予算
(国家プロジェクト等)
2−5−1.米国における研究開発の状況
2−5−2.欧州における研究開発の状況
2−5−3.固体量子デバイスによる研究開発動向
の分類
2−5−4.我が国における研究開発の状況
第3章 量子情報通信の将来予測
3−1.量子情報通信の実現イメージ
3−1−1.量子暗号
3−1−2.量子通信
3−1−3.量子コンピュータ
3−2.量子情報通信の技術開発ロードマップ
第4章 取り組むべき研究課題
4−1.新しい原理の開拓と体系化に向けた研究分野
4−1−1.量子情報理論、量子通信理論
4−1−2.理論的予言を実現するための物理現象、
原理の研究
4−1−3.新しい量子情報通信プロトコル
4−2.システム実現に向けた研究分野
4−2−1.システム開発・実証実験
4−2−2.デバイス開発
第5章 研究開発の推進方策
5−1.研究開発推進のための基本方針
5−2.研究開発分野の性格
5−3.現状における研究資産とその運用、問題点等
5−3−1.民間企業
5−3−2.大学・大学院
5−3−3.国立研究機関
5−3−4.通信・放送機構
5−3−5.現状における問題点
5−4.研究開発計画の設定
5−5.研究開発体制
5−6.効果的研究推進のための方策
5−6−1.研究開発予算の使用に係る柔軟性の向上
5−6−2.国際的連携の強化
5−6−3.若手研究者の育成
5−6−4.研究支援者の確保
5−6−5.民間における研究開発の促進
5−6−6.大学・大学院の研究支援体制の充実
5−6−7.通信総合研究所における研究開発体制
の充実
第6章 まとめ
6−1.国が取り組むべき事項
6−1−1.研究開発体制の整備
6−1−2.民間における研究開発の促進
6−1−3.大学・大学院の研究支援体制の充実
6−1−4.通信総合研究所における研究開発体制
の充実
6−1−5.その他
6−2.民間、大学等で取り組むべき事項
6−2−1.研究開発推進のための人材育成
6−2−2.研究支援者の確保
6−2−3.国際連携の強化
6−2−4.大学・大学院における研究開発等の推進
用語解説(五十音順)
このような新しい研究の成果が、ようやく紀元前から
の疑問を解く一つの手がかりになればうれしいのですが。
以下は紀元前からの人類の考えの一部です。
だいぶ、途中をはぶいた所がありますが、この後の
研究ロードマップを描くとどうなるのでしょうか?
1.原子を哲学で説明
・紀元前400年ごろ;レウキッポスとデモクリトスは、
”すべての物質は、他に何もない空間を動く永遠にして
不可分な物質からなる”という説を唱えた。
・紀元前1世紀ごろ;ルクレティウスが書いた「事物の
本性について」の中で、”物体には二種類あり、一つは
原子、もう一つは原子の複合物である。
原子そのものは、どんな力にも圧倒されない。
絶対的な個体性によって保存されているからである。”
と説明しています。
2.原子を科学で説明
・1805年;イギリスの科学者ジョン・ドルトンがレウ
キッポスとデモクリトスの原子説を再び導入し最初の
原子量表を作成した。多くの実験結果を注意深く調べて、
ある種類の原子1個が水素原子1個の何倍かという
原子量表を初めて発表した。しかし原子の構造については
ただ空想をめぐらすだけで、栗のようなイガイガのある
ものとか、スベスベしたものだとか勝手なことを書いて
いるそうです。この当時は、原子という目に見えない
もの、実験的に確かめられないものを科学に持ち込む
のは邪道であるという考えが極めて強力だったそうです。
3.電子の発見
・1897年;真空にしたガラス管の中で高い電圧をかける
と、陰極からマイナスの電気をもった小さな粒子の流れが
発生し陽極に向かって流れることを発見した。
いわゆる「真空放電」です。
(イギリスのJ.J.トムソン)
4.いろいろな原子模型が考案
・20世紀初めにいろいろなタイプの原子模型が考え
られましたが、なにしろ原子は目で見ることができない
ので、手探りの中から人間が普段の生活で見ているもの
のイメージに当てはめて考えられたもののようですね。
{例}
・J.J.トムソンの”すもも模型”
・・・トムソンはすももが大好きだった?
・長岡半太郎の”土星模型”・・・原子核が大きすぎた
・ニールス・ボーアの”ボーアの原子模型”
・・・地球のまわりを月が円軌道を描いて。
・ラザフォードの”太陽系模型”
・・・原子にヘリウムの原子核(プラスの電気を帯
びたアルファ線)を当てて、そのはね返りの
様子から原子核が非常に小さいことを確かめ
た。一番科学的な方法ですね。
・ゾンマーフェルトの”楕円模型”
・・・ボーアの模型を改良
5.特殊相対性理論
・1905年にアインシュタインが世に出した論文で、真空中
の光の速度は不変の値となっているのですが、われわれが
常識的に不変だと思っていた時間が場所(例えば、地球の
上と地球から離れていく宇宙船の中など)によって異なる
ということは、当時は受け入れ難いことでした。
今では、GPSの時間の微小な調整や、加速器による
素粒子の速度と寿命における観測結果などの計算に利用
されて重宝しています。時間と空間についての先入観の
一部を捨てられないと理解できないようです。
6.一般相対性理論
・1916年にアインシュタインがほとんど一人で確立した
といわれる一般相対性理論は重力理論に他ならないもの
です。電磁力の説明とはまったく異なり、時空の幾何学的
構造の屈曲、ねじれ、引き伸ばしとして表せる。
ユークリッド幾何学に支配された固定的な背景として
の空間像は放棄され、宇宙は形を変えうるものになり、
そこに含まれる物質によって歪められます。
7.光、電子、原子などの二重性
・光は昔、「波」と考えられていたのですが、1905年に
アインシュタインが光電効果の理論によって光量子説を
唱えました。光の干渉や回折などの実験では、光は波の
性質を表しますが、光電効果、発光、光の吸収などの現象
では、光は粒子の性質を表します。
これを光の二重性といいます。
また、1928年には電子も光と同じ二重人格をもった存在
であることが確認された。更に原子も同じであることが
わかった。1924年のド・ブロイの物質波の理論によれば
すべての物質は波の性質をもっているという。
8.量子力学へと
・ボーアの原子模型の欠陥を説明できる理論として
「量子力学」が生まれました。1925年にはドイツの
ハイゼンベルグが無限次元行列で表す「行列力学」、
そして1926年にはオーストリーのシュレディンガーが
2階微分方程式で表す「波動力学」を発表しました。
この二つの理論は表現こそ違いますが、同じことを
言っているのだと思っておいて下さい。
9.原子模型の進化
・結局、原子模型はボーアの”地球と月モデル”から
ゾンマーフェルトの”太陽系モデル”そしてシュレ
ディンガーの”星雲モデル”へと進化していきました。
最後の”星雲モデル”は量子力学が適応された結果です。
10.フォン・ノイマンの混乱
・1932年に量子力学を数学者から見て整理して、一冊
の本にまとめました。この中で、「観測問題」を取り
上げていますが、ノイマンが混乱している様子が伺え
ます。なにしろ量子力学においては観測を行うことが、
波動関数を変化させるように思えたからです。
そして観測を行えるのは意識ある人間などの生命体
になってしまうのですから。
とはいえ、意識と物質との間に何らかの相互作用を
起こす接点がないと、生命体は存在できないようにも
思えますが。いかがでしょうか?
11.EPR論文
・1935年にアインシュタイン他2名が世に出した論文
ですが、現在でも答えがでていません。なにしろ、因果
の法則を捨てるか、それとも実在を捨てるかという選択
に迫られるからです。
特殊相対性理論から求められるミンコフスキーの
4次元時空から因果の法則が導かれますが、これに
よると光速を超えた現象は因果の法則を破ることに
なります。そして、この光速を超える現象が量子力学の
実験で数多く報告されています。
参照;アインシュタインを紹介したホームページの
中にわかりやすい説明があります。
[http://homepage2.nifty.com/einstein/]
とはいえ、厳密に因果の法則が適応されてしまうと、
この宇宙は機械仕掛けの時計のようなものになって
しまいそうです。
歯車がスムーズに動くための”遊び”がハイゼン
ベルグの不確定性原理ではないでしょうか?
12.シュレディンガーの波動方程式について
・原子が観測されることなく、自分だけで活動して
いるときは、波動関数は量子力学の法則に従って
広がっている。つまり原子は、静かな池に小石を投
げたときのさざ波のようなものである。ところが、
原子の状態を測定するたびに波動関数の記述は変化
する。カーテンの特定の穴を通過しつつある1個の
電子や、原子の特定の一軌道を周回しつつある電子を
とらえた場合は、シュレディンガーの波動方定式は
あてはまらない。なぜなら測定するという行為が
波動関数を破壊してしまうからである。
13.素粒子物理学について
・1970年代の素粒子物理学の革命、つまり「素粒子
物理学の標準モデル」という成果から「大統一理論」
が生まれた。自然界の四つの基本的相互作用は、
弱い順に、重力、弱い相互作用、電磁力、それに
強い相互作用である。
このうち、重力を除く3つの相互作用を統一しよう
としているのが、「大統一理論」ということになります。
・二つの素粒子の間に働く重力は弱すぎて、検出された
ことが一度としてない。例えば、陽子と電子の間の重力は、
電気的な引力の2×10の39乗分の1である。
・弱い相互作用は、さまざまな種類の核の崩壊に
ともなって、はじめて観測された。尚、弱い力の
及ぶ範囲は原子核の大きさの100分の1ほどでしかない。
・電磁力には電気力と磁気力が含まれる。普通の物質
には正の電荷と負の電荷が等量ずつ含まれるので、
引力と斥力はほぼちょうど打ち消しあう。
電気力の威力を理解するには、1キログラムの鉄の
玉二つから負の電荷をすべて取り去ったらどうなるか
を想像してみると。1メートル離れた二つの玉は、
ほぼ3×10の18乗トンの力で互いにはじきあう。
・強い相互作用は、おおよそ原子核の範囲(およそ
10の-13乗センチメートル)に及び、核の中の陽子と
中性子を結びつける。さらに陽子と中性子は、やはり
強い相互作用でつなぎとめられた3つのクォークから
できていると考えられている。