投稿者 松本 日時 2000 年 8 月 17 日 11:36:38:
回答先: Re: 量子コンピュータ 投稿者 スターダスト 日時 2000 年 8 月 13 日 23:03:12:
|> 内容がはごたえがありますので。
|> ちょっとレス不能です。
|> 御時間くださいね。
参考になるかどうかわかりませんが。
シュレーディンガーの波動方程式の収縮がいつ起こる
のかということについて再確認のため、コロンビア大学
のアルバート著「量子力学の基本原理」を引用します。
「量子力学の基本原理」
観測問題が最初にもっとも明確な形で示されたのは、
1930年代、ジョン・フォン・ノイマンの「量子力学
の数学的基礎」と呼ばれる非凡な本の中だ。
フォン・ノイマンには、観測問題について唯一可能
なことは、歯をくいしばって、観測のときには力学は
単に間違っていて、それでもその他の時はすべて正しい
と認めることだと思えた。
したがって、彼が下した結論は、量子力学系の状態
の移り変わり方については二つの基本的な法則がある
に違いないということだった。
1.観測が行われないときは、すべての物理系の状態
はいつも力学の運動方程式に従って変化する。
2.観測が行われるときは、観測される系の状態は収縮
の公理に従って変化し、力学の運動方程式には
従わない。
ある系が最初に物理量Aの固有状態にあったとして
みよう。そこに物理量Bの観測がなされた。AとBは
両立不能である。
私達が純粋な内省によって完全に確実に知っている
のは、観測がすべて終わり、知覚力のある観測者が
観測装置を見て、その装置の現在の状況がどうで何を
指し示しているかについて意識しおわるまでに、
何らかの波動関数が力学の運動方程式を破り、
収縮しているに違いないということだ。
私達がやらなければならないのは、いつ収縮が起こ
るのかを正確に突き止めることだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
たくさんの理由によって、これを実際にやりとげる
のがとんでもなく難しいということだ。
理由の中でもっとも厄介なのは、測定装置は、その
マクロ性によって、必ず周囲と相互作用するという
ことに関係している。・・・・・・・・・・・・
とはいえ下記の結果だと思うのですが。
「二重スリット」における波動方程式の収縮(崩壊)
はいつ起こるのか?について
実験4では電子が二重スリットを通過後、かつ検出器に
到着前にスリットの一方をふさいだ場合であるが、収縮が
起きるのは電子が検出器に到着後のため、スリットは一つ
だけ開いている瞬間であり、それに応じて干渉縞は生じ
ない。電子が検出器に到着する前までは電子は重ね合わせ
の状態にあり、もちろん電子一個一個に対する観測も終了
していない。
実験5では電子が二重スリットを通過後、かつ検出器に
到着後少し遅れてスリットの一方をふさいだ場合であるが、
収縮は電子が検出器に到着した瞬間に起きると思われる
ため、スリットはまだ両方とも開いている状態であり、
それに応じて干渉縞が生じる。
ここで検出器の原理を考えると、検出器は電子の二次元
検出器であるが、原子と自由電子により構成されている。
確認したわけではないが、原理的には検出器の中の
自由電子に光子が衝突すると電気が起こる「光電効果」と
同じようなものと思われる。
この場合、光子は収縮前であり、自由電子も重ね合わ
せの状態でなければ、衝突などはまずありえない。
衝突して初めて、光子も自由電子も収縮を起こす。
波動方程式がいったん収縮してしまえば、その後で
人間が観測しようがしまいが(結果をテレビ画面で見よ
うが見まいが)同じことである。
従って検出器に到着した瞬間に収縮は起きる。
収縮が起こる瞬間とは、重ね合わせの状態の量子が
検出器に吸収された瞬間であり、意識ある生命体が
その意識によって認識した瞬間の必要はない。
しかし、この観測方法に人間が影響を与えることは
否定できない。人間に自由意志があれば実験方法の
選択は可能である。
・波動関数の収縮は検出器に吸収された瞬間と思われる。
・この種の測定の際には、その検出器を含めた測定方法
を人間は決定することもできる。
・量子は、重ね合わせの状態では、波動方程式に従うが
それが物理的に何を意味しているのかわからない。
・収縮の瞬間、測定方法に応じて量子の物理量は確定する
が、量子一個一個の確定値を物理法則は予測できない。
・この結果からは、意識と量子状態の関係は不明である。
というふうに整理してみましたが。
ほんとかな?
下記は、「おまけ」です。
「ジョン・クレイマーによる交流解釈」
「量子交流」はある量子が別の時空にいる別の粒子と
「握手」するという形で記述される。
ある電子が電磁放射を放出し、それが別の電子に吸収
されると考えればよい。
電子が振動すると、電子は未来に向かって伝播する
遅延波と過去に向かって伝播する先進波を時間対照的に
混合した場を作って放射しようとする。
「交流解釈」ではまずある電子(放射体E)が
「提供波」を未来と過去に向かって送り出す。それを
別の電子(吸収体A)が受け取り、反響として「確認波」
を過去に向かってある電子(E)に出し、未来に向かって
も出す。この提供波と確認波は宇宙のいたるところで相殺
し合うが、ある電子(E)と別の電子(A)を直接結ぶ
経路上だけは強め合い量子交流を作り出す。
この解釈では知性などの特別な資格をもつ観測者や
測定機器を指定する必要もない。
「どの実験を実行すると観測者はいつ決めるのか、
という議論はもはや無意味である。観測者が実験の
形態と境界条件を決め、[交流]がそれに従って形成
されたのである。さらに、ほかの相互作用とは対照的
に検出行為は測定をともなうという事実ももはや無意味
であり、よって観測者もこの過程において特別な役割を
果たすわけではない」
「コーネル大学のデイヴィド・マーミンの説」
だれも見ていないと月は単に消えてしまうということ
ではなく、量子鍋の中のベリリウムイオンのように、
月の全ての原子や電子や他の量子がその量子状態に関し、
不確定になるということである。
確率波は最後に観測されたときの状態から非常に
ゆっくりと拡散していき、月全体が量子ゴーストへと
変化しはじめる。
だが、月が非常に大きくこの過程は非常にゆっくり
進むので、月を量子的不確定に溶解させるには何百万年
(いや何十億年かもしれない)とかかるだろう。
だからそうなる前にだれかが月を観測し、波束を収縮
させ、地球の回りの特別な軌道上に正確に重心がある
はっきりと定義された状態に引き戻すことになる。
「カリフォルニア大学バークリー校のヘンリー・
スタップの説」
脳はそれ自体がある意味で全体論的あるいは非線形的
に働く特殊な量子系であり、波束を収縮させるのにこと
のほか適している。
脳に含まれている神経は電気パルスを伝導し、神経の
結び目であるシナプスを化学的に通過させてパルスを
伝えていく。神経を伝わるパルスによってカルシウム
イオンが解放され、それがギャップを越えて伝わり次の
パルスを解放していくのだが、この過程に含まれる
カルシウムイオンの速さは典型的なところで200
マイクロ秒に50ナノメートルぐらいである。
「不確定性原理によって簡単に見積もると、
カルシウムイオンの波束はカルシウムイオンそのもの
の何倍もの大きさになっていなければならない。
よって、単純な古典的軌道という考えは不適切であり、
原則として量子的概念が必要となる。」
人間の意識と量子論との関係を考える場合に、
参考になりそうですので、下記は「脳と物理学」
(武田 暁)の内「視覚情報処理とニュートン力学」
という部分の一部です。
外界の物体の視覚情報は、その物体からの光が両眼の
眼球を通り眼球の内側にある網膜の細胞群に吸収される
ことにより得られる。
網膜は厚さ2〜3mmの薄い膜であるが、そこに5種類
の細胞が層をなして比較的整然と配列している。
光が当たる側から、光受容細胞−水平細胞−双極細胞
−アマクリン細胞−神経節細胞の順に層状に並んでいる。
眼球を通った光は網膜裏面の光受容細胞で吸収され、
その情報は直接に、あるいは水平細胞を経て双極細胞に
送られ、さらに直接に、あるいはアマクリン細胞を経て
神経節細胞に送られる。
神経節細胞からは長い神経線維(視神経)の束を通り、
視床の外側膝状体と呼ばれる部位を経由して後頭葉の
一次視覚野に情報が送られる。
光受容細胞は外界の物体からの光を吸収する細胞であり、
光を吸収するとその光量に応じて膜電位を下降させる。
光量が2倍であれば、膜電位変化も2倍になる。
光受容細胞には色を感じる錐体細胞と色を感じない桿体
細胞があり、前者はカラーフィルム、後者は黒白フィルム
の役をしている。
人間には3種類の錐体細胞があり、それぞれ緑、赤、青
の光に最も感度がよい細胞である。
これらの3色は光の3原色である。網膜の中心部には
主として錐体細胞が分布し、周辺部位には桿体細胞が分布
している。
通常は眼球を絶えず動かして注意すべき対象物が網膜の
中心部位に投影されるようにしており、錐体細胞が主と
してはたらいている。
非常に暗い所では、錐体細胞ははたらかず網膜全体に
広く分布する桿体細胞がはたらいている。
光受容細胞は単眼あたり、錐体細胞は600万個程度、
桿体細胞は1.2億個程度ある。
桿体細胞の感度は錐体細胞の感度の千倍近くもあり、
ただ1個の光子が細胞に吸収されるだけで膜電位変化
を生ずるほど感度がよい。
光受容細胞の光刺激による膜電位変化は下記のとおり。
光刺激;パルス
___| ̄|___________________
|
反応電位 |
・・・・・| 20mS |←−− 150mS −−→|・・・・
_________ _____
・・・・・・・・・\ /・・・・・
・・・・・・・・・・\ /・・・・・・
・・・・・・・・・・・ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「意識の遅れ」との関係は?
これだけでも、20m秒 + 数十m秒の遅れが生じて
います。この後、視神経の束を経て視床から後頭葉の
一次視覚野を経て・・・意識となると、少々遅れが生
じてもおかしくないようですが。
原理は現在のディジタルビデオカメラのセンサ部分
とよく似ています。ただ応答速度が遅いようで。
どうも両眼が二重スリットに見えてきました。
・・・(両眼も観測装置と同じ?)・・・
「宇宙哲学」から意識を考える上で、
量子論との関係を整理してはと思い、
まずは書籍から関係ありそうな個所を
ピックアップしてみました。
「宇宙哲学」
第4章;肉体、心、意識
・肉体、心、意識は一体で不可分なものである。
・物質の肉体は意識によって支えられねば存在を中止
するだろう。
・意識はそれが進行するための運搬者がなければ、
物質のなかに自らを表現できないだろう。
・心は右の二つのあいだの媒介物として作用しなければ
無用のものとなってしまうのである。
第5章;人間は四つの感覚器官を持つ
・肉体を持つ生ける人間を意識的な力の意識的な利用者
にするのは、触覚を仲介とした四つの感覚器官の拡張
なのである。
・触覚とは意識的意識の意識的知覚なのである。
・触覚はフィーリングと切り離すことはできない。
フィーリングが神経に「感じ」を伝えるからである。
第9章;真の生まれ変わり
・それは意識の二つの面(感覚器官の意識と宇宙の意識)
を結合させて一体性を知覚させることを必要とする。
第14章;化学的な宇宙
・想念が肉体の活動にとって必要であるという事実は、
想念自体が化学物質であることを意味する。
「生命の科学」
第1課;生命の分析
・そこでわれわれは意識の助けをかりて心を発達させる
のみならず、同時に意識的な知覚力を拡大させるのです。
・つまり何らかの結論に達するまでに結果(現象)の
生じた理由を忍耐強く分析するとよいのです。
・しかし心は意識を通じて原因に気づくようにならねば
なりません。
第2課;心とその成分
・意識は砂一粒の生命でもあるからです。意識は万物
とは独立しているものなのですが、しかも万物を生か
しています。
第5課;意識、英知、生命力
・時間の始まり以来、人間は自分と同じような三次元
の具体的事実を望もうとして自分を訓練してきました。
四次元を神秘と空論にしてしまったのです。
・意識は限界を知らない四次元であるので、意識のみ
がそれをなし得るのです。
第8課;宇宙の一体性
・意識こそ万物を知る者であり、万物は意識の海の中
でいきているからです。
・しかしあらゆる生命体は意識をもっています。
「テレパシー開発法」
第T部
第3章;触覚は基本的感覚器官
・想念伝達、透視、予知、その他不可視の知覚作用に
たいしてどんな言葉を用いても、これらの働きは心の
協力によって脳を通じてあらわれる触覚要素の全く
正常な機能なのです。
・触覚も肉体の一感覚器官ではないという事実です。
・こんにち人間の心を作り上げているのはこの四つの
経路(感覚器官)なのです。
第4章;エネルギーとしての想念
・想念もまた一種の化学作用なのです!
・想念もまた空間という感光版上に記録される一定
の振動率を持っているからです。
・想念を光のスパークとして想像すればよいでしょう。
・そして光と同様に、想念の振動も一度作り出される
と、この特殊なエネルギーの放射線を吸収したり散ら
したりできる何かの物体で阻止されない限り、無限に
進行するのです。
・心とは想念を一点から別な一点へ運ぶ媒体なのです。
・エーテルと同様に、心はあらゆる空間と物質に浸透
しており、心そのものを通じて、光の波動よりも
はるかに精妙な想念波動を運ぶことが可能である
ことを知っているだけです。
第U部
第2章;肉体細胞から来る印象
・原子には警戒性または知覚性が与えられていて、自分
のメッセージをフィーリングによって人間の心に刻み
つけることができます。
・しかし研究機関の科学的な実験の結果、物質はすべて
意識を持つということが決定的にわかっています。
第U部の要約
・記憶すべきは、宇宙のあらゆる原子はそれぞれ宇宙語
を話しており、他の原子のすべてと通信ができるという
ことです。
第V部
第3章;透視、透聴、予知、その他
・空間とは一定の物体間の距離、時間とは行為と行為の
間隙であると考えています。しかしこの二つは本当は
「無限」から生まれた双生児であり、正確に区別する
ことはできないものなのです。
「宇宙からの訪問者」
第12章;偉大な指導者との再会
・地球人が、自分は肉体すなわち家屋ではなく、家屋の
「居住者」にすぎないことを知るならば、彼らはどこ
でも望みの場所へ家屋を建設できます。