投稿者 松本 日時 2002 年 2 月 10 日 16:02:24:
回答先: GHZ 投稿者 松本 日時 2002 年 1 月 27 日 12:19:58:
|> 2.数千年後
|> ・氷河期への対応(食糧,エネルギーの確保など)
∇次の氷河期が開始される時期を正確に知るには、
氷河期・温暖期サイクルを支配しているメカニズムを
解明する必要があります。
一つの仮説として地球の軌道要素の変化に起因している
とする「ミランコヴィッチの天文学説」がありますが、
1970年代以降次第に本格化してきた海洋底の堆積物調査
及びグリーンランドや南極の氷床コアの調査などの結果
に基づく、評価が行なわれつつあるようです。
「最新地球環境論,学研,1990年」
[地球の氷河期・温暖期のサイクルを
太古の氷河の中に探る,庄子仁]より
過去80万年間、地球は約10万年のサイクルで
氷河期と温暖期を繰り返してきた。
悠久の時間をかけて堆積した極地の氷床(氷河)や
深海底の泥は、こうした地球環境の変動の歴史を
記録している。
氷河期、温暖期のサイクルはなぜ起こるのか?
また、人間の介入によってこのサイクルは変わるの
だろうか?
氷河期・温暖期のサイクルを明瞭に記録しているもの
に、「海底コア」と「雪氷コア」とがある。
海底の泥と、極地氷床の積雪や氷などは、長い時間を
かけて溜まった連続堆積物である。
深い箇所のものほど古い昔の情報を保存しているので、
直径数センチ程度の鉛直柱状試料(コア)を採取して
深さごとに解析すれば、過去から現在まで続いてきた
環境変動の記録を連続して手に入れることができる。
海底コアの深さに対する年代の決定は、放射性同位
元素を用いた炭素14法、カリウム−アルゴン法、
あるいは地磁気逆転などを利用して行なわれる。
これに対して、雪氷コアの年代決定は、酸素安定
同位体比の季節変動サイクルを数えたり、氷床流動
の計算に基づいて行なわれる。
酸素には酸素16、酸素17、それに酸素18の
質量数の異なる3種の安定同位体がある。
自然界におけるこれらの存在比は、それぞれ99.762,
0.038,0.200パーセントである。
このうちもっとも存在比の少ない酸素17を除いて、
酸素18と酸素16の同位体存在比(酸素18/酸素16)
に注目する。
酸素18を含む水分子は、酸素16を含む水分子より
も蒸気圧が低いため蒸発速度が遅く、海洋から蒸発
する水蒸気の酸素18の含有量は海水中のそれより
も低くなる。(同位体分別)
この水蒸気が雨や雪を凝結させるときには、前と逆
の過程が起こり、酸素18の含有量は降水中のほう
が水蒸気中よりも高くなる。
したがって、この水蒸気塊から最初に生成される降水
の同位体比は、もとの海水の同位体比と同じになる。
しかし、その結果、残りの水蒸気塊の同位体比は減少
することになり、そのあと降水が起こるたびに、累積
効果によって降水と水蒸気両者の同位体比は減少を
続けていく。
このために、蒸発海域から長距離輸送された水蒸気塊
から生成される雪によって養われている極地氷床の氷
は、海水の同位体比よりずっと低い値をとる。
こうして氷床上に降った雪は、圧密されて氷となり、
氷床流動によって沿岸にまで運ばれ、そこから氷山
として分離し、海に還る。
この地球上の水循環系が定常状態にあるかぎり、海水
の同位体比は一定に保たれるが、系が変化して地球上
の氷体の総量が大きく変わると、酸素18の合計量は
一定だから、海水の酸素同位体比が変化することに
なる。
つまり、氷体量の増加は海水の同位体比の増加をもた
らすのである。
∇以下は関係すると思われる参照H/Pです。
「7億年前に地球は全球凍結した?」
http://www.iwanami.co.jp/kagaku/jiji200001.html
「スノーボール・アース仮説へのアメリカでの反響」
http://www.iwanami.co.jp/kagaku/jiji200005.html
「地球温暖化と原子力発電」
http://www-atm.jst.go.jp/pesco/DEC97.HTM
「アボリジニーの文化について」
http://www.dhs.kyutech.ac.jp/~hase/g96r2.html
「フィンランド人はどこからやってきたか?」
http://www.finland.or.jp/origin-j.html
「氷河期の生き証人 ギンザンマシコ」
http://www.asahi-net.or.jp/~sv2e-knn/sub57.htm
「日本にもいたオオヤマネコ」
http://www.ne.jp/asahi/conago/nimravus/vus12/lynx.html