投稿者 松本 日時 2000 年 8 月 18 日 12:52:25:
ちょっと古い大会ですが、ご紹介します。
最近のがわかればよいのですが。
心や意識は脳のどこにあるのか(ニコラス・ウェイド)
に下記の大会の説明がありましたので参考まで。
「Sandra Blakeslee,March 1995」
「意識の科学を探る」大会は、アリゾナ大学が主催し、
22カ国から1000人の参加者があった。
また、西欧科学の形而上学的基礎の研究を目的とする
フェッツァー研究所と知性科学研究所が後援した。
ともかく、この大会のために、神経科学者、哲学者、
数学者、コンピュータ科学者、物理学者、夢の研究者、
薬理学者、医師、民族学者、心理学者、超心理学者、
宗教学者、および意識の謎を解いたと主張するさまざま
な預言者、が一堂に会した。
・機械は意識を持つことができるだろうか?
・自由意志は存在するか?
・感情のない意識は存在するか?
・動物に意識はあるか?
・熟睡すると、意識的な気持ちはどうなるか?
・意識は本当に特別で独自のものか、それとも、複雑
に組み合わさった気象状況が生み出す風と同じで、
複雑な脳の自然な副産物にすぎないか?
会議の目的;意識とは本来何か?それを科学的に解明
することは可能か?
二年前のトゥーソンでの会議では、チャルマーズ博士
が「意識の難解な問題」を提起した。
「意識の簡単な問題」
・感覚の情報は、どのように脳に伝わるのか?
・われわれはどのように物体を見たりそれに手を伸ば
したりするのか?
・どうして、内面的な状態を言葉にしたり、自分のして
いることや考えていることを伝えられるのか?
「意識の難解な問題」
・主体的経験とはいったいなにか?
・世の中のできごとを鮮明に感じることができるのは
なぜか?
・我々の頭の中に主体となる誰かがいるのはなぜか?
以下が諸説です。
1.意識は付帯現象なのである。
タフツ大学の哲学者ダニエル・デネット
2.「簡単な問題」がすべて解決すれば「難解な問題」
は消滅する。しかし、意識は確実に存在する。
カリフォルニア大学サン・ディエゴ校の哲学者
パトリシア・チャーチランド博士など
機械もいつか意識を持てると信じる人々は、
主にこの組に参加する。
3.モダン二元論者とでも呼べそうなグループ
「難解な問題」では同意するが、人間の主体的経験
を説明するには、別のものも必要だと、考えている。
それが何かについては、さまざまな考えがある。
・世界は二種類の情報を持つことになる。一つは物理的
なもので、もう一つが経験的なものである。
・ペンローズ博士は、ヘイムロフ博士と共に、量子世界
から古典状態への転換は、微小管に関わるあるタン
パク質の中で起こる、という仮説を発表した。
この説は、いっせいに攻撃を浴びたが、この説に
人気があるのは、多くの人々が二元論者的な憧れを
持っているためだ、とチャーチランド博士は言う。
彼らは魂や死後の世界、人間の特殊性を信じたい。
顕微鏡で検査することのできる細胞の一種である
ニューロンが、「私が私であること」の根底だと
いう考えには抵抗がある。
4.人間はこの先もずっと意識を理解することなどでき
ない。この謎は深すぎる。
ラトガーズ大学の哲学者コリン・マクジン博士は、
人間にとって、事象から主体的経験がどのように形成
されるかを把握することは、「ナメクジがフロイト派
精神分析をしようとしているようなものです。その
概念の備えさえないのです。」
ニューヨークのハンター・カレッジの宗教学教授の
ロバート・フォーマン博士は、神秘的な経験は、人々
に意識について何らかの示唆を与える、という。
「遺伝子を理解するために、私たちは大腸菌と言った
バクテリアを観察します。記憶の研究では、ウミウシの
記憶を分析します。しかし、意識について詳しく調べる
ためには、神秘的な力を持った人の経験を検証する必要
があります。彼らは、その意識をもっとシンプルな形で
経験するのです。」多くの人々は、このような体験や
宇宙との一体感を、意識を備えた脳がもたらす、最高の
経験だ、と考えている。