投稿者 松本 日時 2002 年 12 月 15 日 10:57:23:
回答先: ?質問(複数) 投稿者 「要約してください」 日時 2002 年 12 月 11 日 00:31:20:
∇私も宇宙物理の専門家ではなく、ただの素人なので、
調べるのに時間を要しました。
|> ?質問(複数)
|> ・・・1
|> □
|> 「高次元宇宙」というのは
|> 説明のためなんですね?
∇そうです。宇宙が高次元であれば、クーロン力
と重力の大きさの違いが説明できるため。
|> □
|> クーロン力と重力を比べた時、なぜそのように
|>重力の方がはるかに小さくなるのか?という疑問。
|> □
|> クーロン力と重力の関係はどうなっているのか?
|> これを関係づけようとして、高次元宇宙なる言葉
|>が出てきたのだと思いますので。
∇そうです。
|> ・・・2
|> □
|> 「重力は距離の2乗に比例して減衰する。」
|> これは、ニュートンの万有引力の法則から
|> 言える事です。
∇そうです。
|> □
|> 小さな質点の位置の計測は出来ても
|> 小さな質点から来るの重力波の計測はできない
|> ということですね。
∇そうです。
|> □
|> 「重力波は距離の2乗に比例して減衰する。」
|> と言う事はできますか?
∇重力波の観測はこれからなので、たぶんという
ことしか言えない。
|> □
|> (「出来る」または「出来ない」という)
|> その根拠は?
∇光や電磁波などは距離の2乗に比例して減衰
することが確認されているが、重力波は時空自体
の歪みであり、時空構造がわからないとはっきり
したことは言えないと思う。
|> □
|> ブラックホールの重力波は検出されていますか?
∇まだです。
重力波望遠鏡が建造されてから、たぶん2005年頃
までに検出されると予想されています。
|> □
|> 重力波を検出する高感度の計測器には
|> どんなものがありますか?
∇大型のレーザー干渉計による重力波望遠鏡
(アメリカのLIGO,フランスとイタリアのVIRGO,
ドイツとイギリスのGEO600,日本のTAMA300)
|> □
|> なぜその計測器は重力波を検出することが
|> 可能ですか?
∇重力波が地球に届くころには、かなり弱く
なってしまうが、これらの大型の計測器は、
鏡の間に生じるわずかな空間の伸び縮みを、
0.0000000000000000001mという小さな振動
まで検出できるため。
|> □
|> 検出の原理は何ですか?
∇重力波は、時空の歪みが光速で伝わるもの。
例えば各辺が4kmの長さのL字型のレーザーが通る
管の両端に鏡を置き、この鏡の間を反射する2つ
のレーザーが干渉するよう調整しておく。
重力波が来た場合、鏡の間にわずかな空間の伸び
縮みが生じるので、レーザーの干渉の様子に変化
が生じることを利用したもの。
|> □
|> 微少距離での重力減衰率と重力波は、
|> どんな意味で関係がありますか?
∇もし微少距離での重力減衰率が予想どうり、
距離の3乗とか4乗などに比例するのであれば、
我々の宇宙以外に他の宇宙があるかもしれない。
そうなると、重力波が検出できた場合に、他の
宇宙の重力波を検出できるかもしれない。
|> □
|> 「微少距離での重力減衰率を求める」ことに
|> どんな意味を研究者はとらえていますか?
∇重力の逆二乗則(重力が距離の2乗に比例して
減衰すること)がどのようなスケールの距離でも
成り立つのか確認できる。
|> □
|> それを素人がわかるように説明できますか?
∇もともとこの法則はニュートンが惑星の軌道
運動を説明するために導いたもの。
そのため、地球と月あるいは地球と太陽など、
かなり遠い距離で成り立つことは確認されて
いる。
が、これが細胞や分子や原子の間の距離の
ような小さな距離でもそうであるのかどうか
は確認できていない。
もし、違っていればまた何か新しい発見の機会
が見込まれる。
|> ・・・3
|> □
|> 重力の減衰率の計測は誰が行った計測ですか?
∇ロングがキャベンディッシュ型の実験結果を見直
して重力定数に距離依存性があると主張した。
|> ・・・4
|> □
|> 「微少距離における減衰率が3乗とか4乗になる」
|> という考えは誰のアイデアですか?
∇「宇宙の見えざる次元」では、アルカーニ,
ディモポロス,ドゥバリの3人がこのアイデア
を紹介していました。
|> □
|> 1mmくらいの微少距離における重力減衰率を
|> 考える意義は何ですか?
∇現在、科学は重力以外の力に関しては、
0.0000000000000000001m
に迫る非常に短い距離で、実験データを持って
いる。が、重力だけは、今まではせいぜい1cm
ぐらいまでしかデータを持っていない。
過去の科学の発見の歴史を見ると、観測の範囲
を小さな尺度までに広げたとき、常に予想外の
新しい現象があった。
|> □
|> 素人にも説明出来ますか?
∇過去の発見の歴史を見ると、原子の発見から
原子核を構成する陽子と中性子の発見、さらに
それらがクォークというさらに小さな粒子で
構成されているという発見などが例です。
|> □
|> 議論は研究者でするでしょうけど素人が
|> そんな事を議論するヒマは多分ないでしょうね。
∇宇宙について興味があれば素人でも時間を作って
解説本などを読んだり、このような分野の紹介をし
ているH/Pの掲示板で議論したりはするでしょう。
|> □
|> 議論は可能ということですから、もちろん
|> やらない研究者もいることでしょう。
∇いろいろでしょうね。
|> ・・・5
|> □
|> 「1mm程度の質点間に働く重力」
|> をどうやって計測しますか?
∇0.05mm〜1.0mmの範囲の重力変化は、コロラド大学
の「ねじれ振動はかり」によって測定できます。
但し、これは予備実験です。もっと小さな距離の
測定は2010年ごろまでに高エネルギー加速器で測定
する予定です。
|> □
|> その方法は?
∇1mm以下で重力の法則を確かめるためには、非常
に小さな質量間に働く非常に小さな重力を測定
することになる。そのため、計測をじゃまする力
(残留電磁気力や静電気によるクーロン力など)
は遮蔽して計測を行う。
|> ・・・6
|> □
|> どのような種類の論議は
|> 言葉だけのほうがわかりやすいですか?
∇言葉だけのほうがわかりやすい議論は無い
ように思います。話をあいまいにするには
言葉だけの方がよいのでしょうが。
|> □
|> 「この種の論議」って?
∇自然科学に関する議論。
|> eof