不死なる細胞


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投稿者 スターダスト 日時 1999 年 9 月 30 日 14:34:20:

回答先: Re: テロメラーゼ酵素 投稿者 C.Ito 日時 1999 年 9 月 30 日 00:01:43:

・人間の細胞に対して「ガン細胞」以外に「不死性」を
もたせるのは難しい。
・国内では今回初
・この「不死性」とは細胞が死なないことをいうのではない。
・「不死性」とは、細胞が永久に細胞分裂可能ということ。
・一般には、有限回しか、分裂できないのだ(例外あり)。
・今回は、血管の細胞についてのみ実験成功。
・あらゆる種類の細胞に対して、ではない。
・血管の細胞の分裂可能回数は通常50から60回程度である。
・ある処置により、現在のところ、通常回数の3倍ほど分裂
 している状況で、まだ分裂はとまっていない。
・これで、実験成功だという見切りをつけての発表の運びと
 なったと推察される。

・我々の生命の情報は細胞内で活躍するDNAに書かれている。
・DNAは、2本のくさりが「らせん状」になって
 ちょうどジッパーのように互いに連結している。
 (ファスナーという呼び方もあるが。)
・くさりのつぶつぶ、部品は、何種類かあり、一列にならん
 でいる。その並び方によって生命情報が書かれているのだ。
・DNAの2本のくさりは「陰」と「陽」であって、互いに
 相手を映し出す鏡となっている。ただし、ネガとポジである
 のでうりふたつではない。が、しかし、ネガさえあればポジ
 は再生できるし、逆も又、可能である。
・1個の細胞が2個になる細胞分裂のときにはDNAも
 1つから2つにならなくてはならない。
・細胞分裂のときにDNAのジッパーは、ほどかれて、
 2本のくさりになる。ネガとポジの分離。
・ネガのくさりは部品が一列に並んでいる。
 ネガのくさりは、周囲いにフラフラしている、くさりの部品を
 あつめる。ネガの部品一個ずつに対して、ちょうど対応する
 ポジの部品をみつける。みつけた部品を、ネガのくさりの上に
 はめこむ。これを端からくりかえして、ネガのくさりの上に
 新しいポジのくさりをつくる。できあがったポジのくさりは、
 細胞分裂の前に結合していたポジのくさりとウリ2つである。
・そしてDNAのジッパーとしてふたたび閉じられていく。
・もう片方のポジのくさりも同じように、
 新しいネガのくさりを作り
 閉じられて新しいDNAのジッパーとなる。
・このようにして、一個のDNAは2個のDNAになる。
・2個のDNAは、1個ずつ、分裂する細胞ごとに分け与えられる。

・さて、普通のズボンのジッパーには、端っこに留め金がついている。
・DNAのジッパーでは、終端に、単純な部品の連鎖のくりかえしと
 なる「テロメア」という名のつけられたくさりの小部分がある。
 他のくさりの部分となんら差はないが、単純に部品がつながって
 いるだけで、生命情報が書き込まれていないのが特徴である。
・実は、細胞分裂のときの、DNAの複製にあたって、
 このテロメアの部品が1個ずつ、複製の対象とはならない。
・単純に言えば、だんだん、DNAジッパーの長さが短くなる。
・短くなっても生命方法が欠損されないよう、テロメア部分では
 生命情報が書き込まれていないのだ。
・ジーンズのズボンのジッパーが、開け閉めするたびに、端っこの
 部品が1個ずつ短くなったら、しまいには開け閉めできなくなり
 ますよね?
・この、終端のテロメアは、細胞分裂の際、部品1個ずつ短くなる。
・細胞分裂が可能な回数は、テロメアの長さに依存する。
・(細胞分裂回数券をもっているようなもの、1回ごとに切符を
  使用するので、だんだんなくなっていく)
・今回の実験対象の血管の細胞のDNAのテロメアの部品の長さは
 50ないし60である。換言すれば、細胞分裂可能な限界は
 50回ないし60回である。

??????
なぜ、有限回数しか分裂しないしくみを自然はとっているのか?
例外もあるけど。
??????
音楽のテープを完璧にダビングできたとする。ダビングの際に
音質の劣化はありえないものとする。
複製されたテープをなんどか楽しんで聞くとしよう。
聞いているうちにヘッダーにこすれて、テープはだんだん劣化
する。音質が悪くなる。
友人にせがまれて、複製をさしあげる約束をしたとする。
音質の悪くなったテープをダビングしたら申し訳ないのである。
やはり、マスターテープからおこすのが一番であろう。
自然界も同じことを考えるのだ。

DNAジッパーの複製は完璧に行われるのだが、
生命が生きていくうちに、外界からの刺激で
我々の細胞のDNA生命情報が痛まないともかぎらない。
紫外線でお肌が荒れることは誰だってあるが
その際、ひょっとしたら、運悪く、DNAが痛むことが
ありえるのだ。

DNAが痛んだ細胞を分裂させて使っていくのは危険なこと
である。もしも分裂が無制限に可能ならば、細胞のDNAの
遺伝情報、生命情報はグシャグシャに壊れていくであろう。
大自然はこれを防止するため、細胞のダビング回数に上限を
設けたのである。マスターテープに相当する細胞もあるので
そちらを使いましょう、っていうこと。
(幹細胞というマスターがあるのだが、今回は説明省略)
(正確に言えば、ダビングそのものに、情報の欠損が
発生しうるので、なおさら生命は慎重に複製を行っている)

ダビングの上限回数を決めるため、細胞はテロメアを持ち
分裂するごとにテロメアを短くすることに決めたのであった。
かくして
正常細胞に流さの短くなるテロメアが
あるのは良いことなのである。

さて、ガン細胞にもテロメアがある。ガン細胞は無限に増殖する
ことが良く知られている。無限に増殖するので困るのである。
本来の役目も忘れ、かってにその場で増殖し、あまつさえ
飛び火までするのである。
これは、本来、分裂の都度短くなるはずのテロメアの長さを
修復する仕組みを、ガン細胞が持っているからである。
正確に言えば、この仕組みは全ての細胞がもちあわせているの
だが、修復の仕組みの発動を押さえる仕組みが正常細胞では
あるのだ。
ガン細胞はテロメア修復の仕組みを押さえる仕組みが変化して
しまっているのである。
したがってガン細胞では
テロメアの長さの修復が強制的に行われることと
なる。

テロメアの長さの修復を強制発動するする仕組みは、ガン細胞の
DNAの中に書きこまれている。くさりのなかの特定の部位に
書きこまれている。この、鎖の小部分を切り取って、正常な細胞
のDNAの一部のしかるべきところにつなげたならばどうなるで
あろうか?
機能としては正常であるが、分裂する回数だけは無限である、
そんな細胞が作り出せるのではないだろうか?
医学者、科学者たちにとって重要な研究テーマである。

今回のNHKの報道によれば、人間の血管の細胞に上記の操作を
加えたところ、本来の分裂回数の3倍を超えた段階でも細胞分裂
がとまらない状態となった。(参考:Ikawaさんの書きこみ)
これにより実験は成功したものとみなされたことになる。
なお、テロメア修復酵素が影の主役である
(参考:Shimizuさん、C.itoさんの書きこみ)

しかしながら、動脈硬化をおこすなど、経年変化のおこりやすい
我々の血管の各細胞群が、上記のように、無限の増殖をおこしたら
どうなるか?あんまりうれしくない状況となことが容易に想像で
きると思う。バランスをくずして、血管だらけの人体となってし
まうだろう。
けして「不死性」という言葉にまどわされては
ならない。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
永遠の生命のカギは、まず細胞が痛みにくいこと、
そして、正しいバランスのもと
ひとたび時が満ちれば、古き細胞は
消え、新しい細胞におきかわること。(新陳代謝)
すなわち新鮮性と創造性にある。

宇宙の意識から学ぶべきことはまだまだ多い。



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