宇宙の始まり


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投稿者 松本 日時 2002 年 8 月 07 日 11:22:26:

回答先: Re: 宇宙の変化 投稿者 スターダスト 日時 2002 年 8 月 06 日 21:14:00:

|> 最悪ビッグクランチまで許容しています。

|> で、次の瞬間にビッグ・バン

|> 宇宙という生命の子宮ですら転生するのだという
|> 強烈な印象を持っています。

|> かくして、宇宙には始まりも終わりもありません。

∇終わりがないことは、一つの宇宙が転生
を繰り返すことで説明できると思いますが、
始まりがないことの説明はできないように
思えます。

|> 物理学者曰く
|> 双曲線タイプの開いた宇宙ではなく
|> ニュートンが夢見た平坦な宇宙ではなく
|> 放物線タイプの閉じた宇宙。

∇宇宙マイクロ波背景放射の揺らぎの観測から、
「宇宙は平坦だった」ことが示唆されています。
平坦ではあるけれども、大きさが有限で閉じた
宇宙というわけです。
(説明の一部は下の方にあります)

|> 本来、宇宙空間にまんべんとなく存在する
|> 質量分布が、上記3つのうちドレカを決める
|> はずなのですが
|> 一方的に閉じた宇宙に一票(ゴリオシ)

|> 私達は、赤道上を飛行機で飛びつづける手段を
|> すでに持っています。
|> 地球は有限ですが、赤道上を飛びつづけることは
|> できます。果てしがないのですね。

∇このアナロジーでは、最初に赤道上に衛星
を乗せるという、始まりがあるように思えます。
地球と衛星の寿命が無限ならば、終わりは
ありませんね。

また、原子核の回りを飛び続ける電子も、原子
の寿命が永遠であるとすれば、終わりはありま
せんが、ビッグバンにおける原子の誕生といっ
たような始まりはあるように思えます。

「科学,2001年8月」特集:宇宙論はどこへ
向かうのか [宇宙は平坦だった]

・現在,一般に信じられている,われわれの宇宙を
記述する標準的なモデルは,フリードマンモデルと
呼ばれるものである。
このモデルは,空間的に一様,かつ等方を仮定
した場合のアインシュタインの一般相対性理論の
解である。

・通常いわれている「開いた空間」=「負の曲率」,
「閉じた空間」=「正の曲率」という関係が必ずしも
成り立っていない。
一般相対性理論とはある点のまわりの(局所的な)
理論であり,全体の(大域的な)トポロジーに関して
は,なんら感知しない。
例えば宇宙が大域的にはドーナツのような閉じた
構造をしていても,局所的には平坦ということが
ありえる。

・宇宙マイクロ波背景放射は,1965年,ペンジャス
とウイルソンによって偶然発見された。
この発見によって,宇宙がかつて高温で熱平衡
状態であったことが,疑う余地なく示された。
それまでは,宇宙は進化せず,物質の密度など
は過去も現在も一定であるとする定常宇宙論モデル
と,宇宙が非常に高温,高密度な状態から始まり,
膨張に伴って温度,密度ともに低下してきたとする
ビッグバン宇宙論モデルが,その優劣を争っていた。
この背景放射の発見から,後者のビッグバンモデル
が標準宇宙論となったのである。

・ビッグバンによって非常に高温の状態から始まっ
た宇宙の温度が,3000度K程度に冷えてきたときに,
劇的なことがおこった。
宇宙が誕生して約30万年後のことである。
この時期に,宇宙に存在する陽子と電子が結合
して水素原子が形成されたのである。

・COBEによって背景放射は非常に高い精度で黒体
分布をし,かつ等方であることが示された。
背景放射の温度はわずか10万分の1程度ではある
が,場所によって異なっていることがわかった。
背景放射の温度はごくわずかだけ非等方に揺らいで
いたのである。

・温度揺らぎが生成される課程は,宇宙の物質の
量や,膨張の速度などによって大きく影響を受ける。

・実際に観測される温度揺らぎは,さまざまな波長
をした揺らぎの重ね合わせである。

・角度スケールが1度より小さい波長の揺らぎが
宇宙の曲率と大きく関係する。
このスケールの揺らぎは再結合期までに,地平線
のなかに入る。
再結合期までは光子と電子は散乱を通じて強く
結びついているので,圧縮性の流体として考える
ことができる。
圧縮性の流体に生じる揺らぎは,音速で伝わる
音波モードである。

・この音速は,光子などの輻射成分では光速の
1/√3倍であることが知られている。

・再結合期から150億光年かけて光がわれわれ
に到達するまでに,音波モードの揺らぎのパターン
は宇宙の曲率に応じて,そのみかけの大きさを
大きく変える。

・COBEによる温度揺らぎの観測は,角度分解能が
7度とあまりよくなかったために,音波モードの
揺らぎパターンは観測することができなかった。

・2000年,二つの気球観測グループがあいついで
非常に精度の高い温度揺らぎの測定結果を報告
した。
(BOOMERANGプロジェクト,MAXIMAというグループ)
結果は,宇宙が平坦であるということを強く示し
ており,その場合の理論計算と非常によい一致
を示した。

MAP
http://map.gsfc.nasa.gov/

PLANCK
http://astro.esa.int/Planck/


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