テレパシーとは


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投稿者 Vosne 日時 2004 年 5 月 09 日 20:56:30:

回答先: 帰納的議論の提案 投稿者 Tatsuro 日時 2004 年 5 月 09 日 13:03:07:

|> テレパシーとは何か、

|> |> そのほうが、いろんな題材が選べると思うんです。
|> |> 嘘でも間違いでも、たたき台となるようなテーマ
|> |> があればそれは結構貴重なもんだと思うんですが。
|> という発言をしましたが、
|> ここで改めてこれを提案します。

∇”テレパシーとは何か”という問いに正確に答え
られる人はいないと思います。
たぶん比喩を使いあいまいな議論をするしか無いので
しょうね。
一つの方法として,テレパシーとは何かを考えるには、
意識と脳との接点とは何であるかなど非常に不可解な
問題も含め議論する方法があると思います。
テレパシーとは空間的に離れて意思疎通がとてもでき
ないような場所で,あたかもコミュニケーションが
とれたかのように見える現象を総称していると思われ
ますが,空間的な距離よりも物質である脳と意識との
質の距離の方がはるかに遠いのではないでしょうか。
意識と脳がコミュニケーションできる方がよほど不思議
なことのように感じませんか。
また、自由意思と言われている概念や,意識の遅延現象
など脳と意識との関係には不可思議な現象が数多く存在
していて,多くの研究者が議論を進めているのです。
そういった人々がいままで解明してきた成果についても
知っておくと参考になるのではないでしょうか。

・哲学史では古くから,自由意思の問題は決定論に
ついての議論と密接に結びついている。決定論あるいは
運命論とは,あらゆるものはあらかじめ運命を定められ
ているとする説だ。世の中の諸現象を支配する法則が
ある。初期の条件が与えられれば,それらの法則が,
容赦のない論理のもとに,あらかじめ定められた結果
へと導いていく。人間にもそのような法則が働いている
と考えれば,人は与えられた状況の中で,その法則が
命じることをやっているにすぎない,ということになる。
あらゆることはあらかじめ定められているのだから,
自由な選択などいっさいない,と決定論者は主張する
選択の自由があると思うのは,自分が何をするかを決定
する,内的あるいは外的な状況を知らないからにすぎない。
私たちはロボット,それも非常に愚かなロボットであり,
自分自身を理解していないから,自分がロボットだという
ことも知らない。愚かで無知だからこそ,自分には自由
意思があると信じている。
(この愚かさそのものも,私たちの力のおよばない状況が
もたらした結果だ。)

・決定論に対して最も強く異議を唱えるのが,実在主義だ。
十九世紀にデンマークの哲学者セーレン・キルケゴール
が創始し,二〇世紀にドイツのカール・ヤスパースや
マルティンハイデッガー,フランスのアルベール・カミユ
やジャン=ポール・サルトルが発展させた実在主義は,実在
による<選択>を重視し,人間は基本的に,いわばその
自由によって定義される「選択者」であるとする思想だ。

・<隠れた観察者>は1973年,偶然発見されたと言われて
いる。この年,催眠術で耳が聞こえなくなるという公開実験
が,学生の目の前で行われた。
・ところが一人の学生が,その実験を指導していた科学者
アーネスト・ヒルガードに質問をぶつけた。催眠状態にあっ
ても,被験者の「一部」は何が起きているかわかっている
ということはありうるだろうか,と。
・学生への公開実験中のヒルガードは,それから被験者に
指示を与えた。もし何が起こっているか自分の一部に聞こ
えているのなら,右手の人差し指を上げるように,と彼が
言うと,驚くべきことが起こった。被験者は指を上げ,続
いて,催眠状態から抜け出したい,とはっきり言った。
・その後,隠れた観察者の存在は,痛みを与えられても
感じない催眠状態を引き起こす実験でも実証された。
(痛みに耐えている人の中の隠れた観察者は,その痛みを
感じていたわけだ。)同じことが麻酔をかけられている
患者にも当てはまる。
・この現象からは,じつは私たちが意識とは何かについて,
いかに無知であるかということもわかる。私たちは,麻酔中
でも,隠れた観察者が感じるような形で痛みを感知し,
処理できるのだ。たとえ「私たち」はその痛みを感じなく
ても,だ。

・意識とは奇妙な現象だ。意識は嘘や自己欺瞞に満ちている。
麻酔で意識は消し去ったと確信していても,何かが意識され
ることがありうる。意識ある<私>は,自分の体がやっている
ことに合理的な説明をつけるためなら,喜んでどんな嘘でも
つく。感覚刺激の知覚は,感覚器官へのインプットに時間の
うえで手の込んだ置き換えを施した結果だ。意識が行動する
ことを決めたと思ったとき,脳はすでにその行動にとりかかっ
てる。脳の中には複数の意識が存在するようだ。意識的自覚
は情報などほとんどないのに,まるで膨大な情報があるかの
ように思われている。意識とは奇妙なものだ。
・しかし,ベンジャミン・リベットの研究のおかげで,これら
の奇妙な特性をすべて生み出すために,0.五秒の時間がある
ことがわかった。

・人は生の感覚データを経験するわけではない。光の波長形
を見るのではなく,多彩な色を見る。

・人が体験するのは,生の感覚データではなく,そのシミュ
レーションだ。感覚体験のシミュレーションとは,現実に
ついての仮説だ。このシミュレーションを,人は経験している。
物事自体を経験しているのではない。物事を感知するが,その
感覚は経験しない。その感覚のシミュレーションを体験するのだ。
(ユーザーイリュージョン,紀伊國屋書店)



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