投稿者 松本 日時 2000 年 8 月 13 日 14:32:40:
回答先: Re: 量子コンピュータ 投稿者 スターダスト 日時 2000 年 8 月 11 日 22:53:54:
お忙しいのに、いつもコメントありがとうございます。
以下は参考までに。・・・・・・・・
|> |> 6.新実在論
|> |> 世界は通常物体でできている。原子は「物」である。
|> はて?
新実在論については、世界の真の本性に対するこの簡明な
見方を、体制側の物理学者は、見当違いのどうしようもない
素朴な見方として斥けるのが普通です。
ハイゼンベルクいわく;唯物的存在論は、われわれを取り
巻く世界の直接的「現実性」といった種類の存在が、原子領域
にも延長できるという幻想の上に立っている・・・原子は物
ではない。ということでしょうか?
|> |> 8.ハイゼンベルクの複式世界
|> これって、ハイゼンベルグが
|> 晩年になってから
|> 迷路にはいったときの考え方?
複式世界については、未測定の世界は現実に、そうであると
量子論が表現しているところのもの、なのである。
それらはたんなる可能性の重ね合わせ(ハイゼンベルクの
いわゆるポテンチア)、まだ実現されていない行動の傾向で
あり、その中の一つをもっと具体的な存在様式、人間が現実性
として経験するものに変える、測定という魔法の瞬間を待ち
受けているのである。ハイゼンベルクのポテンチアは、
「事象の観念と現実の事象そのものの中間」にある新種の
物理的存在を表している。
|> 小数点以下数十桁の
|> 値をきれいに計算できる
|> 方程式を持ちながら
|> その意味を把握できていないのですねぇ。
数式では計算できるのですが、その物理的意味がなかなか
わからない。日本語や英語などの言語は人間の日常の生活を
反映していますが、数式という言語は自然界を説明するには
よいのですが、人間の常識的な考えには当てはまらないため
後で理解できずに困ってしまうのでしょうか?
ふたたび「量子テレーポーテーション」について
ベルの不等式の実験的テストにて、アインシュタインの局所性
の破れをチェックするには、光子カスケード型の実験では光子
が光源を離れた後に偏光版の設定を決定するような工夫が必要。
1982年にアスペ-ダリバール-ロジェらが「遅延選択実験」
を実行し、ベルの不等式を破った。
これにより、光速を超えた現象があることがほぼ認められた。
(当人のベルはより厳密な実験を要求していますが)
が、人はこの現象を光速を超えた情報通信に利用はできない。
・・(これはスターダストさんの説明にあるとうりです)・・
[遅延選択実験]
光電管 偏光版A スイッチ 光源 スイッチ 偏光版B 光電管
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┃PM┃---┃┃ ┃┃---┃PM┃
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偏光版C 偏光版D
光学的なスイッチにより異なる設定をされた偏光版のそれぞれに
光子を振り分けることができる。光子が光源を離れると、すばやく
スイッチを切り替え、どの偏光版に光子を振り分けるか選択する。
これにより、実験機器の設定が、光源に伝わってこの特定の設定
で測定される相関に影響しないようにする。
ベルの不等式の求め方は「宇宙に心はあるか」(ヴィクター・
J・ステンガー)にあります。・・・・・・・・・・・・・
次は遅延選択実験によく似た実験です。
「事後選択実験」・・・ホイーラー
島宇宙(重力レンズ)によって曲げられたクェーサーの光の光子
を一つ一つ眺めて、それが右側の経路を通ったのか左側の経路を通
ったのか、それとも両方の経路を一挙に通ったのか、問うことがで
きる。答えが何であれ、この問題ははるか昔に決着がついているよ
うに見える。われわれが眺めているのは100億年も昔の、太陽が
輝きはじめる以前に出発した光なのである。
しかし、今日われわれが何を測定するかを選ぶことにより、遠い
過去にこの光がどちらか一方の経路を通過したのか、それとも両方
の経路を通過したのか、といったことに遡って影響を及ぼすことが
できる。過去の変え方は「量子と実在」(ニック・ハーバート)に
簡単な紹介があります。・・・・・・・・・・・・・・・・
電子の二重スリット実験の「おまけ」です。
1987年の日立研究所と学習院大学チームの実験の内、電子
の二重スリット実験は「実験1」〜「実験3」ですが、アスペの
「遅延選択実験」から「実験4」と「実験5」が考えられます。
おまけの2つは、「量子の重ね合わせの状態」から観測後の
確定した状態へ、どの時点で移行するのかを調べるための実験です
「実験1」
電子は12万km/秒で、電子線源から二重スリットを通り
二次元検出器に到着します。この間約1m。電子の数は1秒
に10個ほどにします。従って、装置の中に、同時に二個以上の
電子はいません。
ところが、数十分後到着した電子がかなりの数になると、
きれいな「干渉縞」が得られます。一個の電子は二重スリットの
両方を通過し、自己干渉を起こしたとしか考えられません。
「実験2」
二重スリットの左側に板を置いて電子を遮ってみたら、右側を
通った電子の分布は、一様になります。
「実験3」
二重スリットの右側に板を置いて電子を遮ってみたら、左側を
通った電子の分布は、一様になります。
「実験4」
一個の電子が二重スリットを通過するたびに、板をすばやく
左側に置きます。ただし、電子が二重スリットを通過後すぐに
かつ二次元検出器に到着する前に板を置きます。
このようなことを繰り返し行った場合には、干渉縞はできる
でしょうか?
「実験5」
一個の電子が二重スリットを通過し、さらに二次元検出器に
到着後に板を置きます。その後、板は元に戻し、電子がくる
たびにこれを繰り返します。干渉縞はできるでしょうか?
実験4および5の結果で、電子の重ね合わせの状態から、
どの時点で確定した状態になるのかが明確になります。
・二次元検出器に電子が到着した時点でしょうか?
・意識に電子の到着が認識された時点でしょうか?
[電子の二重スリット実験・変形版]--------┓-----------┓
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[ 実験1] [ 実験2] [ 実験3] ┃実験4┃ ┃実験5┃
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電子線源 電子線源 電子線源 電子線源 電子線源
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二重スリット 二重スリット 二重スリット 二重スリット 二重スリット
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左板 右板 左板 左板
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┃二次元┃ ┃二次元┃ ┃二次元┃ ┃二次元┃ ┃二次元┃
┃検出器┃ ┃検出器┃ ┃検出器┃ ┃検出器┃ ┃検出器┃
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┃目┃ ┃目┃ ┃目┃ ┃目┃ ┃目┃
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┃脳┃ ┃脳┃ ┃脳┃ ┃脳┃ ┃脳┃
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┃意識┃ ┃意識┃ ┃意識┃ ┃意識┃ ┃意識┃
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