投稿者 松本 日時 2003 年 6 月 08 日 08:49:15:
回答先: 地磁気減少について 投稿者 稍 日時 2003 年 6 月 07 日 13:10:07:
|> 初めまして、稍です。
|> もうすぐ公開される映画「ザ・コア」の予告編を見て
|> 興味をもちました。
|> が、しかし地球の地磁気がヤバイというのは映画の話
|> でなく実際ここ数百年で地磁気は弱ってるようです。
|> このままいくとあと1000年、数百年、さらには我々が
|> 生きてる間にも地磁気が消滅すると言われてますが
|> 本当のことはどうかわかりません。
|> 「地磁気はある周期で逆転してるからこれは正常だ」
|> とか「減少してもゼロになる前に回復するだろう」
|> とも言われてます。
∇下記の本の図2.5を見ると、450万年の間に25回
地磁気が逆転しています。最近では約2万年前に
逆磁場から正磁場に変わっています。
「プレート・テクトニクス,上田誠也,1989年」
より
・1969年頃には、図2.5に示すような地磁気極性
の歴史が過去約450万年にわたって確立された。
・現在では、地磁気縞状異常を逆用して、地磁気
逆転史は1億5000万年程度の過去までさかのぼる
ことができる。
|> 地磁気が消滅するということはバンアレン帯が
|> 消えうせます。
|> バンアレン帯がなくなると地球が直接太陽風
|> を食らうことになるので全生物は生きていけ
|> ません。
∇たとえ、地磁気が無くなったとしても、太陽風
が地球を直撃することはないようですね。
「比較惑星学,岩波講座,地球惑星科学,1997年」
より
・一般に、磁場を持たない天体と太陽風との相互
作用については、次の3つのタイプの相互作用が
考えられる。
まず第1にその天体が電離層を持ち、そのプラズマ
の圧力によって太陽風の動圧を支えている場合、
第2に電離層に太陽風がぶつかることにより電離層
中に磁場が誘発され、この磁場の圧力により太陽風
の動圧を支える場合、第3に天体が電離層を持たない
か、持っていても上記のような電離層内のプラズマ
または磁場の圧力で太陽風の動圧を支えきれない
場合であり、このときは太陽風は直接その天体に
ぶつかることになる。
例えば、地球の月などは第3のケースである。
金星や火星には大気が存在するから電離層も存在
し、特に大気の豊富な金星では第1か第2のケース
が実現されていることが予想される。
・火星では大気の圧力が小さいために、金星と
同様なプロセスが有効かどうか議論されてきた。
バイキング1・2号の直接測定結果をもとに
否定的な議論が進められていたが、電波の屈折
を利用した火星電離層観測をもとに計算した近年
の結果では火星でも太陽風を支えるに足る電離層
の圧力がありそうである。
∇通常の太陽風よりも悪影響があるのは、強い
太陽フレアに伴って発生する高エネルギー粒子
の流れですが、地球磁場の遮蔽が無くなっても、
地球大気による遮蔽があるので、地球の全生物
が生きていけないといったことは、無いと思わ
れます。
「太陽,ケネス・R・ラング,1997年,原書1995年」
より
・強い太陽フレアに伴って発生する高エネルギー
粒子の流れは、旅客機の乗組員や乗客に対して
悪影響を及ぼし、特に極回りルートを飛行する
場合に問題となる。
現代の航空会社は、大気による高エネルギー
粒子の遮へいが十分でない高空や、地球磁場
による遮へい効果が薄い北極の上空で多くの
航空機を運行させている。
・したがって、頻繁に極回りルートで旅をする
人やパイロットなどの旅客機乗組員は、健康を
脅かされる危険性が高い。
20年間にわたって飛行中の放射線被曝を受け
た場合、致命的ながんの発生率は約1%であり、
平均的な喫煙者におけるがん発生率よりも低い
ものの、2次喫煙者の場合よりも高率である。
|> 生きてる間に地磁気がなくなる恐れはある
|> のでしょうか?
∇下記のホームページの情報をすみずみまで、
良く見ていればわかると思います。
「地磁気世界資料センター 京都」
http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/index-j.html