L体の生命体


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投稿者 松本 日時 2000 年 12 月 16 日 14:02:43:

∇日経サイエンス2000年12月に、”対談,右の世界
左の世界”という記事がありましたが、下記の内容
が正しいとすると、「宇宙からの訪問者」の14章
”饗宴と決別”の食事の模様からして、饗宴の出席
者は全てL体の生命体ということでしょうか?

「キラリティの違う生物が地球侵略」
黒田;
しかし、もし生命世界の非対称性に、こうした必然性
がないとしたら、例えばアミノ酸のL体を使うかD体
を使うかは、地球上で起きたまったくの偶然という
ことになる。宇宙には地球の生物とは逆のキラリティ
(左右非対称性)を持つ生物も当然いるはずです。
前田;
右と左が違う生命体がいたとして、それが地球にきたら、
いろいろ問題はありますかね。生活する分には。
黒田;
じつは私、それについてSF小説を書こうと思ったこと
があるんです。外見は地球上の生物と変わらないのに、
体を構成する物質のキラリティだけが異なっている
生物が宇宙からやってくるという話。
黒田;
問題は、生物って生物しか食べられないということ
から起こります。キラリティの異なる生物同士は、
消化器官で小分子レベルまで消化できないし、たとえ
できたとしても栄養素として利用できません。
前田;なるほど。
黒田;
私が火星人だったら、地球に逆の分子からできた動物
や植物をセットで送り込む。それぞれの間で密かに
繁殖させ、どんどん増えていくことになる。ところが、
それに気付かない人間がそれを食べようとすると完全
消化不良になって食べられないわけ。で、人間はどん
どん減っていくというSFを書こうかと思っている。
前田;
要するに、右の生物は右の生物を食べないと生きて
いけない。
黒田;
だから自然界では自分を守るために、右と左を変えて
しまうこともあります。例えば、ある細菌は自分の
細胞壁の右と左をちょっと変え、タンパク質を分解
する酵素が来ても分解されないように身を守っている。
それぐらい賢いですよ、生物というのは。

「やさしい細胞の科学;オーム社出版局」より
”L体のアミノ酸は宇宙からの贈り物?”
 グリシン以外のアミノ酸にはD体(dextro;右を表す
ギリシャ語)とL体(levo;同じく左)の立体異性体
がある。しかし、地球上の全生物のタンパク質は、ほと
んどL-アミノ酸のみからできている。生物はなぜL体
を選んだのかについては、さまざまな説がある。生物が
誕生する頃の初期の地球には、D体、L体が等量存在
したが、部分的にL体が多く集まった場所から偶然に
生命が生まれたとの説や、L体のほうがごくわずかに
安定なのでそうなったとする説などがある。また、
有力な仮説の一つに宇宙からの飛来説がある。これは
地球外から隕石に含まれて飛んできたものにL体が多
かったとの説である。




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