投稿者 純 日時 2003 年 3 月 01 日 02:58:23:
1978年のGAP総会での質疑応答でスティーブ・ホワイティング氏は、「アダムスキー氏は十代の半ば頃、チベットで数年間を過ごし、スペース・ピープルが開設していたコズミック・スクールの一つで学習しました」と語り、全集の中にも、チベットへアダムスキー氏を導いたブラザーズらしき人のことが側近者に語られています。
ただ、過去世を含めればア氏の原点というもの自体に意味はあまりなく、ア氏が誰であろうと、伝えた宇宙の真理にこそ目を向けるべきだと思います。1950年代初頭のコンタクト前のア氏の著作類は、1930年〜1940年代の論文を見ても、細胞の働きを説いた生命の科学やテレパシーと比べてやや具体性に乏しくグレードの違いを感じます。
1949年刊行の「宇宙のパイオニア」は、アダムスキー氏が生前のミーティングで「意識による旅行」であると語ったり、実際に書物の中で「意識によって火星に行ったことがある」と語っていましたので、そのようなものだろうと軽く考えていました。しかし、先日「宇宙のパイオニア」を原書で読了し、その内容が非常に具体的であることに一種の驚きを感じました。
序文に、この書物の内容は今はフィクションであるが後に現実となるというような暗示的な言葉もあり(人類の宇宙進出を指した言葉かもしれませんが)、宇宙船の構造、宇宙ボタル、アステロイド帯に相当する宇宙塵が惑星を生み出す母体であること、男女が完全に調和した神の肖像画、マスターの教え、月(走る小動物)、金星、火星の環境の細かい描写やスペース・ピープルとの会話、イエスのこと、過去に滅んだ文明の記録など、距離、大きさ、身長、人口など具体的な数字が非常に多く含まれた内容でした。そして後の宇宙哲学、生命の科学、テレパシー等の書で語られる内容のエッセンスともいうべき最も重要な教えが語られ、それらに出てくるたとえ話も登場し、私は正直なところ、「UFO堂上記」同様に、非常に感動し、全集の別巻に加えたいとすら思いました。
「宇宙からの使者」の本で、藤原忍氏がおっしゃるように、この本はア氏の意識による旅行と過去世の記憶の両方をもとに書かれたとも考えられます。エマ・マーティナリという女性が藤原氏に直接話したエピソードとして、彼女が「宇宙のパイオニア」が幽体離脱体験かどうかを尋ねた際に、ア氏が「あんたにはもうわかっているだろう。別に幽体離脱に偏見を持っているわけじゃない。自分個人としては意識的に母船に乗ったものと確信している」と語ったそうです。
ただ私が少し不明なのは、意識による旅行がそこまで具体的な情報を、まるで実際に会見したかのような内容をもたらすことが可能なほど、
ア氏は驚異的な超能力者であったのか、それとも、かなり鮮明な過去世の記憶の保持者であったから書けた内容であったのか、または、自分が数年後に実際にUFOに搭乗できることは予期していなかったので、
懸命になって具体的な情報を(意識による旅行や過去世の記憶の回顧で)得て、地球人を啓蒙しようと考えたのか、はっきりとはわかりません。オーソンから言われる以前に、既に核の危険も指摘しています。1956年刊行の「宇宙船の内部」より7年も前に、これほど酷似した内容の本を出したア氏の意図を、懐疑論者またはア氏をよく知らない人にどう説明していいのか私にはよくわからないのです。
前にも書きましたが、いくつかの国内外のサイトや書物で、上記の本のことがアダムスキー氏に対する懐疑論の決め手のように指摘されていることで、初心者の方が「なあ〜んだ」と思って、それ以上ア氏を知ろうともせず、結局、スペースピープルの教えに触れることもなく、他の混乱した情報へ行ってしまうことが「知らせる活動」を妨げているように感じます。「直観とカルマのある人は、そんなことに惑わされない」と言ってしまうと、最初からかなり高いハードルをおいてしまうに感じます。NASAによる太陽系情報という外面的な障壁と同時に、意識による旅行の正しい理解という内面的な誤解を解くことも大切ではないかと思うのです。
できましたら、皆様のお考えをお聞かせください。
(ちなみに、「宇宙のパイオニア」は和訳も原書とも、コピーの状態で「円盤工房」で有料で分けていただけます)。