投稿者 shimizu 日時 2001 年 7 月 29 日 00:08:33:
バイキング探査機が火星に着陸した当時、地球人の間では生物がいることへの期待が高まりつつも、結果はいるともいないとも釈然としない、漠然とした雰囲気の中で今日まで経過してきたように思います。しばらく時期を経た今、客観的な新しい視点を持った研究者が現れたことは注目されるべき事です。はたして多くの論議を呼ぶのでしょうか。
【ワシントン27日=館林牧子】一九七五年に米航空宇宙局(NASA)が打ち上げた
火星探査機「バイキング」の観測データから、生命の痕跡らしいものを米南カリフォルニ
ア大の研究者が見つけ、二十九日に米サンディエゴで開かれる学会で発表する。
このデータは、火星表面から採取した土の試料が放出する気体を調べたもので、最近に
なって分析しなおしていた。外部との熱の出入りを絶つ分析容器を使ったにもかかわらず、
二十四時間四十分の火星の自転や気温変化と同期して、気体が周期的に放出されていた。
新説を公表するジョセフ・ミラー博士は、火星の土の中にいる微生物の活動リズムの結果
だとしている。
以前は単なる科学反応の結果とされていたが、詳しくデータを調べると、土を高温で熱
すると炭素を含む気体の放出が止まっており、これは微生物が死んでしまったためと解釈
されるという。
火星の生命論争は、NASAが五年前、火星から飛来したいん石の中に、生命体の痕跡
を見つけたと発表したことから火がついた。その真偽を確かめるため、NASAは今後二
十年間に、複数の探査機を打ち上げる予定だ。
2001年(平成13年)7月28日(土曜日)読売新聞夕刊