投稿者 スターダスト 日時 2004 年 11 月 26 日 20:33:07:
回答先: それぞれの主張 投稿者 Vosne 日時 2004 年 11 月 22 日 21:25:22:
極めて内的完成度の高い一般相対論から帰結されるLense-Thirring効果は従来観測にひっかからなかったが、このほど、人工衛星の軌道の観測により測定され、一般相対論に肯定的な結果を出したようです。なお、今回の測定は来たるGravity Probe B計画による測定チームとは異なるスタッフから出されています。
高い内的完成度から外的実証が生み出される様(さま)は爽快ですらあります。アインシュタインが生きていたら?ちょっとだけ微笑んで予想通りと評価し、目前の課題を解決するためにさらなる研究に傾注することでしょう。
反相対論のかたがたには、ますます不利な状況になったと言えます。
以下、参考文献を。なお、時空の歪みは既に検証されていますが、ひきずる効果の精緻な分析結果は今回が初のもようです。(1998年に同じチームで予備的な研究聖か発表がなされているようです。)
参考文献:
●Relativity tested on a shoestring budget
http://www.newscientist.com/news/news.jsp?id=ns99996552
●回転する地球の周りで衛星を引きずって(1998年)
AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約(RICOH)
http://www.ricoh.co.jp/abs_club/Science/Science-1998-0327.html#p01
●【一般相対論】時空の「引きずり」初確認
http://www.einstein1905.info/news/whatsnew0410.html
引用:一般相対性理論は、天体の回転が天体周囲の局所慣性座標系を引きずり、衛星の軌道に影響を与えるであろうこと(Lense-Thirring効果)を予測する。 NASAとイタリアとの共同実験である Laser Geodynamics Satellite (LAGEOS I, II)衛星を用いた,時空の引きずり効果の観測結果がNatureに発表された.過去11年のデータから,2機の軌道が1年間に約2メートルずれることから,一般相対性理論によって予測された値の99±5パーセントの座標系の引きずりであったと結論した。(現在進行中の宇宙探査計画、Gravity Probe Bは,これを1%の誤差で観測することを目的としている.)
●朝日新聞から引用
※引用元配信記事:http://www.asahi.com/science/update/1023/002.html
※朝日新聞社のasahi.com( http://www.asahi.com/ )2004/10/23配信
一般相対性理論によると、自転している地球の周囲では、地球に引きずられて時空がゆがむ。NASAの説明では、蜂蜜の中でボウリングの球が回っている時、球の周囲の蜂蜜が引きずられるようなものだという。
93〜03年、2基の人工衛星の位置を、レーザー測距装置を使いミリ単位の精度で測定。それぞれ地球の自転の方向へ年間2メートルほど引きずられていることが確認された。
「時空のゆがみ」の証拠としては、遠くの1個の星が複数に見えたり、リング状に見えたりする重力レンズ現象がある。ただ、地球の周囲のゆがみはごくわずかなので、じかに検出するのは非常に困難とされてきた。
NASAは今年4月に打ち上げた人工衛星GP−Bを使った観測でも、地球の周囲のゆがみをさらに詳しく検出する予定だ。